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四日市の小さなローカル線 第1回

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(13年7月の旅)

分岐駅の日永

国内でも珍しい狭軌の路線に乗る

  四日市に到着した。せっかくここまで来たのだから、ぜひ乗っておかなければならない路線があった。近鉄四日市を発着する近鉄線の支線である内部・八王子線だ。同じ近鉄線ではあるが、ホームはまったく別々のところにあり、高架となっている近鉄名古屋線からはいったん下に降りる形になる。

 なぜ、わざわざ乗車しようと思ったのか。内部・八王子線はそれぞれ内部線、八王子線に分かれており、四日市の2つ先の駅である日永駅から分岐する。どちらの路線に乗るかは行ったときに停車中の列車を見た段階でわかるのだが、今回は八王子線ということになった。こちらは内部線のさらに支線という感じで、日永から分岐して次が終点の西日野である。そもそもはその先の伊勢八王子というところまで走っていたが、水害による被害でそのまま部分廃止となってしまったのである。八王子とか日野とかいう地名、東京多摩地区と何らかの関係があるのだろうか。

 さて、この内部・八王子線の一番の特徴は日本では数少ない狭軌(ナローゲージ)の路線ということである。したがって、車両も小ぶりで車内はいかにも狭い。列車の外見は細長く見える。車内は1人がけのボックスが同一方向左右に並んでいる車両と、ロングシートの車両の二種類ある。ボックスシートはまるでバスに乗っているような感じだし、ロングシートのほうはちょうど路面電車っぽい。典型的な地方都市のローカル線で、かなり生活感が漂う空間を走ったり、時にのどかな田園風景を走ったりという路線。

まるでバスか路面電車のような車内

 乗客のほとんどは中高校生といったところで、とくに休日ということであまり乗車率は高くない。そのせいか、近鉄はこの路線をバス専用道路にしてバスに転換することを地元自治体に提案しているそうである。地元の判断はまだ出ていないようであるが、収支状況を考えるとおそらくバス転換はやむを得ないかもしれない。そんな情報を得ていたので、あえて寄り道をしたわけである。

 四日市を出て、赤堀の次が日永。ここで内部線と連絡する。分岐してゴトゴト走ると間もなく終点の西日野に着く。乗客は私を除いてすべて地元住民で、無人駅の駅舎を次々と去っていく。私は折り返し四日市行きに乗るため、いったん改札を出てから切符を買い直し、改めて列車に乗り込んだ。ワンマンカー運転をしているのだが、運転士は降車時に切符を回収はしなかったので、私の手元には四日市からの切符が残った。
 

(おわり)

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