「塩汁のはなし」
「旅の恥はかき捨て」とは、けだし名言です。 知らない町に行くわけですから、その土地独特の風俗、習慣、文化にとまどうことも多々あります。 その結果、自分が意識をしないうちに「旅の恥」をさらしているのです。 |
東北地方北部へ初めて旅をしたときのエピソードです。十和田湖畔のレストハウスに寄って昼食をとろうしたときの話です。
店内にて | その時私は・・・ |
メニューを見る | 何か変わったものはないかなあ? |
「塩汁」と書いてある | ふーん、これは見たことないなあ |
お店の人が来る | すいません、注文いいですか? |
メニューを見ながら | この「しおじる」って、なんですか? |
お店の人首をかしげる | 「どうしたんだろう?」 |
お店の人「しょっつるですか?」 | 私首をかしげる |
そこでようやく分かったのです。秋田名物「しょっつる」のことを、漢字で「塩汁」と書くことを。思わず大恥をかいてしまいました。けれど、そのあと出て来た「塩汁」は、海の幸と山菜がたっぷりのミニ鍋で、とてもおいしかったことが思い出されます。