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いい旅をするための6つのStep道楽者コラム目次



 

道楽者コラム 第14話


移動の時間どう活用?

  ムダな時間とは思いながらも、どうしても避けて通れないのが移動の時間。鉄道、バス、飛行機、船、徒歩などさまざまな移動手段があるが、旅先から旅先への所要時間というのは旅程にしっかり組み込まねばならない。

 移動の時間はどのように活用すればよいか。徒歩の場合はそのまま「散策」という観光に結び付けることができるので、ここでは交通機関を利用しているときの過ごし方について書いてみたい。

 住んでいる諏訪地方から旅の拠点となる東京、名古屋では中央線特急で2時間半程度の所要時間がかかる。この間の過ごし方で最も多いのが「寝ている」。この理由はいとも簡単で、往路・復路ともほとんどが夕方から夜にかけての乗車になり、例外なく車中もしくは列車に乗る前に酒を飲んでいるためである。そのほかの時間帯は雑誌や本を読んでいたり、東京に早めに到着するような場合は事前に用意した東京都内での飲み歩きスポットのチェックなどをしている。

 私の場合、旅行の暇つぶしに単行本を一冊持参するのが常であるが、旅行中に読み切ってしまうことはほとんどない。つまり暇つぶしの「暇」にあたる時間が少ないからである。旅行中はただ持ち歩いているだけの存在になっているし、東京や名古屋からの往復は先ほど書いたとおり、寝ている時間が多いからだ。それでも、旅先や旅の目的にかなうような単行本を持ち読んでいると、旅の醍醐味がまた膨らんでくるからやはり欠かせないアイテムとなる。

 東京、名古屋に宿泊し、朝、旅先へ向かう新幹線や飛行機の場合はどうか。多くのケースが、目的地にいち早く到着するため、早朝出発しているので、まずは朝食をとる時間にあてる。前は駅弁を買って食べたこともあるが、やはり朝食にはボリュームが多すぎるので、たいがいサンドイッチなど軽いもので過ごす。ちなみに高崎駅にはおかゆ弁当なるものがあり、これはなかなかいい。また空港では近年、空弁が充実してきており、駅弁と比べてコンパクトな弁当が多いので軽めの朝食にはピッタリである。

飛行機の窓からはこんな絶景も(富士山上空) 飛行機に搭乗するときはたいがい窓側の座席を確保するので、天気がよければ外を眺めていることが多い。ふだんは見ることができない上空からの地形などは地図を見るのが好きな私にとっては楽しい。場所によっては「○年前に来たなあ」などと感慨にふけることもある。ただ、天候が悪く雲に隠れて地上が見えないことも多々あり、その場合は機内に常備してある雑誌を読んだり、音楽を聴いたりして過ごす。寝ているというのもひとつの手ではあるが、飛行機には機内のドリンクサービスがあるのでこれを利用したければ寝るのはもったいない。うっかり寝過ごすと飛行機が着陸態勢に入り、客室乗務員のサービス対応ができなくなるので注意したい。

 目的地に近づいてくると、事前に調べた目的地のデータやガイドブックなどを閲覧し、これからの旅程の確認作業を始める。これは旅行途中でバスや列車などで三十分以上の移動がある場合も、同じように次の目的地の旅程を練り上げたりすることもある。比較的日程を綿密に組んで旅行に出るタイプではあるが、時々「現地で旅程を考える」というおおざっぱなプランにしてあったり、現地で予想外の天候(急な雨降りや雨予想が外れるなど)に見舞われたりすると、移動中の日程練り上げが忙しくなることもある。

 旅行中の移動には観光がプラスアルファされることも多々ある。初めて訪れる場所や一度来ていても久しぶりという場所は、移動しながら車窓を眺めているだけでも楽しい。車窓から思いがけない絶景が見れたり、当地ならではの風景が姿を現したりすると、ちょっと得した気分になる。車窓をぼんやり眺めていると、そのままうたた寝をしてしまうこともあるが、それはそれで旅の疲れを少しでも解消してくれるのでいい。

 唯一、移動中にほかのことができないのがひとり旅でのレンタカー。こればかりは安全運転を第一にしなければなりませんね(笑)。