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いい旅をするための6つのStep道楽者コラム目次

 



 

道楽者コラム 第9話


新幹線の料金って高い?

 旅行で便利な乗り物の第一に挙げられるのが新幹線である。飛行機を除けば最も短時間に移動することができ、行き先によっては搭乗手続きやアクセスで時間を食う飛行機よりも早いケースもある。東北新幹線の開業で岩手、青森がぐんと近くなり、九州新幹線が全通すれば熊本、鹿児島も一層近づく。

東北新幹線の車窓 ただ、新幹線ほど車窓におもしろみのない路線はない。もっとも開業が古い東海道新幹線はそれなりに窓の外に楽しみが持てるが、それ以降に開業した新幹線は長大なトンネルが多く、車窓どころの話ではない。とりわけ、長野新幹線や九州新幹線はトンネルとトンネルの間に駅があるという感じすらする。長野新幹線には時々乗車をするが、ほとんど寝ているか、読書をしているかで時間を費やしている。

 さて、その新幹線であるが、在来線と比べて特急料金が高いのが玉にきずである。ただし、一駅区間のみというような近距離での利用の場合は、自由席が通常よりも割安の設定(特定特急料金)がされている場合がある。これはおそらく、並行在来線を利用するというケースとの比較の関係でこのような設定がされているのであろう。特急料金を払ってでも、少しでも早く目的地に行きたいというお客にとってはありがたい。

 もうひとつ、新幹線には乗り継ぎ割引という仕組みがある。これは在来線特急と新幹線を同じ駅で乗り継いだ場合、在来線特急の特急料金が半額になるというものである。私がよく利用するパターンでは、名古屋駅を経由して東海道新幹線と中央西線しなの号を乗り継ぐというもので、在来線特急に長い距離を乗れば乗るほど、より割引の恩恵が受けられる。東京方面の場合は、あずさ号が新宿発着になってしまうため、新幹線との乗り継ぎ割引を使うことができない。

 乗り継ぎ割引が有効な駅を思いつくまま書いてみると、まず山陽新幹線の岡山駅が挙げられる。ここは四国方面、山陰方面へ多くの特急列車が発着しており、切符を別々に買うのはもったいない。また、米原駅や京都駅では北陸方面への特急列車が乗り継げる。それから東北新幹線の八戸駅から青森、函館方面への乗り継ぎだが、これはたいがい一括購入をするだろう。新大阪駅でも関西空港へのはるか号、一部和歌山方面への特急などがあるし、小倉駅や博多駅でも大分や熊本、長崎方面への特急乗車に乗り継ぎ割引を組み込みたい。

 さて、この近距離での特定特急料金と乗り継ぎ割引をうまく使った一例を紹介しよう。浜松から豊橋で飯田線に乗り継ぎ、特急伊那路号で飯田まで向かう場合、たいがいの人は浜松―豊橋間を在来線(東海道本線)を使うであろう。ところが、浜松―豊橋間に新幹線を利用した場合、特急伊那路号には乗り継ぎ割引が適用されるのである。差額で特定特急料金が捻出でき、さらにお釣りがくるというのだ。浮くといってもほんのわずかな額ではあるが、新幹線を使うことによる時間的な短縮も考えると、旅先でのちょっとしたテクニックとして覚えておいて損はない。