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いい旅をするための6つのStep道楽者コラム目次

 



 

道楽者コラム 第6話


日帰り温泉を有効活用しよう

愛媛県松山市宿泊なら必ず道後温泉本館に寄ろう 旅行といえば宿泊がつきもの。私のひとり旅ではほとんどがビジネスホテルを宿泊先に選ぶ。比較的安価であること、食事の自由がきくこと、早朝の出発に対応できること・・・こんなメリットが生かせるので、たいへん重宝している。口コミ情報を見ると、部屋の狭さを不満としている人が多いが、私の場合狭いことが苦になったというのは一度もない。カプセルホテルや寝台車に比べれば広々としているからだ(笑)。

 もうひとつ、ビジネスホテルへの不満で多いのが浴室のこと。狭いやら汚いやら、とくに女性にとってみればなかなかシビアな問題。私はあまり気にしないタチで、シャワーを浴びるときに壁や手すりに身体をぶつけたなら「もうちょっと広くてもいいのになあ」と思うくらいである。

 そんな不満を解消し、快適な風呂を楽しみたいのであれば、日帰り温泉を有効活用するのがいちばん。目玉が飛び出るくらい高い東京のスーパー銭湯(スパリゾートも旅の目的のひとつなら料金も気にならないが)はさておき、多くの地方都市では市内や周辺に日帰り温泉施設がある。バスなど多少往復に時間をとられても、狭いホテルの浴室よりははるかに気分がいいはずである。

 私が全国あちこち巡ったなかで、とくに日帰り温泉が充実している大都市をふたつ紹介する。そのひとつは意外や意外、大阪である。大阪市内にも東京並みの値段のスーパー銭湯がいくつもあるが、比較的近距離のところに穴場のような温泉銭湯が多い。もちろん値段は高くても数百円程度。当然のことながら、旅行者の姿はほとんどなく、地元の人たちでにぎわっている。

 もうひとつは鹿児島である。こちらは市内の随所に天然温泉の銭湯があり、地元住民で結構にぎわっている。料金は300円くらいだったかと記憶する。温泉マップを観光協会で発行していたので、そんなものを現地で入手し、有効利用してみるのもよい。ちなみに鹿児島の温泉銭湯は早朝からやっているところもあり、朝風呂につかることもできる。

 温泉銭湯は身体を癒してくれるということだけではなく、地元の人たちとのふれあいという楽しみももたらしてくれる。直接会話を交わすことはなくても、住民同士の会話に耳を傾けていれば、その土地の雰囲気に浸ることができる。もしかすると、思わぬ穴場情報がキャッチできるかもしれない。1点だけ注意するならば、これらの温泉銭湯ではシャンプーやボディーソープはもとより、貸しタオルすらない場合もあるので、最低限タオルだけは持参することが望ましい。

 別府など、温泉に入ることそのものが旅行の大きな目的となる場所はさておき、ほかの観光目的のところであっても、日帰り温泉のチェックだけは欠かさないようにしたい。近年では温泉大浴場付きのビジネスホテルというのも出現しているので、ほかのホテルより多少割高であっても利用価値は高い。ただ、このタイプのホテルは結構人気があり、早めに予約を入れておいたほうがよい。