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いい旅をするための6つのStep道楽者コラム目次

 



 

道楽者コラム 第5話


腹をこわせば旅できぬ

これが酒飲み天国・高知での悲惨な夕食(涙) 大げさな表題であるが、旅の目的が特別な人(例えば鉄道に乗ることのみが目的など)を除けば、だれもが旅先での食事を楽しみにする。とりわけ、私のような酒飲みであれば、旅先での夜の一杯は格別である。旨い地酒と郷土料理や地魚を酌み交わすというのは、まさに至極の瞬間といえよう。

 だからこそ、これができなかった時は旅そのものが色あせてしまう。どんな土地であっても、必ず郷土料理というものは存在するし、何がしかの地酒(日本酒とは限らないが)を持っている。極端な話、その土地の人がいつも食べているごく平凡な料理であっても、旅人は喜んでその料理をいただく。

 できなかった時というのは、旅人自身に問題が生じた場合である。とくに、急性胃腸炎にでもなってしまうと、その時点で旅は終わったに等しくなる。実際、私は高知旅行でその経験がある。急な下痢とその直後からの腹痛に襲われ、ほうほうの体で薬局を探し当てて薬を買って飲んだものの、すぐに症状が緩和するわけではなく、結局その後の旅路は悲惨な結果となってしまったのである。写真のとおり、夕食はコンビニのカップ雑炊とヨーグルト、それに唯一の地元品・室戸海洋深層水だけになった。

 料理にあたった、ということならそれはそれで問題となるのだが、私の場合は自動販売機で買ったパックのウーロン茶が怪しかった。のどが渇いていたにもかかわらず、飲んだ瞬間に「不味い」と思ったからである。しかし、それを飲み干してしまったばっかりに、その1時間後に急な下痢に襲われてしまったのだ。自動販売機で?と驚かれる方もいるかと思うが、当時の状況からこれ以外に思い当たる節はない。

 旅行の前や旅行中の体調管理については「いい旅をするための6つのStep」のなかでも触れているが、旅というのはすべてが自己責任なのである。怪しいと思ったら手を出さない、直感的に「不味い」と思ったら残す、これを徹底したい。私の場合、ホテルや旅館の朝食に出る生卵さえ、嫌だなあと思ったら食べないのである。