第29章「邪心戦争」
AB.「現状解説」
main character:ローザ=ファレル
location:いんたーみっしょん

 

 はい、どーも。FF4IFの “一応” ヒロイン、ローザ=ファレルです♪

「・・・自分で “一応” ってつけるのはどうかと思うけど―――セリス=シェールです」

 だって、最近の私ってばヒロインらしくないもの。
 どちらかというと、セリスやリディアが目立ってるような気が。

「そ、そうかしら?」

 まあ仕方ないのだけれど。だって、もうセシルとラブラブしちゃってるし。なんというか私のイベントは全て終了したって感じ?

 

 ―――ラストバトルで一つありますよー。by使い魔

 

 ・・・逆に言うと、もう一つしか無いってことよね。

「それはおいといて。そろそろなんで私達が “いんたーみっしょん” に出張ってるか説明しておいた方が良いと思うんだけど」

 あ、そうね。
 それはこんなコメントが来たからでーす♪

 

ロクセリもいいですが、ろうさんのロザセリも好きです。いんたーみっしょんあたりで出演させてください。

 

 ロザセリ・・・つまり私とセリスのカップリング! そう・・・時代は百合!

「なにそれ?」

 女の子同士でイチャイチャすることよ!(断言)

「具体的には?」

 えっ? ええと・・・・・・・確か・・・・・・聞いた話では・・・・・・・・・あ、そうそう!

 コホン―――あらセリス、タイが曲がっていてよ?

「意味が解りません。そもそも私、ネクタイなんてしてないし」

 あれー? 違ったかしら?

 

 ―――あの、すいません。そろそろ本題に入って欲しいんですけど。

 

 天の声から指示が!?

「そういうわけで今日の本題。サブタイにもあるとおり現在の状況解説―――今、私達はどんな状態になっているかということね。
 ま、とりあえず順番に見ていきましょうか」

 おー!

「・・・なにそれ?」

 景気づけの掛け声。こういうのは盛り上げたモン勝ちってお母様が言ってたわ!

「・・・・・・はい、じゃあまずは月の方から」

 

 

******

 

 

1.月

「月では大雑把に分けて二つにわかれるわね」

 ラストバトルに向かってる私達と、 “真の月” の魔物達の転移を止めようとするギルバート達ね。

 私達はゼムスの罠にかかって分断されて、ギルバート達はラムウおじいちゃんの力で無事に “次元エレベーター” の制御室にたどり着いたけれど、そこでゼムスの分身?かなにかと遭遇したと。

「・・・・・・」

 どうしたの?

「いや、やればまともに解説出来るんだなって感心してた」

 もう、そんな褒めないでよセリス。私、調子に乗っちゃうわよ?

「お願いだから勘弁して」

 なんでー?

「さて、月の方は特に詳しく解説するところはないわね?」

 だいたい本編の方を読んでくれれば良いしね。

「一応、ざっと紹介しておくと」

 

A.ゴルベーザ&シュウ&フースーヤ――― “ダームディア” の力で “転移” に干渉。今のところ敵に遭遇せず。

B.セシル&バッツ&ファス&ルビカンテ――― “ダークバハムート” と遭遇。斬鉄剣のコンビネーションで撃破。

C.カイン&ロック&バルバリシア――― “プレイグ” と遭遇。ロックの作戦で撃破。

D.リディア&エッジ&カイナッツォ――― “タイダリアサン” と遭遇。 “オーディン” をジャンクションしたエッジにより撃退?

E.ローザ&セリス&スカルミリョーネ――― “ルナザウルス” と遭遇して撃破。

 

「私達はこんな感じ」

 ゴルベーザ四天王が転移の罠で強敵の所へ跳ばされて戦っていたところに、私達が上手い具合に転移してきたってことね。

「そのあたり、どうもファスがなにかしたらしいけれど、何をしたのかはまだ不明」

 それから、ギルバート組の方はさっきも言ったように、次元エレベーターを止めに行ったんだけど・・・これ、お義兄様達が月へ行くのに使ったはずよね? 悪用されないように鍵とかかけなかったのかしら?

「 “お義兄様” ってゴルベーザのこと? ええと、封印したけど解除されたか―――或いはゴルベーザ達は速攻でゼムスを倒すことを考えたのかもしれないわね」

  “拙速は巧遅に勝る” というやつね。時と場合に寄るけど。

「・・・ローザが頭の良さそうなことをいうと違和感があるわね?」

 やだ、だから褒めないでってば。そんなにおだてて私をどうするつもり・・・?

「どうもしません」

 私、脱ぐと凄いのよ?

「聞いてません―――で、ギルバートサイドの話に戻すけど、そっちの編成は以下の通り」

 

 ギルバート=クリス=フォン=ミューア

 クラウド=ストライフ

 フライヤ=クレセント

 ポロム

 ラムウ

 ゼロ&カイ

 

「―――の総勢七名。
 ゼロカイが前衛だとすると、前衛4 後衛3の割とバランス取れたパーティなのだけど・・・イマイチ不安に感じるのは何故かしら?」

 主役クラスがクラウドしか居ないから?

「というよりは最強クラスが居ないから、かしら―――次章予告だと、このあとセフィロスが出てくるはずなんだけど、大丈夫かしらね」

 そこは男の子に頑張ってもらうと言うことで!

 

 

******

 

 

2.地上

 実は月なんかよりもよっぽどピンチな地上組。

「特に悲惨なのがダムシアン。使い魔がうっかりしてたのかなんなのか、名前付きのキャラが配置されていないという」

 

 ―――うっかりです。

 

「うっかりなんだ・・・」

 地上の現状は、夜中に魔物達が転移してきて大混戦。
 夜闇というハンデもあって、ほぼ一方的に人間サイドが攻められっぱなしって展開ね。

「それでもバロン、ミシディア、トロイア、エブラーナの四ヶ国はまだ対等に渡り合ったけれど、壊滅的な被害を受けたのがファブールとダムシアン。ファブールのモンク僧兵は、個々の力ならバロンの騎士やエブラーナの忍者にも引けをとらないんだけど、致命的なのが “集団戦闘” が苦手なこと」

 苦手、というか経験が少ないの。
 フォールスってバロンとエブラーナはずっと戦争やってたけど、それ以外の国はおおむね平和だったから。

 セシルの “掃討作戦” が行われるまで、他の地域に比べて魔物が多かったけれど、魔物の群れでも十数体がせいぜい。つまりそれ以上の集団戦は殆ど無かったということ。
 下手をすれば、数ヶ月前のバロン軍との戦闘が初めてだったかも知れないわ。

「そう。そしてあの時、作戦を考えて指揮を取っていたのはセシルやギルバート。
 でも今回はそういう “指揮官” が居なかった―――立場上、ヤンが指揮を取るしかなかったけれど、そういうスキルは無かったのでどうしようもなかったというわけね」

 で、ダムシアンの方は?

「被害で言うなら実はファブールよりもずっと少なかったんだけど、戦力が金で雇った傭兵なので、戦意喪失して逃げ出す傭兵が多くて戦力壊滅状態―――まあ、とりあえず一国ずつ解説していきましょうか」

 

 

******

 

 

A.ファブール

「まずはファブールから。と言っても、先に殆ど言ってしまったけど」

 魔物にやられて壊滅状態だったけど、アスラのお陰で割と回復したっぽいわね。

「・・・あの女か」

 あー、セリスは因縁あるものね。
 セリスが嫌いなら私も嫌いになるわ。会ったこと無いけど!

「別に私に合わせなくてもいいわよ。それに、嫌いとかいうよりは・・・悔しい、かな」

 悔しい?

「一応、同じ女性で、戦士で―――でも正直、敵う気がしない」

 勝ったじゃない。

「半分は勝たせてもらったようなものよ。本気で戦えば、私なんて瞬殺―――っと、また話が脱線するところだった。それよりもファブールの話に戻すけど」

 さっきも言ったとおり、アスラのお陰で壊滅状態だったモンク僧達も回復―――と言っても、半分くらいでまだ半壊滅状態ってところみたいだけど。

「ただ、指揮官が居ないのは変わらないが、陽も昇って暗闇のハンデが無くなった以上、モンク僧達の実力ならそれなりに渡り合えるでしょうね」

 でも、強敵出現よ? キングベヒーモスっていったかしら?

「FF定番のボス級モンスターに、ヤンとアスラがどう戦うのかが見所ね」

 

 

******

 

 

B.ダムシアン

 現状、最もピンチなダムシアン。傭兵部隊は再編不可能だったっけ?

「魔物の被害以上に戦意喪失して逃げる傭兵が続出。まあ命よりもプライドが勝る者や、命知らずの手合いは残ったりしているようだけど」

 でも傭兵部隊が崩壊して大ピンチなところにドラゴンが二体も出現。

「前々回にカーライル達竜騎士団が救援に行くことになったけど―――普通に考えて間に合わないわね」

 ・・・ダムシアン、滅亡?

「使い魔がうっかりしていたばっかりに国が一つ滅ぶのね」

 

 ―――・・・えーと、救済処置として出す気の無かった人達を出そうかと。

 

「出す気の無かった人達・・・?」

 あ、ほらあれじゃない?
 前章の座談会の冒頭に出てきたオリキャラズ。

「あー、バッツの幼馴染とかいう―――元々、戦力足りないところに出すつもりだったのよね?」

 でも強いのかしら?

「あの使い魔が考えたオリキャラよ? バッツ並に反則級の能力や設定持ってても私は驚かない」

 実は魔王バラモスの子孫!

「そんなの誰だって驚くわよ! てゆーか呆れるわあああああああっ!」

 ちょっ、セリス落ち着いて! 冗談! 冗談だから!

「うう、冗談だと解っていても、一瞬ありえそうだと思ってしまった・・・」

 

 ―――ふふっ。by使い魔

 

「わざわざ含み笑いとかしに来るなあああああっ!」

 落ち着いてー!
 ええと次! 次いってみましょー!

 

 

******

 

 

C.トロイア

「戦力が少ない割には意外と被害の少なかったトロイアね」

 セリス、落ち着いた?

「あら何を言ってるのローザさん? 私は取り乱したりなんかしていなくってよ?」

 やだセリス、なんかとっても変な人になってるわ!

「・・・必死で気持ちを落ち着かせてるのよ! 余計なこと言わないで!」

 はい。

「まったく、フォールスに来てから私の血圧上がりっ放しっていうか、昔は “冷血将軍” とか呼ばれてたりしてたりしなかったりしたような―――」

 セリスセリス、現状解説現状解説!

「―――はっ、また脱線するところだった。ええと、被害の少なかったトロイアだけど・・・」

 ねえセリス! 今気づいたんだけれど現状解説現状解説現状解説現状解説現状解説現状解説って繰り返してるとなにがなんだか解らなくなるわ!

「だから脱線するなって言ってるでしょー!?
 ああもう、とにかくトロイアの話! 戦力が低かった割に被害が少なかったのは、魔物達の動きが鈍かったせい―――その原因は、ダークエルフ・アストスがこの地に眠っているから!」

 魔物達を操るゼムスの “悪意” とアストスの “悪意” がぶつかり合って、魔物達は驚き戸惑ってしまったわけね!

「そう、つまり先制攻撃―――ってだからそれはドラクエよっ!?」

 そんなつもりで言ったんじゃないんだけど。

「え、そうなの? ―――ま、まあそれはさておき! そんなわけで戦力的にはファブール、ダムシアンにも劣るトロイアだけど、魔物が弱体化していたせいで被害が少なくて済んだ、と」

 でもそこに白竜見参!
 一応、原作FF4のボスキャラの一体―――マッシュとサラマンダーとメイドフェチとサンダーボルトは勝てるのか!? って燃える展開ってやつよね!

「・・・最後の二人は要らないと思う」

 

 

******

 

 

D.ミシディア

 トロイアと同様に被害の少なかったミシディア。
 ロイドの報告だと、トロイアみたいに魔物達が弱体化していたみたいだけど?

「祈りの塔とか試練の山とか、聖属性っぽいものがあるから、ゼムスの悪意も届きにくいから? とか?」

 

 ―――まだあんまり考えてません。

 

「ちょっとっ!?」

 

 ―――いちお、試練の山のラミアさんが山の力使ってなんかしたとか、実はミンウさんの魂が守護していることにしようかとか考えてますが。

 

「と、ともあれなんらかの理由で魔物達が弱体化している上に、暗黒騎士団と魔道士達が上手く噛み合ったのが被害の少ない理由かしらね」

 噛み合った?

「そう。魔法は広範囲攻撃できる反面、詠唱時間を必要する―――そこで、タメ無しで放てる暗黒騎士団の暗黒剣と組み合わせることにより、 “ダークフォースで牽制→広範囲魔法で殲滅” というコンボが完成すると」

 おおー!
 そうか、集団戦闘だと魔法は有利なのね。

「さっきも言ったように詠唱もあるし、混戦状態だと味方を巻き込む可能性もあるけど」

 それを射撃攻撃である暗黒剣を牽制に使うことにより、二つの欠点をカバーしたというわけね。

「私やリディアのような強力な魔道士が居なくても、数はいるでしょうし―――弱い攻撃魔法しか使えなくても、それが幾重にも合わされば凄まじい破壊力になるわ」

 ギラも積もればベギラゴン!

「・・・なんでさっきからDQネタが続いてるの? ―――ただそれも金竜銀竜の出現でかなり危うくなってきた。相手が魔法で殲滅出来る程度の雑魚敵なら問題なかったけれど、もしも暗黒剣や魔法に耐えられて、暗黒騎士達の壁を突破されでもしたら、魔道士達は一方的に蹂躙されることになるわね」

 に、逃げてー、魔道士の人達ー!

「そこはテラやミシディアの長老、暗黒騎士団長に頑張って貰いましょうか」

 

 

******

 

 

D.エブラーナ

「ロイドの報告では無かったエブラーナ―――本当に現状、どうなってるのかしら?」

 まあ、なんとかなってるんじゃない? なにせ、エブラーナって言ったら非戦闘員は乳児か傷病者しか居ないという。

「そうなの?」

 話によると、赤ん坊がハイハイする前に刃物の握り方を教えるとかなんとか。

「なにその超英才教育」

 

 ―――ぶっちゃけ言うと、忍者軍団が奮闘しているお陰で持ちこたえてます。出現した “魔人兵” に対してもジュエルさんには秘策があるとかどうとか。

 

「だとしても一番の激戦区には違いないわね。なにせ魔物達の転移元であるバブイルの塔のお膝元。果たして忍者達もいつまで保つか―――」

 シドは大丈夫かしら・・・。

「パロムも幼いのにそんなところに居るのよね・・・」

 ・・・・・・。

「・・・・・・」

 

 ―――あのー、サイファーさんとルゲイエさんの事は?

 

「さて、それじゃあ次に行くわよ!」

 最後はバロンね!

 

 ―――・・・・・・あのー・・・。

 

 

******

 

 

E.バロン

 バロンも被害は少なかった―――という話だけど、それは “割合” の話だったりするわ。

「バロンはフォールスで一番の大国だからね。被害量はダムシアンやファブールと同じくらいでも、全体量が大きいから少なく見えるというだけ」

 全体100000に対して1000の被害があるのと、全体が1000に対して100の被害があるのとでは、前者の方が量が多くても、後者の方が被害は酷い、という話よね。

「割合の話にしても、被害が極小だったのは間違いないけれど。その功労者は本編でも述べられたとおり、ロイド=フォレスの力が大きい」

 ロイドの?

「バロンやエブラーナと、他の四ヶ国との決定的な違いが全体的な指揮を取れる “指揮官” の存在。バロンではロイド、エブラーナではジュエルがこれに当たる」

 うーん、ファブールの話をしてた時も言ってたけど “指揮官” ってそんなに重要なの?

「当然―――例えば、ただ目の前の敵を倒すだけなら指揮官なんて必要ない。けれど集団戦闘の場合、勝ってる部隊もあれば負けている部隊も当然出てくる―――さてそこで問題。負けている部隊があった場合、どうしたらいいと思う?」

 勝ってる部隊から援軍を送ればいいんじゃないかしら?

「正解―――だけど、援軍を送らなきゃいけないからって、優勢な部隊を全て負けてる部隊へ当てたらどうなると思う?」

 部隊が抜けて穴になったところへ攻め込まれちゃうわね。

「そういうこと―――まあ、今のは極端な話だけど。 “指揮官” っていうのは全体を勝たせる為に効率よく部隊を運用すること―――今の例えみたいに、押されているところに援軍を送る時に、どれだけの兵ならば戦線が崩壊せずに効果的な援軍となるか、と考えて判断するのが役割」

 それがないと勝ってるところは勝てるけど、負けてるところは負けっ放しになっちゃうわけね?

「今回のファブールが良い例ね。ヤンの居るところは優勢だったけど、それ以外の所は魔物にいいようにやられてしまった。挙句の果てに、それを何とかしようとしてヤン自身もやられそうになって、逆に味方に庇われる始末」

 で、逆にバロンはそこを上手くやりくりしてたってわけね。ロイドの指揮で。

「そういうこと―――ただ、そういう戦術指揮にも限界はあるけれど」

 限界?

「蟻(アリ)をどれだけ上手に指揮しても象に勝つことは出来ないでしょ? 戦術って言うのは想定外の、強力な存在一つで簡単に崩れるものよ。例えばバロンに出現した―――」

 でも私、アリが大きな動物を倒すって話を聞いた事あるわよ? 象だったかどうかは忘れたけど、何万匹も居るようなアリの群れが動物の身体を覆い尽くして―――

「そこっ、上げ足を取らないのっ! ともあれバロンに出現した “フェイズ” 。強力な魔法を使いこなす鋼鉄の生首に、ロイドやリックモッドはどう立ち向かうのか!?」

 鋼鉄って言ってる時点で生じゃないわよね?

「ああもう、だから上げ足をとらないでって!」

 

 

******

 

 

 さて! そんなわけで色々大ピンチな地上! っていうかフォールス! 特にダムシアン!

「他の所も新たな敵の出現で楽観出来る状況じゃないけれど」

 でも、そのために救援が来てるのよね?

「そう。前々から伏線張っていたエイトスのSeeD達やら、バブイルの巨人の時には舞台がバロンだったせいで出られなかった地底ドワーフの戦車軍団」

 あとは前回の更新でひょっこり再登場した最強の人!
 ・・・そーいやあの人、なんで来たの? バロンを助けにきてくれた、ってわけじゃないわよね?

「多分、私を迎えに来たんだと思う―――月の異変で心配になったか、それともガストラの方で新しい動きができたかはまだ解らないけれど」

 えー、じゃあセリスはこの戦いが終わったら帰っちゃうの?

「迎えが来なくても帰るつもりだったけどね。個人的な興味でフォールスに残ったけれど、本来なら私はレオ将軍と帰るべき人間だったから・・・」

 そんなこと言わないで、将軍なんて辞めちゃえばいいじゃない。

「それは・・・・・・・・・」

 ・・・ダメ、かしら?

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ごめん」

 そう。
 まあ、いいけれど。あまり期待もしていなかったし。

「え?」

 だってセリスは。 “セリス=シェール” であると同時に “ガストラの将軍” だものね。

「・・・・・・・・・ごめんなさい」

 謝る必要なんてないわよ。
 だって、セリスがどれだけ遠くにいようと―――何処で、どんな立場であろうとも、私にとっては “セリス=シェール” というただの親友だもの。

「どうしてそういうことをさらりといえるかなあ」

 言って欲しくなかった?

「・・・答えなくても “親友” なら解るでしょ?」

 ええ、もちろんよ。

「・・・・・・・・・・・・・・・あー、もう! はいじゃあこれで終わり! 終了! 帰るわよ!」

 はーい、お疲れ様でした。
 ・・・ねえセリス、腕組んで一緒に帰りましょうか?

「・・・どうして?」

 え、百合っぽくない?

「まだ最初のネタを引き摺ってたの・・・・・・?」

 


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