第26章「竜の口より生まれしもの」
M.「信頼」
main character:セシル=ハーヴィ
location:バロン城
―――城内に足を踏み入れた瞬間、昨日までとは雰囲気が違うことにロックは気がついた。
まるで今まで締め切っていた部屋を、窓を開けて風通しを良くした―――ように、城内に漂っていた息苦しさが無くなっている。「どうしたんだ?」
いつの間にか立ち止まっていたらしい。
ロイドがこちらを振り返る。「いや・・・なんか変わったかな、と」
「変わった?」ロイドは怪訝そうに眉をひそめる。ロックが何を言っているか解らないらしい。
(近すぎると解らないもんなのかもな)
ロイドはこの国の人間だが、ロックは外の人間だ。
内からでは変化は解りにくく、外から見ればよく解る―――そう言うことなのかも知れない。「なんでもねえよ―――それよりもセシルのヤツはまた寝室かね」
「多分な。この時間なら、もう謁見も終わっているだろうし―――あ、ちょっといいか?」なにやら談笑しながら歩いてくる、三人組の騎士達を見て、ロイドが呼び止める。
「陛下は今どこに居られるか解る?」と、ロイドが尋ねれば、騎士の一人がそれに答える。なんでも、昨日、丸一日寝ていたこともあって、二日分の陳情があり、まだ謁見の最中だという。去っていく騎士達に礼を言い、ロイドはロックを振り返る。
「―――ということらしいぜ・・・って、なんだよ? ニヤニヤして?」
「いや・・・」なんでもねえよ、ともう一度繰り返し、ロックは謁見の間へと足を向けた―――。
******
「・・・これでようやく終わりか」
―――謁見の間。
玉座の上から、本日最後の陳情者が退室するのを見送って、セシルは深く息を吐いた。
すでに昼を過ぎている。陳情がここまで長引いたのは久方ぶりだった。「お疲れ様、セシル♪」
隣り、王妃の席に座っていたローザがにこにことセシルへ労いの言葉をかける。
どういうわけか、今日のローザは上機嫌のようだった。(・・・あれ? そう言えば、彼女のこんな表情、久しぶりに見たような・・・)
そんなことを思っていると、傍らのベイガンが声をかけてくる。
「陛下、これからどういたしますか? 昼食の用意ができていますが・・・」
「頂くよ。さっきからお腹がすいてさ」
「あ、セシル。私もご一緒して良いかしら?」どこか伺うようなローザに、セシルは苦笑する。
「勿論。別に改めて許可を貰うようなことでもないだろう?」
セシルの言葉に、ローザはぱあっと表情を輝かせる。
色白で身体の線が細いローザのその美貌は、よく “月” に例えられるが、実際はまるで “太陽” のように万物を照らし出すような笑顔の持ち主だ。(なんだろう、本当にこういう彼女は久しぶりのような気がする・・・)
昨日まではこんなこと、全く気にしていなかったというのに。
今は彼女の笑顔がいつもよりも眩しく、愛おしく感じて、もしも二人きりだったなら今すぐ抱きしめてしまいそうだった。(ま、まあ、それはそれとして。とりあえず食事をとったら、昨日出来なかった “仕事” を進めないと―――)
自分の心情を誤魔化すように思考を切り替え、玉座を立とうとする―――と、謁見の間の扉が開いた。
そこから現れたのは近衛兵の一人だ。「申し上げます。ロイド殿とロック殿が陛下に謁見を求めて居られますが・・・?」
「えー・・・」近衛兵の報告を聞いて、セシルは露骨に嫌そうな顔をした。
文字通り、(食事を)お預けくらった気分で、それでもセシルは玉座に座り直す。「わかった。通してくれ」
「ハッ」セシルの言葉を受け、近衛兵が下がる。
(もしもくだらない用事だったらどうしてくれようか・・・)
暗い感情で、ロック達への “罰” を想像していると、ほどなくしてその二人が謁見の間へと姿を現わす。
「よう」
気安く声をかけてくるロックにセシルは思わず苦笑する。
まあ、下手に王様に対するような礼をされても居心地悪いが。
ちなみにロイドの方は、この国の人間として、ちゃんと臣下の礼をとっている。「それで? 今日は何の―――あ」
セシルはふとロックの顔を見て、あることを思い出した。
「ん? どうかしたか?」
「いや・・・そう言えばヤンの事を忘れてた」ロックから報告を聞いてから、ヤンに会ってすらない。
記憶喪失だということで、セシルにあってもそれで記憶を取り戻すとは思えないが、無事を確認するくらいはするべきだろうと思う。(っていうか、昨日、ロックにそれを聞いた時点で、なんで会おうと考えなかったのかな、僕は)
正直、昨日以前の自分自身が上手く思い出せない。
いや、何をやっていたかははっきりと思い出せる―――が、それはまるで他人の行動を見ているような感覚だった。
いまやっている “仕事” は重要なことで、それは理解している。だが、それはそれとしてヤンの顔を見るくらいはできたんじゃないかと思う。(なんだかなあ・・・?)
昨日と今日とで世界が変わってしまったような錯覚すら覚える。
リディアの魔法で丸一日眠らされて、久しぶりの睡眠で頭がスッキリしたせいかな、などと考えていると、ロイドが発言する。「ヤン殿なら、昨日飛空艇に乗せてファブールへ。今頃は到着している頃かと思います」
「私がロイド殿に頼みました。一刻も早く、ファブールへと伝えるべきかと思いましたので・・・」「私の独断で、陛下にお伺いも立てず申し訳ございません」と、ベイガンが謝罪すると、対してセシルは苦笑する。
「いや、君の判断は間違っていない。ありがとう」
最後の礼は、昨日一日の事に対するベイガンへの礼だ。
ヤンのこともそうだが、丸一日眠っていたセシルに代わり、ベイガンがどれだけ忙殺されていたかは想像に難くない。セシルの言葉に「勿体ないお言葉です」と、ベイガンは一礼。
そんなかしこまることでもないだろうに、と思いつつ、セシルは再びロック達に目を向ける。「それで話を戻すけれど、今日は何の用事かな?」
「これを」ロイドが手にしていた書類を差し出す。
すると近衛兵の一人がそれを受け取り、ベイガンへと渡す。配下の兵から書類を受け取ったベイガンは、それをセシルへと恭しく差し出した。王の身を守るためのしきたりのようなものだ。
陳情者が暗殺者でないとは限らない。だから玉座には必要以上に近づけず、なんらかの献上品がある時も、品物を直に王は受け取らず、近衛兵を介して受け取るようにしている。顔見知りが相手なんだから、そこまで気を配る必要ないじゃないか、とセシルは思いながら書類を受け取り、それにざっと目を通して―――
「え、これって・・・」
驚き、思わずロイド達の方を見る。
すると、ロックはにやりと笑って。「そう、お前がやってたことだよ。国内の、それも領地別のデータをまとめたものだ―――ちなみにまとめたのは俺とロイドとルディの三人。ダムシアンの王子様にも手伝って貰おうと思ったんだが、今はバロンには居ないみたいなんでな」
セシルに手渡された書類には、バロン国内の各領地に関するデータが記されていた。
それは各領内の領民の数や、収穫物の種類、収穫量など事細かにまとめられている。
さらに書類をめくれば、領地を区分けされた、バロン国内の地図が新しく作成されているものもあった。「データは俺の実家にあったものをまとめました。数ヶ月前のものなんで、最新のとは行きませんが、そう間違ってもないはずです。それと地図の方はまだ暫定版です、それも実家にあったものですが、データよりも古く、アレックス殿の所にある地図の方が正確でしょうから」
説明するロイドを、セシルは唖然として見やる。
「どうして・・・」
「一応、つい最近までフォレス家は大貴族で、他の貴族達の顔役でしたからね。それくらいのデータは収拾していたんですよ―――同じ大貴族で、もっとも勢力の強かったアレックス領・・・旧カルバッハ領なら、もっと詳細な情報があるでしょうけれど―――飛空艇を一つ向かわせませましたが、まだ戻ってこないところを見ると、書類をまとめるのに手間取っているのかもしれません。膨大な量ですし」ウチにあった情報をまとめるにも、三人掛かりで一晩以上かかりましたしね、とロイドは付け加える。
だが、そんなロイドの説明に対して、怒ったようにセシルはパンッと書類を叩く。
「そういう事を聞いてるんじゃない! どうしてこんな勝手なことをしたんだ! 特にロイド、君には飛空艇団の軍事訓練を命じていたはずだろう?」
海兵団上がりの飛空艇団もようやくまともに飛行させることは出来るようになってきた。
だが、戦闘となればまだまだ心許ない。だからセシルはロイドに、新生 “赤い翼” の戦闘訓練を行うよう命じていたのだ。しかし、ロイドは「は」と鼻で笑い飛ばす。
「見くびらないで欲しいッスね」
「え?」
「ちゃんと両立させてます。陛下が “赤い翼” の長だった頃、誰が “赤い翼” を仕切っていたとお思いですか?」
「う・・・」切り替えされて言葉に詰まる。
“赤い翼” の雑務は、殆ど副長であるロイドが行っていた。
それこそ戦闘訓練のスケジュールから、経費の算出、部下達の悩み相談まで、ほぼ全てロイドが行っていた。セシルはというと、ロイドの仕事を最終確認して判子を押したり、仕事量が多くてロイドの手が余る時にフォローするといった程度だった。
(まあそれで、書類上の不備をさり気なく修正してくれたりとか、フォローしてくれたとたんにさっさと仕事が片づいたりするもんだから、何も文句は言えなかったんですが)
などと昔の事を懐かしく思いつつ、ロイドはセシルに告げる。
「陛下が思っているよりも、俺はこういう事が得意なんですよ―――そこらへん、もうちょっと “信頼” してくれてもいいと思いますがね」
「・・・君のことは頼りにしているよ?」
「 “信頼” してくれと言ってるんですよ」どこか不機嫌そうに口をとがらせ、ロイドが言う。
「俺が知っている限り、陛下が “信頼” してるのはカイン=ハイウィンドだけだ」
「そんなことは―――」
「あるわよ」セシルの言葉を遮ったのは、それまで黙っていたローザだった。
彼女は、隣からセシルの顔を覗き込むようにして言う。「セシルって、他の人にはセシル自身が “無理だ” って思うことは絶対に言わないでしょ?」
「それは・・・当たり前じゃないか? 無理だと思うことを押しつけるのはただの意地悪だよ」
「カインに対しては最初から無理だとかそういうことを考えてないじゃない」
「それは・・・」何かを言おうとして、セシルは言葉を失う。
カインはいつもセシルの期待通りのことをしない。セシルが望むことに対して、カインは常にその期待を裏切り―――期待以上の事をしてみせる。
だからセシルはいつも、カインの事を信じていないし、頼りにもしていない―――ただ、カインならばどんな状況でもどうにかしてくれると “信頼” している。「流石にカイン=ハイウィンド程に信頼してくれとは言いませんがね―――これくらいのことは任せてくれても良いってことです」
ロイドが頷くと、ロックも「そうそう」と頷く。
「また戦争が起こるかも知れないって心配させたくないのは解るけどな。それでお前の事を心配かけさせてたら意味が―――って、なんだよ?」
ロックの言葉に、周囲の視線が彼に集まる。
ロイドやベイガン、他の近衛兵達は驚愕に目を見開いてロックを見つめ、ローザはきょとんとしている。
ただ、セシルだけは「あーあ」とでも言うかのように顔を手で覆っていたが。ロックは「え?」と周囲の反応を見回して首を傾げる。
「あれ? 俺、なんか変なこと言ったか?」
「言ったよ! なんだよ戦争って! 聞いてないぞ、俺は!」ロイドが叫ぶと、ロックは怪訝そうに友人を見返す。
「気づいてなかったのかよ」
「気づくも何も、何処と戦争になるって言うんだ!? エブラーナか? それともガストラか!?」
「ゴルベーザに決まってるだろ」意外―――な、名前だったのだろう。
ロックの出した言葉に、ロイドは虚をつかれたように一瞬黙って、「ゴルベーザ・・・?」
「少なくともセシルはそう考えているはずだぜ―――なあ?」ロックに話を振られ、隠しておくことも出来ないと悟ったのか、セシルは嘆息する。
それを見てベイガンが問いかけた。「陛下、どういうことですか?」
「・・・・・・可能性があるというだけだよ」
「でも、それはかなり高いと思ってる―――だから今頃に焦ってそんなことを始めたわけだ」にやにやと、ロックはセシルの持っている書類を指さす。
「どういうことだ?」とロイドが問えば、ロックは「おいおい」と苦笑して。「まだ解らないのかよ? 敵が外から攻めてきて最初に被害に遭うのは誰だよ?」
「あ・・・バロン各地の領民達か・・・!」
「そう。ダムシアン、ファブールが攻めた時は海からだったから、このバロン城を直接攻めることができた。けれど、もしも相手がゴルベーザなら・・・」
「拠点はバブイルの塔―――エブラーナ。なら海を渡って、陸から攻めてくる可能性が高い―――そうか、そういうことか!」納得するロイドに、困ったような視線をベイガンが向ける。
「申し訳ございません、その、今ひとつ解らないのですが・・・それと、各領地のデータを集めることになんの意味が?」
「エブラーナ戦争ッスよ」かつてのエブラーナとの戦争時、バロンは領土の七割をエブラーナに占領されることとなった。
その大きな理由は、エブラーナの軍勢に貴族達が怯え、本来守るべき領地を放り出して、さっさとバロンの城まで逃げてしまったからである。
当然、領民達は置いて、自分たちは当時は貴族達の配下だった騎士達に守らせて。そのせいで、当時のバロンの人口の何割かは、エブラーナによって殺された―――だから、バロンの民たちの中にはエブラーナと貴族達を同じくらいに憎んでいる者も少なくはない。
もしもあの時、貴族同士が連携して、配下の騎士達を使って防衛していれば、少なくとも領民達の被害は抑えられただろう。
「エブラーナ戦争の悲劇を繰り返さないために、各領地の領民の数を把握して、どの領地にどれだけの兵をあてがえば効率的に防衛出来るか―――それを見極めるために、セシルは国内の情報を集めてまとめていたってわけだ」
そうだろ? とロックが言うと、セシルは素直に頷いた。
「そうだね―――それが半分」
「半分?」
「もう半分は―――ロイドなら解るよね?」セシルが問うと、ロイドは頷く。
或る意味では彼も “当事者” である。「もう半分は、戦後の混乱を抑えるためですね?」
エブラーナ戦争終結後、エブラーナの軍勢に荒らされた国内は混乱を極め、したたかな貴族達はこれ幸いにと他の貴族の領地を侵し、それが原因で貴族同士の争いが起こった。
戦争が終わったばかりで、しかも貴族の武力であった騎士達が離反していたため、それほど大きな争いにはならなかったが、小競り合いは長い間続き、その間領民達は被害を被り続けた。「混乱を起こさないために、各領地の情報を把握し、領地の境界線をはっきりとさせておく―――それで、無用な諍いを起こさない」
「それに何処にどれだけの蓄えがあると解れば、大きな被害を受けた領地に援助するよう要請することもできる―――そんなところだね」ロイドの言葉を、セシルが補う。
「しかしそれならば、理由を説明して頂ければ・・・」
ベイガンが不満そうに言うが、セシルは苦笑して。
「・・・さっき、戦争が起こるかも知れない、と聞いて動揺しただろう?」
「そ、それは・・・」
「君ですらそうなんだ。他の者たちに不用意にそんなことを言えば、ちょっとした混乱が起きてしまうだろうね」
「む・・・」そう言われてはベイガンは何も言うことが出来ないと口を閉じる。
やれやれ、とセシルはロックを見やり。「だから誰にも言わなかったのになあ」
「そうだな。お前の判断は多分間違っちゃいない―――が、一つだけ間違ってるぜ」
「?」
「てめえが一人で抱え込んだお陰で混乱は起きていない―――けどな、そのせいでどれだけの人間が心配したと思ってるんだよ?」似たようなことをリディアにも言われたな、と思いつつセシルは目を伏せる。
「・・・解ってる。ローザやベイガンには心配をかけたとは―――」
「それだけじゃないだろ」
「え・・・?」ロックの言っている意味が解らずに、セシルはきょとんとする。
「お前を心配したのはその二人だけじゃねえ。この城内の人間全員だ」
「・・・は?」本気で意味が解らない、とセシルは間の抜けた声を漏らす。
そんな王に向かって、ロックはさらに続けた。「城内の空気が張りつめていたことに気がついてなかったのかよ?」
「いや・・・全然―――最近はずっとここと寝室にしか行動していなかったし」戸惑い気味にセシルは言い訳する。
「ていうか、城内が緊迫してたって・・・なんでそれが僕のせいになるんだよ?」
「だからお前のことを気にしてたんだよ!」
「ロックの言う通りよ」うんうん、とローザも同意するように頷く。
「みんなね、セシルが一人で抱え込んでいたことを心配していたのよ」
「・・・なんで?」理解出来ない、とセシルはローザを見返す。
「僕が王様だからかい?」
けれど、王らしい振る舞いはあまりしてないつもりなんだけどなあ、などと思っていると、ローザは首を横に振った。
「違うわよ」
「じゃあ、なんで?」
「みんなセシルが好きだから♪」
「ええええ?」驚き―――というか何故か嫌な顔をするセシル。
と、ロックが苦笑いしてローザの言葉をフォローする。「好きかどうかはともかくとして、お前はもうちょっと自分の影響力ってもんを把握しといた方がいいぜ?」
「ちょっと待ってよ。なんで僕なんかのためにみんなが心配するのさ」セシルが言うと、ベイガンとローザとロイドの三人が同時に「「「はあ・・・」」」と溜息を吐いた。
「まだ陛下はそんなことを言っておられるのか・・・」
「また始まったわね。セシルの ”僕なんか症候群” 」
「陛下にカイン隊長の万分の一でも “自意識” ってものがあれば・・・」
「な、なにこの反応・・・!?」自分にとって最も身近な三人の反応に、セシル戸惑う。
そこへ、ロックが思い出したように付け加えた。「あ、そうだ。セシルさ、あれはやめといたほうがいいぜ」
「あれ?」
「そう。昨日会った時とか見たいに、なんか切羽詰まってると、妙ににこにこと笑みを作ってるじゃん。あれ、不気味っつーか、気味悪いっつーか、怖いっつーか、違和感バリバリでさあ―――って、どうした? 落ち込んだりして」セシルはがっくりと項垂れていた。
(一応、周囲に心配かけないようにしていたつもりなんだけどなあ・・・・・・)
はあああああ・・・・・・と、セシルは項垂れたまま深い溜息を漏らす。
そんなセシルに、ロックは最後に告げた。「ま、ロイドの言葉を借りるなら、もうちょっと他の奴らを “信頼” してやれってことさ―――」