第19章「バブイルの塔」
A.「幻獣の個体数」
main character:ろう・ふぁみりあ
location:いんたーみっしょん
とゆーわけで、今回は幻獣についてのお話です。
「アシスタントのティナ=ブランフォードでーす」
・・・アシスタント?
「自分から名乗りなさいって言ってたでしょ? で、名乗る時になんか肩書きがあった方が格好が付くかなーって」
まあ、確かに。
「それで? この前の座談会で “幻獣の個体数” の話が出たけど、それに関する事?」
はい。
とはいえ、あまり語る事も無いんですがね。
とりあえず、FFIF世界における “幻獣” と呼ばれる存在についてなんですが。「まず、幻獣ってどういうモノなのかから説明した方が良いんじゃない?」
ういっす。
ええと、幻獣というのは、実は “世界” の分身みたいなものだったりします。「分身?」
例えば世界には風が吹いたり、火が燃えたり、水が流れたりするわけですよね?
そう言った現象が具象化―――意志ある形になったものが、いわゆる幻獣と呼ばれるものです。イフリート、シヴァ、ラムウなど、FFシリーズでお馴染みの幻獣を例に例えれば解りやすいですかね。
「つまり、イフリートは “炎” 、シヴァは “氷” 、ラムウは “雷” ってわけね」
間違っちゃいませんが、正確でもありません。
「どういう意味?」
厳密にそれぞれの元となった “現象” を言えば、イフリートは “火山” 、シヴァは “氷河” 、ラムウは “雷雲” となります。
どれも強力なエネルギーを持った現象なので、割と強力な幻獣だったりします。「確かにリディアが喚びだしたイフリートは凄まじかったわよね。地面を溶岩の池に代えるほどだもの」
さて、ここで座談会で出た話なんですが、今上げた現象は、世の中に全くないワケじゃないですが、そこらにホイホイ在るものでもないですよね。
だから、そう言った現象を元に生まれた幻獣も個体数が少ないというわけで。「じゃあ、そこら辺にある現象が具象化した幻獣なんかは、割と多かったりするわけ?」
代表的なのがシルフですかね。
風なんて、どこにでも吹いているものですし。「雷雲も、割と何処にでもあるよーなもんだと思うけど」
でも、大被害になるような落雷ってあまりないじゃないですか。
私が知らないだけかもしれませんが。「あ、そうそう。それならリヴァイアサンやバハムートはどんな現象から生まれたって言うの?」
当てて見てください。
「・・・なによそれ」
いや、多分、ちょっと考えれば解ると思うんで。
ヒントは、どちらも最上位の幻獣で、それぞれ一個体の強力な存在―――つまり、この星に一つしかない強大な現象です。「星・・・あ、もしかして。リヴァイアサンは “海” ?」
正解。
「となると、バハムートは・・・大地? いや空・・・?」
空は惜しいかな。
「空が惜しいってことは―――月、じゃないよね。月にいるけど」
うっわ、ネタバレ。
「・・・コレ読んでる読者の中で、それが解らない人は居ないんじゃないかな。―――ということで、バハムートは太陽?」
大正解。
・・・ホントは “宇宙” とかにしようと思ったんですが、それだと大きすぎるかなーと思って太陽。「成程、確かに一つしか無いものね―――っと、ふと疑問に思ったんだけど、それで行くと “大地” はどうなるの? ゴーレムやタイタンじゃ、海や太陽に比べて見劣りしすぎない?」
う、実はそれはちょっと悩み中。
FF8からエデン辺りを引っ張ってこようと思ったんですが、そもそもエデンってどういうモノなのかよく解らなかったり。「たしかアルテマウェポンからドローするんだよね?」
そのアルテマウェポンが、海底から発掘されたモノ・・・だったかな? そんな印象があるんで、 “大地” というより “海” って感じがするんですよねー。
FFTのゾディアークは星座が元だろうし・・・いっそのこと、エボン=ジュにしてしまおーか。・・・まあ、そこらへん設定しても、物語にはあまり関わってこないからどうでも良いと言えば、いいんですが。
「ぶっちゃけた!」
と、まあ、そういうわけで。
強力な自然現象ほど、その発生率は少ないわけで。元が発生率が少ないんだから、それから生まれた幻獣達も個体数が少ないって言うのが、 “強力な幻獣ほど個体数が少ない” って設定の言い訳。「言い訳なんだ・・・・・・あれ、ちょっと待って」
な、なんですか!? 私の完璧な言い訳になにか問題が!?
「 “言い訳” とか言ってる時点で、完璧でもないし問題有りだと思うけど―――ところでアスラやオーディンはどうなの? あれって、どう見ても自然現象じゃないでしょ」
あの二人は “人間” という自然現象から生まれた幻獣です。
「は?」
かのキングオブハートも言っているじゃないですか。
人間も天然自然から生まれたモノ―――言わば地球の一部!「それは・・・強引過ぎない?」
その同胞たる人類を抹殺しての理想郷など、愚の骨頂ッ!
「・・・ライオットソード(ぼそり)」
ぐあああああああっ!?
い、いきなり何をするんですか!?「あさっての方向にノッていったアンタが悪い。・・・それはともかく、強引すぎない?(りぴーと)」
まあ、強引ですけど。
「認めた!」
ちなみに。
普通、幻獣が生まれる場合というのは、自然現象―――つまり “世界” から別れる・・・分離して、一つの個体と成るわけですが、人間が幻獣になる場合というのは、それとは逆に、より存在を “世界” に近づけることで成ります。で、実はそういう存在は、この世界割と多かったりして。
「多いの!?」
具体例を挙げると、エクスデスさんとかイデアさんとかアルティミシアさんとか―――
「ちょっと待てちょっと待てちょっと待って!」
はい?
「そいつら幻獣なの!?」
正確には幻獣と同じような存在ってことで。
常識外の力を持った人達は、全て幻獣みたいなモンだと思ってください。あ。あと、FFIFではあの覇王様、元は人間って設定で。
「木じゃなかったっけ?」
人間だったのが、悪さをして木に封じられて云々って感じです。
そもそも幻獣っていうのは、最初に言ったとおり “世界の分身” ――― “世界” に最も近い存在、なので。
“世界” に限りなく近づいた人間というのも幻獣と呼べるのではないかと。「そもそも、世界に限りなく近づいた人間っていうのはどういうものなの?」
魔法設定の話を覚えていますか?
魔法って言うのは、世界に要請して様々な現象を引き起こさせる力って話でしたよね?「うん。確か、 “世界” と仲良くなればなるほど、強力な魔法になる・・・とかそんな話だったっけ?」
いえす。
つまり、世界に近づくとはそう言うことです。「強力な魔法を扱えるようになると言うこと?」
というか、世界そのものの力を扱えるようになる、って方が合ってるかもしれません。
そこら辺は、また別の時に詳しく言い訳を思いついたら―――もとい、説明しようかと。さて。
なんにせよ、今回のいんたーみっしょんでの要点は。
1.幻獣とは世界の分身である。
2.強力な幻獣=強大な自然現象であるため、強い幻獣であるほど個体数が少ない。
ってことで、ガッテンして頂けたでしょうか?
「・・・・・・」
あの・・・ガッテンしてくれたなら、お手元のガッテンボタンを押して欲しいんですが。
「え? これ? でもガッテンしてなかったら押さなくてもいいよね?」
えぐえぐえぐ・・・
あ。最後に一つ。
あくまでも幻獣とは世界の分身であって、同一の存在ではありません。「どういう意味?」
例えば、いきなり世界中の海が干上がったとしても、リヴァイアサンにはなんの影響もなかったりします。
逆に、バハムートが滅びても、太陽が消滅する、などという事はありません。「近しい存在ではあっても、同一じゃない・・・か。兄弟みたいなモノかしら?」
どちらかというと親子の関係ですかね。
てなところで、今回はこれまで。「それではまた。本編以外の場所でお逢いしましょう―――できれば本編でも逢いたいけれど」
・・・ええと、FF5IFまで待ってください。
「・・・何時になるのかなあ・・・・・・(超遠い目)」