■ターボアウトラン筐体のレストアへの道のり1

 


レストア前のターボアウトラン筐体
2004年に中古で購入して今年(2020年)で、
16年経ちますが何かとレストアが必要な時期になってきました。

購入当初から木材部分がスカスカな状態があり、
キャスター周辺はボロボロな感じでした。

今回は、ブラウン管から液晶モニターに変更したり、
電源回路とオーディオアンプ等の交換、
ステアリング周辺の修理をしたいと思います。

 

ちなみに、メイン基板のボタン電池(CR2032)は、
数年前に交換済みなので、今のところ
ゲーム基板側は何もしなくても良さそうです。

*注意*交換は簡単ですが、方法や順番を間違うと大変なことになるようです。


FD1094の蓋を開けます

CR2032を取り外して・・・

新品の電池に交換します

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■現状を把握■

先ずは、どの部分を修理/レストアしたいか検討してみます。
塗料が剥がれて錆さびな部分があるので、見た目が良くないです。金属部分の塗装はしてみたいですね。


ステアリングの軸の部分は、
筒の構造が劣化しているようです。

何か貼ってあったと思われる場所は
錆びていて見た目が悪いです。

LOW/HIGHのギア部分は、
パネルの変更が必要です。

外観以外だと、筐体内部は数十年間のゴミが沢山蓄積してとても汚い状態です。
各パーツの劣化も気になるので、交換出来る部分は交換したいと思います。

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▼ブラウン管の取外し▼

一番チャレンジしてみたかったのが、アーケード筐体のブラウン管を液晶モニターへの変更です。
元々、入手した時点で純正のブラウン管は使用されていなくて、ワンサイズ小さいブラウン管に交換されていました。
現在でも画質は綺麗で問題なく動作していたのですが、画面サイズを大きくしたいので、液晶モニターへ交換します。


これが、入手した時から使用していた、
純正品ではないブラウン管モニターです。

ネジと針金を緩めて、
スポっとブラウン管を抜きました。

これが、取り外したモニター部分です。
今後何かに利用するかは不明です。

後日、液晶モニターが入荷予定なので、それまで続きの作業は後回しにします。

▼コントローラーの分解▼


これが、ターボアウトランのステアリング部分です。
ステアリング部分は見た目と操作性を
向上させたいので全て分解して、
調子の悪いパーツがあれば交換します。

グリスもカラカラなので、
グリスアップもする予定です。

全塗装もチャレンジします。


前面パネルは意外と簡単に分離できました。

分解方法が不明なステアリングパーツ

カムの部分が完全に割れています。


経年劣化で分解が困難です。

何とか、メンテ可能な状態に・・・

一部、ネジ山が無くなっていて分解が大変でした。後々組立に困らないようにデジカメで撮影しながら分解しました。

▼ステアリング「カム」パーツの交換▼

ハンドルを回すと、カムが割れている部分があることでスムーズな動きをしません。
購入当初から割れていることは確認していたのですが、変な形状をしているので加工が困難で断念していました。

ただ、最近は3D-CADを覚えて、3Dプリンターも購入したので、数年越しでカムパーツの自作をすることにします。


これが設計したカム用のデータ

左が3Dプリンターで作ったパーツ、右が元々のパーツ

毎回、3Dプリンターで作る場合、強度を保ちながらも樹脂を節約する為に「ジャイロイド」構造で作っているので、
内部は意外とスカスカです。今回は、初めて全てPLA樹脂で埋め尽くす充填密度100%で作ってみました。

中心の金属部分は再利用するので、元のパーツから分離させます。


既に割れているので簡単です。

欲しいパーツはコレです。

多少、ヤスリで平面を作ります。


ハンマーで叩き入れます。

ガチガチに入りました。

これで、カム部分の修理は終わりです。樹脂の耐久性は不明ですが、
3Dプリンターがあれば何個も作れるので、それほど今後の心配はなくなりました。

▼ブラウン管から液晶モニターへ交換への実験▼

ブラウン管から液晶モニター(パネル)に交換して、ターボアウトランが綺麗に映るか実験します。
元々、アーケード基板が15KHz/RGB出力なので、市販のパソコンモニターでは映すことが出来ません。
一部、15KHzに対応したモニターも入手可能ですが、筐体に入るピッタリサイズは意外と見つかりません。

15KHzには対応していませんが、丁度良さそうな画面サイズ(19インチ)を、新品で入手することが出来ました。
(お買い得の新品/開封品で4,980円でした。今後の為に2台購入しました。)


Acer V196L

裏側はこんな感じです。

入力は
必要最低限の
DVI-Dと、D-sub15Pinのみです。

Acer V196Lは、1280x1024ドット(スクエア)/応答速度5ms/IPSパネル/ノングレア/LEDバックライト仕様です。
それなりに、新しい機種だけあって性能は悪くないです。

ずーっと前から所有している「ダウンスキャンコンバーター」を利用してゲームが遊べるか調べます。


これが、アップスキャンコンバーター
aitendo RGB-YpbPr2VGAです。

ターボアウトランのテストモードでチェック中
サイズや比率/画質も問題ないようです。


ゲーム中の画面も綺麗に映りました。
アップスキャンコンバーターは、
新たに購入する予定でしたが、
aitendo RGB-YpbPr2VGAでも
問題ないので、そのまま利用します。

液晶モニターとコンバーターの利用で、
15KHz特有の横線がありませんが、
再現したい場合は、市販品の
ラインスキャンを追加するアダプターが
存在するので、おいおいと考えます。

▼液晶モニターを固定▼

Acer V196Lを利用することを決定したので、元々、ブラウン管が固定されていた部分を利用して、
液晶モニター(パネル)が固定出来るような工夫をしたいと思います。


6mmのMDF板をベースに
液晶モニターを固定します。

固定する高さが不明なので、
端材の板を利用してチェックします。

試しに枠を取付けて、
丁度良い高さを検討中です。

大体の高さが決まったので、その高さにあったプラスチックの枠を自作します。
(元々、使用していたプラ製の枠はブラウン管用で湾曲しているので、再利用が出来ません)

裏側から液晶モニターをネジで固定するのは、枠が出来上がってからモニターの位置を微調整しながら固定することにします。

▼液晶モニター用の「枠」製作▼

液晶モニター専用の湾曲していない19インチのサイズに合った「枠」を作ります。


3D-CADソフトで設計中〜

4分割をして印刷の準備をします。


3Dプリンターで4個作りました。

サイズが合うのか取付てみます。

突起物を多少削れば入りそうです。


バリを削って接着剤で合体させます。

ポリパテで凸凹を消します。


サフ後に、つや消しブラックで塗装

塗装前に比べれば綺麗な表面になりました。


隅にオリジナル証シールを貼って・・

液晶パネル用の枠が完成しました。

▼電飾バックライトの交換▼

電飾バックライト用に最適なパーツが入手出来たので、蛍光灯からLEDへ変更してみます。


これが、直管型10W蛍光灯です。

今回は器具ごと交換します。

Panasonic製のLEDユニット

新品/処分品の、Panasonic NNF11910 LE1が安く購入出来たので、枠部分は利用せず内部回路だけ分離して利用しています。

この続きは「ターボアウトラン筐体のレストアへの道のり2」で紹介します。

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