Chicago

Bodhisattva, Tang dynasty (A.D. 618-907), c. 725/50
Limestone with traces of polychromy
157.5 cm (62 in.)
Lucy Maud Buckingham Collection, 1930.84a
Asian and Ancient Art
Gallery 101

　この唐の時代の菩薩像などはどうでしょうか。
唐の時代の仏像は中国には洛陽の龍門に残るもの
以外はほとんど残っていませんから、とても貴重
な作例でしょうし、この上体を左方に折り曲げる
などという作風は唐の時代のゆたかな円熟した感
性を現わしているように思えます。

きっと左手で頬杖をして、物思いに耽っておられ
たのでしょうが、左手が失われ、上体だけが傾いた
まま残ったのです。それにしても、頬杖をして考え
込む菩薩、などというのを私はいままで見たことが
ありません。空間に漂う雰囲気が素敵ですね。

　XXX女史のご指摘通り、手先は凍り、耳もち
ぎれんばかりの寒さでした。なにしろミシガン
湖の湖岸は凍っているのです。

　シカゴといえば、ミュージカルに「シカ
ゴ」というのがあったぞ、と思い出して、
ニューヨークへ着いてから、Ambassador
Theatreで見たら、これが大当たり。

　Andy’sのかったるいジャズと異なり、カ
ポネ時代の小股の切れ上がったジャズを女
性の指揮者Ms.Leslie Stifelmanが見事に演奏
していて、気持ちの晴れる思いをいたしま
した。

　そういえば、1973年に作られたポール・
ニューマン主演の映画「Sting」もシカゴが
舞台だったですね。

　騙されたと思って聞きにいったら、Mississippi Heatという楽団がやっていて、それが腰が抜けるほど、うまい。

　ブルースといえば、日本人は淡谷のり子の「別れのブルース」とか「雨のブルース」とか、要するに叙情的で涙雨、という感じなのだが、本場もののブルースは耳もつんざく大音響で、汗を振りまき、楽器を奏でながら絶叫の連続なのである。ゴスペルの過激派なのであって、度肝を抜かれてしまう。

　肉食人物の音楽感覚が痛いほどわかってとても爽快な思いをしました。

　お客様のアテンドで行ったものですから、夜もどこか覗こうということになったのですが、生憎端境期というのかオペラはなにもやっていないし、シカゴ交響楽団もお休みでなにもない、だから、ジャズをAndy'sという店に聞きにいったのですが、かったるくてだめ。　　

ジャズの対極にブルースというのがあって、Buddy Guy's Legendsへ行け、という指示がホテルからあった。

The Birth of Saint John the Baptist
Circa 1525
Spain
Polychromed and gilded wood

制作当時描かれた衣の模様まではっきりと残っていて美しい、とおもいました。

Corpus of Christ from the Altarpiece of the
Crucifixion, 1391?99

Walnut with traces of polychromy and gilding
27.7 x 18.3 x 5.2 cm (11 x 6 1/4 x 2 1/16 in.)
Gift of Honore Palmer, 1944.1370

オランダ人の14世紀末の作品ですね。

　私のもっとも好きな漆喰絵画です。

Virgin and Child, c. 1450
Painted stucco
24 x 17 in. (61 x 43.2 cm) (not including frame)
27 3/4 x 21 in. (70.5 x 53.5 cm) (including frame)
Bequest of Mrs. Gordon Palmer, 1985.111

イタリアの16世紀中頃、Renaissanceの盛りの雰
囲気といえるでしょうか。

　カシミヤの背広にカシミヤのオーバー、
ズボンは日本の冬ゴルフ用にミズノが開発
した特製のポリエステルのズボン、厚いミ
トンでやっと寒さを防ぐことができました
が、これが反対に美術館のなかでは暑く暑
くて、困りました。なかなか全部が全部う
まくはいかないものなのですね。

　いろいろ紆余曲折はありましたが、結局シカゴに到着することができました。

ひとえに倶利伽羅不動尊の念力のお蔭に違いありません。

Lucas Cranach the Elder
German, 1472(?)―1553
The Cricifixion 1538
Oil on panel

ドイツの絵画もとてもよい保存状態で
残っています。

　中国の美術もひけをとりません。

　私の趣味は、15世紀以前の西洋絵
画なのですが、このシカゴ美術館に
はよくこれだけ集めたものだと感心
するほど、いろいろと名品がそろっ
ています。