K u u k a の 部 屋 (2)

     勇気


    かたく閉ざされた扉の前で
    ただひとり
    待ちつづけているのは
    誰?

    訪れる者とてない地の果て
    底なしの深淵のふちでわたしは立ちすくむ
    あともうひと足 ふた足で
    きっとあなたのもとへゆけるのに

    閉ざしてしまったのはわたし
    ふみ出せないのもわたし
    でも
    その鍵はあなただけが持っている

     勇気をください
     あなたが吹きこむひと息と
     わたしの涙の結晶から生まれる勇気を

    そのひとかけらはきっと
    あなたとともに飛べるたましいの翼となって
    はるかな高みへと
    永遠の時空を翔けのぼってゆけるでしょう

     どこまでも
     旅はつづくのだから

写真:
彩絵百花灯 後漢(紀元
25年−220年)

1972年 洛陽澗西七里河の漢墓から出土

『洛陽文物精粋』王綉等編 鄭州 河南美術出版社 2001.4

灯台、灯柱、灯盤からなっている。灯台は倒置のラッパ形をしており、回りに翼のある人形、走る獣がついている。灯柱には曲げられた枝に付けられた灯盤と羽人を乗せた龍が飾られている。柱の上には飛雁の形の灯盤がついている。


なんという美しい幻想的な燭台だろう。その
昔、人は背中に羽根をつけることが許されて
いて、そして龍の背に乗って飛んだのだ。燭
台に火が燈るとき、羽人は黄金色の光に照ら
されて、まるで陽炎のようにゆらめいたのだ。

実物は河南省洛陽博物館に収納されている。

希有


    絶望っていうのはね
    望みが絶たれたって書くけれど
    みんなが思っているように
    何もないってことじゃないんだ

    もう
    これしかないって
    そう気づくひとにだけ
    たったひとつの希望が
    残されているってこと

    だってほら
    自分の中をよくみてごらん
    きみにはまだ
    できることがあるだろう?

    本当の望みの糸は隠されていて
    他がいくつも見えている間は
    絶対に気づかないようになってる

    これって
    不思議だけれど

    ぼくたちは
    そういう世界に生きているんだ