輝きでるもの

    光は闇を切り裂いて
    永遠は時間の
    存在は世界の内において
    無限なるものは有限なるものより

    輝きでるのだ

    どこまでも有限なるものよ
    さりとて
    嘆くことはない

    みえる眼を持つものは
    あふれ出る歓喜のうちに
    みずからの無終性を
    永遠との
    常に新たな交わりの可能性を悟り

    彼方への飛翔を試みることを
    終息させることはない

    決して ないのだから

    刹那という永遠

    きみは永遠をみたことがあるか

    抜けるような空の青に
    燃えるような花の赤に
    醒めるような雪の白に

    大地を駆ける馬のたてがみに
    音もなく滑空する鳥のつばさに
    とび跳ねる魚のきらめきに

    時もそうだ
    我々と同じく
    生と死の還流をくり返す
    刹那の存在者なのだ

    ともに往き
    ともに還る
    生まれる以前から知っていた
    遥かな虚空へと

    きみを受けとめてくれる
    あの懐かしい故郷
    永遠無限のひかりの中へ

     さあ
     もどっておいで

     わたしはいつも ここにいるよ
     かわらぬ ここで
     きみを まっているよ

画題: Paul klee
         "Kampfscene aus der Komisch-Phantastischen
         Oper "Der Seefahrer""

         1923
         Mr. Trix Duerst-Haass, Basel
        喜劇的・幻想的なオペラ『船乗り』から、
     闘いのシーン
  

K u u k a の 部 屋

注: 詩の引用については
    kuukaさんの事前了解を
    得ております。
    今後定期的に
    作品を取り替えていく
    予定です。