あ と が き と リ ン ク

自己紹介:


 私の名前は、河原道三。

 勿論、ペンネームなのですが、いまから八年前に、最初の本『純粋経験B』を書き上げたときに自分で命名しました。

 こういう気持ちで命名したのです。

 賽の河原に立つと、(進むべき)道は明確に三つ見える。

 ひとつは、ゲーテのように、仮体ウェルテルを拳銃自殺させ、
               自らを開放させる方法。
 二つめは、平塚らいてうのように、心中旅行からおめおめと帰還し、
               世間体を犠牲にして自分を開放する方法。
 三つめは、芥川龍之介や藤村操のように、あちらへ行ってしまう方法。

 だが、これらのいずれの方法を採っても正解には到達しない。
 では、正解とはなにか? という、疑念提出型の名前なのです。
 (答えは、『純粋経験B』を読んでください。)

ホームページの作成:

 このホームページは、あとで紹介させていただくkuukaさんの作詞能力に刺激されて、今年の三月から制作をはじめたが、はじめのうちは制作意欲も高く、トントン拍子に進んだものの、後半にいたって、疲れがでてきたのか、マンネリになってきたのか、血液ドロドロ状態になり、冴えが落ちた、と自分では考えています。

 そのうちに世間知が発達し、著作権問題が大きいこともわかるようになり、釧路在住の岡崎氏のお知恵も拝借させていただくこととなった。 

 人間というのはとても傲慢な存在で、なにか問われるとまず第一に「嫌だ」、とこたえるのが習性になっているようで、こと著作権問題については、誰もが例外なく、断ってくださった。 たった一件の例外は、サントリー美術館で、ここだけは筋をキチンと通してくださった。ありがたい思いをしました。

「不可視の世界」:

 Trial Edition を作成中に、「この論文はわからない」というクレームを沢山いただきました。

 このような場合には、(答えになっているかどうか心もとないけれども、)次のようにお答えすることにしていました。

 私たちの世界は、目に見えるものと、目に見えないもの、とで構成されていて、この論文は、目に見えない「不可視の世界」について書いているのです。 だから、わからなくて当然なのですが、まったくわからないでは良くないので、図版を沢山使用して、目に見えるようにする、あるいは、視覚による直観的な理解を期待できるようにする、ことがこの論文の狙いなのです。

 過去に「不可視の世界」の尺度を押し付けられて、人間はひどく迷惑しました。最近では、麻原彰晃が出現しました。「不可視の世界」の尺度を持ち出す人間が現れたときは、これにたいする免疫力をつけておく必要があります。

 この論文が、「不可視の世界」にたいする免疫力を提供するかどうかは、皆様のご判断にゆだねることとします。 

絵画についての感想:

 使用する図版をたくさん調べ上げていたら、近年100年ほどは、人間精神を描写する深さにおいて、西欧の方が格段に優れているように思われ始めました。

 日本の絵画は、「生命力」に重点を置きすぎていて、「死」だとか、「死への接近」だとかという、人間にとって欠かせない親しい領域が不当にあしざまに扱われていて、画題から省かれる傾向があることです。 悲しみの表現についても、同様だと思います。

 Bについての表現は、西欧のほうが格段に優れている、と感じます。

今後の取り進め方:

 スンニ派モスレムが、Bオンリー型であることも興味深い、と感じました。私は、井筒俊彦氏の著作からこの事実を知らされました。

 文学におけるAオンリー、 A after B、 B after A、Bオンリーなどを、これから演繹的手法で書こうかなと考えていますが、さて、いつのことになることやら。 

お願い:

手当たりしだい図版を使わせて貰い、文章の引用もさせてもらい、Internet
Linking もさせていただいているが、これにつき「けしからん」と思われるかた
は申し出てくださるとありがたいのですが。

LINK:

 論文を整える間、いろいろな人たちとインターネットで知合うことができました。


1. kuuka さん

  神秘体験Aの境地を謳いあげるのに、この人以上の才人は明治時代以降にはいなかったように思います。 ご本人は詠み人知らずでいいと言って、身元を明かされないが、2002年5月7日まで楽天市場の"Vision"という日記型ホームページを開設されていた。 特に若い人たちの間に熱狂的なファンを作った。

 彼女の作品をひとつご紹介する。



2. Oさん

 神秘体験Aの実体験をじかに話してくださる稀有の人。私などの凡才は、なかなかこの方のように胸襟を開く勇気がでてこないもので、この方のホームページを読むたびに頭の下がる思いをさせられる。


3. 釈玄義さん

 どうやら大学の先生ではないか、と思う。 「自説経」検索したら、この方が自説経の翻訳をホームページに載せられていた。 この方の言葉の使い方−重み−には敬服する。

4. Prof. James J. O'Donnell

 この方は、ペンシルヴァニア大学の古典学教授。 アウグスティヌスに関する驚くべき厚みのホームページを開設しておられる。アウグスティヌスのラテン語原本から始まって、アウグスティヌスの画像も全て収集して公開されている。

 未来の日本の大学教授もこのようなインターネット型になるのだろう。


5. Prof. Frank Pajares

 この方についてはまだよく調べてありません。William James の Web Site を運営されている方ですが、このsite のおくの深いこと。 William Jamesの原本はこのサイトで検分することができます。


6. 釧路の岡崎さん

 著作権についてのわかりやすい解説をインターネットで公開されていて、私のような初心者にとってはまことに有難い存在です。 西洋美術のことなら、まず彼女のサイトで下調べをさせてもらっている。新しいタイプだから、将来は大学の先生になられるのかな。

画題: 今村紫紅(1880-1916)
     『大高源吾』
1910(43)頃 
      絹本淡彩

         吉村貞司/中村渓男
         現代日本美術全集3 
        『菱田春草
/今村紫紅』
         集英社 1973

   忠臣蔵の大高源吾。

     仇討ちのため江戸に出て、笹売りに変装
       して身を隠していた。ある雪の日、両国
       橋の上で宝井其角(たからいきかく)に
       逢う。
(解説:中村渓男)

画題:菱田春草
    『落ち葉』
1909(42)
   
紙本着色
     吉村貞司/中村渓男
        現代日本美術全集3 
        『菱田春草
/今村紫紅』
        集英社 1973

      失明の危機のなかで描いた。切々と
     しみ入る淋しさは澄み切っている。
     二羽の日雀(ひがら)。