「 過去からの手紙 」 -990305〜 by.穂積 桂司
■ 第一楽章 〜プロローグ Vol.2 〜
□ 第二話 〜 春の章 〜 ペディ 〜
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・・・おぼえているのは、暖炉の前のひととき。
お母様が、あたしに絵本を読んでくださっているの。
お父様は、ヴァイオリンを演奏しているの。
楽しいお話のときは、明るい曲を。
悲しいお話のときは、静かな曲を。
暖炉の前で、夕ごはんのあとの素敵な時間・・・。
・・・思い出せるのはいつも、家族三人のしあわせな場面だけ・・・
夏になったら、バスケットに美味しいものをたくさん詰め込んで公園に行ってお昼ごはん。
秋になったら、並木道でキレイな落ち葉を見つけるの。
いつも、いつも・・・・。家族三人でいっしょだったの。
あたし、とってもしあわせだった。
・・・あたしは。とても。幸せな子供だったの。・・・
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