極上音楽
1950年代の名盤

Bud Powell / The Bud Powell Trio Plays
1947年
ピアノ・トリオのバイブルと言われている名盤ですね。

47年の録音の初リーダー作(1〜8) ―  緊張感あふれる火傷しそうな熱いプレーです。
マックス・ローチ:ドラムス、カーリー・ラッセル:ベース

53年の録音(9〜16) ― 表現力に円熟を感じるプレーです。
アート・テイラー:ドラムス、ジョージ・デュビビエ:ベース

この5年間の間の彼のプレーの変化は劇的で彼の人生を投影している。
「アメイジング(神がかり的)」と言われた、天才の輝きを堪能できます。
The Quartet of Charlie Parker / Now's the time
1953年
チャーリー・パーカーがニューヨークでデビューしたのは、1942年だった。
トランペットのディジー・ガレスピーが同じ楽団で活動していたことからビバップの名コンビと言われること がある。ディジーは、日本へ何回か来日しており、私もその演奏を生で見ることが出来たが、 チャーリーは、薬の依存もあり1955年34歳の若さで飛び立ってしまった。
ジャズ好きで有名なクリント・イーストウッド監督の「バード」では彼の生涯が忠実に描かれているので必 見です。この革命児の活動時期は短いが、そのプレーは、その後のジャズ界に多大なる影響を残しました。
1947年、バド・パウエル(P)、トニー・ホッター(b)、マイルス・デイビス(tp) マックス・ローチ(ds) らとの活動時期は、レコードも好セールスだったようです。
このアルバムでも高速のメロディーのブローが気持ちいい、そして、ほとんどの曲が3分ほどと短いが各メンバーがソロを取っている完璧な演奏が楽しめます。
このアルバムは、チャーリー・パーカーのアルバムで一番音がいいアルバムであり「最後の偉 大なレコーディング」として有名な名盤です。
メンバーは、Hank Jones,Al Haig(p),Teddy Kotick,Percy Heath(b),Max Roach(ds)
Chet Baker / Chet Baker Sings
1953年
こんなに昔のアルバムなんだと改めて年代順に並べてみて驚きました。
ピアノ:ラス・フリーマン、ギター:ジョー・パスそして、ヴォーカル・ペットが チェット・ベイカーこのシンプルな演奏の中、チェットの甘い声がスタンダード をじっくり聴かせてくれる。時代を超えて輝き続ける永遠の名盤。
私の持っているアルバムは、My Funny Valentine が1曲目でガーシュインの「Someone To Watch Over Me」が 収録されているのですが「Time After Time」「My Ideal」が収録されていない。複数の盤があるようですね。

1. That Old Feeling 2. It's Always You 3. Like Someone in Love 4. My Ideal 5. I've Never Been in Love Before 6. My Buddy 7. But Not for Me 8. Time After Time 9. I Get Along Without You Very Well 10. My Funny Valentine 11. There Will Never Be Another You 12. Thrill Is Gone 13. I Fall in Love Too Easily 14. Look for the Silver Lining
Glenn Gould / Bach The Goldberg Variations
1955年
初めてこのアルバムを聴いたのは、もちろんLPレコード(アナログ)です。
針を落とした瞬間、静かにテーマ:アリアが 優しいタッチで静かに奏でられ、ヴァリエーション1:では、物凄いスピード(ドライヴ感) でグールドの指が鍵盤を駆け回る。その音は一音一音がクリアーで粒がしっかり聴こえる。曲と曲の間が切れ目がなく、 たたみかけるように繋がっている。
バッハの曲だけにスピリチァルな響きがあるがクラッシックというジャンルに拘らずに聴けるアルバムです。
マイルスの「Kind Of Blue」ヨーヨーマの「無伴奏チェロ曲」など初めて聴いて、その音で目の前の景色が変わり聴い たとたんに別世界にエスケープさせられるアルバムがあるが、これもその種の名盤です。
カイザーリンク伯爵が眠れぬ夜の為におかかえの音楽家のゴールドベルグに弾く曲を バッハに依頼したのは有名な話で、この話からこの曲が「睡眠薬代わりの曲」と誤解されていますが、伯爵の 求めた曲は「夜眠れなくても夜を楽しく穏やかに、そして快活に過ごせる曲」だったそうです。
グールドの演奏は自由でアグレッシヴで「不眠症」なんて怖くないと思わせる素晴しいものです。
トマス・ハリスの「羊たちの沈黙」でレクター博士がリクエストするがこのアルバムです。私は、朝や 入浴中にこのアルバムを聴くのが好きです。
Helen Merrill / Helen Merrill
1955年
クリフォード・ブラウンは、アート・ブレイキーのクインテットに参加したり、 女性ジャズ・シンガーのダイナ・ワシントン、サラ・ボーンと共演したりと忙しい 日々を送っていた。
このアルバムは54年12月録音で、トランペット:クリフォード・ブラウン、 アレンジをクインシー・ジョーンズ、ピアノ:ジミー・ジョーンズ、ギター:バリーガルブレス、 バリトン、フルート:ダニー・バンクというメンバーで録音されているジャズ・シンガーヘレン・メリルの最高傑作で名盤です。
クリフォード・ブラウンは、残念ながら翌年56年に25歳という若さで交通事故で亡くなっている。

1. Don't Explain 2. You'd Be So Nice to Come Home To
3. What's New? 4. Falling in Love With Love
5. Yesterdays 6. Born to Be Blue 7. 'S Wonderful
Sonny Rollins / Work Time
1955年
Ray Bryant(Piano) George Morrow (Bass) Max Roach (Drums)のメンバーで 極太のティナーサックスをソニーが聴かせる名盤。
ジャズは楽しい! 翌年には、あの誰でも知っている名盤「サキソフォン・コロッサス」がリリースされる。

1. ショウほど素敵な商売はない 2. パラドックス
3. レインチェック 4. ゼア・アー・サッチ・シングス
5. イッツ・オールライト・ウィズ・ミー
Count Basie And His Orchestra / Basie In London
1956年
1965年9月7日ヨーロッパ・ツアー先のスウェーデンでのライブ盤。
この頃、ヨーロッパにはジャズを愛する人たちが多かった為、多くのジャズミュージシャンは、 ヨーロッパに移住したり公演を行っていたようですね。ベイシーのこのヨーロッパ・ツアーも大成功だった事が観客の 声で伝わってきます。
ブラス・アンサンブルは、洗練されより複雑なアレンジメントが思いっきりスイングしていて興奮します。
ジョー・ウィリアムスのヴォーカルも3曲聴けます、もちろんリズムを支えるギターのフレディ・グリーン、ソニー・ぺイン(ds)も いいですね。又、ベイシー(この時52歳)自身の弾くピアノもスイングしています。 有名なコーナー・ポケットも「これを聴かずに死ねるか」と思える素晴らしい演奏が収録されています。
ジョー・ニューマン(tp)、フランク・フォスター(ts)、フランク・ウェス(ts)らのメンバーのソロも美味しいフレーズ がプレーされています。
The Miles Davis Quintet / Relaxin'
1956年
1951年、プレステッジ・レコードと契約したマイルスだが、55年にはコロンビアと契 約する、それに先立って新メンバーによる「黄金のクインテッド」を結成する。そのメン バーが、ジョン・コルトレーン、レッド・ガーランド、ポール・チェンバース、フィリー ・ジョー・ジョーンズだ。
コロンビアでの記念すべき一作目は、「ラウンド・アバウト・ ミッドナイト」でその成功でマイルスは名声をますます高めて行く。
このアルバムは、プレステッジの契約の消化のため2日間(5月11日、10月26日)で25曲を レコーディングしたマラソン・セッションといわれるレコーディングから生まれた4枚のアルバムの1枚です。
ちなみに他3枚は、「クッキン」「ワーキン」「スティーミン」です。その4枚のレコードの中でも タイトル通り、マイルスのリラックスした音が楽しめるのが、このアルバムです。
1曲目 マイルスと思われる指でのカウントでリズムがスタートする。2曲目は、ガーランドが華麗な 指さばきで曲をスタートするとマイルスが、口笛で演奏を止めてブロック・コードでの演奏を要求する マイルスの肉声が収録されている。通常はカットされるスタジオでのやり取りがスタジオの空気を感じさせ 嬉しいですね。
4曲目の「オレオ」は、ソニー・ロリンズの曲でモダンジャズのスタンダードですね。 この曲の演奏は、皆さんこなれているのか、構成(アレンジ)がなかなか複雑です。マイルスのトランペットから 演奏がスタートしてリズム隊が追いかけるように入ってくる所が「いいですね〜」チェンバースのベースが 良くランニングしています。そしてガーランドのピアノが唸らせますね。皆さん楽しそうに演奏しているんだ ろうなと感じる演奏です。
Miles Davis / 'Round About Midnight
1956年
マイルスの念願がかない、大手レコード会社のコロンビアへ移籍後1枚目のアルバムがこの名盤です。
語りつくされた感はありますが、1曲目のセロニアス・モンクの曲「ラウンド・アバウト・ミッドナイト」の 曲のアレンジが、すごい。
ガーランドが一発 初めのコードを弾き、それに合わせて、コルトレーンのティナーがカウンターメロディー を吹き、すぐにマイルスのミュート・トランペットがブルージーな空気を作り、マイルスが主線のメロディーを 夜の中に突き刺さるような響きで穏やかに繊細に聴かせる。
ギル・エバンスがアレンジされたといわれるブリッジにくい気味にコルトレーンの素晴らしいソロが始まる。 ここで「ゾクゾク」ときますね〜。
メンバーは、前年からのクインテット。ベース:ポール・チェンバース、ドラムス:フィリー・ジョー・ジョーンズ ピアノ:レット・ガーランド。
モダンジャズを作りだしたメンバーと帝王マイルスが作り出した正に金字塔的なアルバムです。
この後ギル・エバンスのビッグバンドとの共演アルバム「マイルス・アヘッド」「ポギーとべス」 「スケッチ・オブ・スペイン」をリリースし、58年には、「マイルス・ストーン」をリリースしている。
1曲目、3曲目が56年9月、2曲目が55年10月、4〜6曲目が56年6月にレコーディングされている。現在リリースされている CDには、ボーナストラックで4曲プラスされている。
Art Pepper / meets The Rhythm Section
1957年
ペッパーがマイルスの「黄金のクインテッド」とLAで競演したのが、このアルバム。
ペッパーは緊張のあまり、ものすごい汗をかきながら演奏したようですが、その演奏は素晴しく。 名演揃いです。
特に1曲目の「You'd Be So Nice To Come Home To」は、いつ聴いても気持ちいい ペッパーのフレーズに感動します。そしてドラムスのフィリー・ジョー・ジョーンズの演奏も素晴しい 快作です。天才のフレージングを存分に堪能できる名盤。
このアルバムは、音が良いことでも有名で、オーディオ・マニアのオーディオチェック用のアルバムとして マスト・アルバムになっている様です。エンジニア:ロイ・デュナン
「Modern Art: The Complete Art Pepper Aladdin Recordings, Vol. 2 」も名盤です。
John Coltrane / Soul Trane
1957年
1957年セロニアス・モンクは、麻薬とアルコールでマイルス・クインテットを 首になったコルトレーンのカンバックに手をかした。その時期の体験が 後のコルトレーンには意義深いものだったといわれています。
モンクのおかげでこの偉大なティナーは、その後、41歳の短い生涯を閉じるまで 我々に美しい音楽を届けてくれることになる。
この年、プレスティッジから初のソロ「コルトレーン」。ブルー・ノー トから「ブルー・トレーン」という傑作をリリースする。
このアルバムは、その翌年、レッド・ガーランド・トリオとレコーディングした傑作です。 自信に満ちたその音に圧倒されます。
Sonny Rollins / Sonny Rollins Vol.2
1957年
ソニー・ロリンズのブルーノートでの名盤。
Art Blakey (ds) Paul Chambers (b) J.J. Johnson (Tr) Thelonious Monk (P)
Horace Silver(P)

1 Why Don't I - Rollins 5:42 2 Wail March - Rollins 6:09
3 Misterioso - Monk 9:22 4 Reflections - Monk 7:01
5 You Stepped Out of a Dream - Brown, Kahn 6:22
6 Poor Butterfly - Golden, Hubbell 6:05

3,4曲目は、モンクの曲で当人もピアノをプレーしている。
ジョー・ジャクソンがリスペクトしたクールなジャケット写真も有名。
Tommy Flanagan / Overseas
1957年
1950年代半ばから1960年代、トミー・フラナガンは、ミンガス、コルトレーン、ケニー・バレル、ソニー・ロリンズ、 ケニー・ドーハム、ミルト・ジャクソン、アート・ファーマー等のジャズメンのセッションに数多く参加していた。
1968年から1978年頃までエラ・フィッシュジェラルドのツアーに参加していた。

このアルバムは、トロンボーン奏者のJ.J.ジョンソンのクインテットのメンバーとしてストックホルムに滞在した際、 そのリズムセクションのベース:ウィルバー・リトル、ドラムス:エルビン・ジョーンンズのトリオで録音された名盤です。

57年は、ソニー・クラーク、レッド・ガーランド、レイ・ブライアンとなど多くのピアニストがトリオ演奏でいいアルバムを リリースしていた。その中でも、この後、コルトレーンと活動するエルビン・ジョーンズの素晴らしいドラムスと太く安定感の あるウィルバーのベースとフラナガンの歌うピアノが、ご機嫌なこのピアノ・トリオのアルバムは長い間、私の愛聴盤です。
1曲目はチャリー・パーカーの曲ですが、9曲中6曲がトミー・フラナガンのオリジナルです。
Ella Fitzgerald / Like Someone in Love
1957年
エラがオーケストラをバックにスタンダードを歌いあげます。
「Like Someone In Love」「Midnight Sun」「What's New 」などなど名曲に癒されます。

Sony Clark / Sony Clark Trio
1957年
ソニー・クラークの定番は、次の次のアルバムの「クール・ストラッティン」でしょうが、こっちはクインテットで このアルバムは、トリオの演奏が楽しめます。(この頃からピアノ・トリオというフォーマットによる演奏が レコーディングされるようになってくる)
このジャケットも綺麗なハード・バップ期を代表するアルバムのピアノ・トリオのメンバーは、ベース:ポール・チェンバース、 ドラムス:フィリー・ジョー・ジョーンズとマイルスと前年までクインテットを組んでいた最強のジャズメンです。
私の持っている古い外盤のCDは、下記の様な曲順になっています。現在のリリース物は、ガレスピーのスピード感のある「Be-Bop」 から始まり、テイク違いの曲が連続しない曲順になっています。

1. I Didn't Know What Time It Was(alternate take) 2. I Didn't Know What Time It Was 3. Two Bass Hit 4. Two Bass Hit(alternate take) 5. Be-Bop 6. Tadd's Delight 7. Tadd's Delight (alternate take) 8. Softly As In A Morning Sunrise 9. I'll Remember April

Red Garland / Groovy
1957年
ベース:ポール・チェンバース、アート・テイラー:ドラムスに、ガーランドのピアノのよるピアノ・トリオの名盤。
1曲目の「C JAM BLUES」は、デューク・エリントンの曲で、見事なグルーヴでスイングしている演奏はジャズ史に残る 1曲です。
ガーランドの左手のコードは、重厚でオリジナルであり、左手のメロディーは軽快でメロディアスな 旋律を奏でます。
Miles Davis / Milesstones...
1958年
55年からのクインテットに、アルト・サックスのキャノン・ボール・アダレイが新たに参加し(このアルバムの5日後にあの名盤「Somethin'Else」を レコーディングしている) コルトレーン:T・サックス、マイルス:トランペット、アダレイ:A・サックスの3管のセックステット でのレコーディングは、このアルバムだけなので貴重、また、この後の「カインド・オブ・ブルー」では、レッド・ガーランド:ピアノ、 フィリー・ジョー・ジョーンズ:ドラムスが抜けているのでこの2人の最後のマイルスとのレコーディングになる。
1曲目からスピード感のある曲です。マイルス、アダレイ、コルトレーンとソロを廻し、サックスの2人の掛け合いになる。ポール・チェンバーススの ベース・ソロの後、ドラム・ソロがあり再びテーマを3管が奏で凄まじいアルバムの1曲目です。
どの曲も素晴らしいが、4曲目の「Miles」が圧倒的に素晴らしい。マイルスのソロも、コルトレーンのソロも唸ります。そして5曲目の「Billy boy」も良いですね。 リスム・セクションが最高にスイングしています。特にフィリー・ジョー・ジョーンズのドラムが奇跡的な出来です。
6曲目は、モンクの曲で、アダレイとコルトレーンの素晴らしいソロがたっぷり聴けます。それにしても、このアルバムでは、マイルスも、 コルトレーンもアダレイに刺激されたのか、早いパッセージのフレーズを吹きまくります。
「あー気持ちいい!」
Anita O'Day / Anita Sings the Most
1958年
オスカー・ピーターソン・トリオをバックにアニタがスタンダードを歌った名盤。
リラックスした中でレコーディングしたことが伝わる、アニタのメロディーの歌い回しが最高にジャズしてます。
壺をおさえた選曲、メンバーの演奏が、今でも古さを感じることなく楽しめます。

1. ス・ワンダフル 2. テンダリー 3. オールド・デヴィル・ムーン
4. ラヴ・ミー・オア・リーヴ・ミー 5. また会う日まで 6. 星影のステラ
7. 恋のチャンス 8. ゼム・ゼア・アイズ 9. 思いのまま 10. 私に頼むわ
11. 魅惑されて
Bill Evans / Everybody Digs
1958年
ビル・エバンスのソロ2枚目です。伝説のトリオのラファェロ、モチアンは、この次のアルバムからです。
このアルバムは、マイルス・グループに参加していた2月〜11月の翌月の12月にレコーディングされている。それで、メンバーが マイルス・グループの当時のメンバーの「俺がナンバーワン・ジャス・ドラマーさ」というプレーを聴かせる、
フィーリー・ジョー・ジョーンズとベースのサム・ジョーンズが一流のプレーを聴かせる中、エバンス(当時29歳)のプレーが クールに熱いプレーを聴かせます。
2曲目の「Young and Foolish」、3曲目の「Lucky to Be Me」、7曲目の「What Is There to Say?」、9曲目の「Peace Piece」ではクラシック的 なバラード・プレーが堪能できる。

John Coltrene / Kenny Burrell And John Coltrene
1958年
ジミー・コブ:ドラムス、ポール・チェンバース:ベース、トミー・フラナガン:ピアノのメンバーで ニュージャージでレコーディングされたこのアルバムは、私の愛聴盤です。
二人のデュエットは、1曲のみですがこのバラード「ホワイ・ウォズ・アイ・ボーン?」痺れます。
ケニー・バレルは、このアルバムでは、リズムは刻まずソロ(アドリブ)とテーマのメロディーでブルージーな ギターを聴かせてくれます。リズムを刻まないことで主役がバレルとコルトレーンにスポットが当たるアレンジに なっているような気がします。
50年代後半のモダン・ジャズを代表するメンバーの息の合ったプレーが堪能できます。
5曲目のBigPaulの演奏時間は、14分 メンバーのアドリブがゆっくり楽しめます。特にフラナガンは、 オリジナルを2曲(1、5)提供しています。ケニーもオリジナルを(3)を提供しています。
Bud Powell / The Scene Changes The Amazing Bud Powell
1958年
彼の高速スケール早弾きの連打をお聴きになりたい方は、「ジャズ・ジャイアンツ」や「バド・パウエル トリオ・プレイズ」が良いと思います。 「うぉ〜すげ〜」という物凄いピアノが聴けます。
ドラッグと精神症との闘いの中、ニューヨークでレコーディングされた、このアルバムは愛聴盤です。
全曲バドのオリジナルで1曲目は「クレオパトラの夢」という曲です。村上龍さんが司会をされていた「Ryu's Ber」のテーマ曲と して流れていたので記憶にある方も多いと思います。
このアルバムのメンバーは、上記のガーランド・トリオのメンバーと同じモダンジャズと言えばこの二人、ベース:ポール・チェンバース、 アート・テイラー:ドラムスです。
Miles Davis / Kind of Blue
1959年
マイルスは、前年の「マイルストーンズ」から試みていたモードジャズをこの作品で完成させた。
ジャズ史に残るこの作品は、1度聴いたら忘れられないものになるはずです。

今まで聴いたことの無い透明でブルーでクールな世界を創り出している。そして、その後の ジャズ・シーンに大きな大きな影響を与えることになるります。
このアルバムのためにグループを離れていた、エヴァンス、コルトレーンが参加し素晴しい 演奏を聴かせてくれる。
CannonballAdderly(A Sax),PaulChambers(b),JamesCobb(ds),JohnColtrane(T.sax),BillEvans,WyntonKell(p) が参加したジャズのアルバムの中でも本当に特別な1枚です。

1. So What 2.Freddie Freeloader 3.Blue In Green
4.All Blues 5.Flamenco Sketches
Bill Evans Trio / Portrait In Jazz
1959年
マイルスと活動していたビル・エバンスは、この年トリオを結成し12月に、このアルバムをレコーディングした。
トリオのメンバーは、後に天才ベーシストと脚光を浴びるスコット・ラファロ(b)、ポール・モチアン(ds)だ。2人は単なる リズム・セクションではなく主体のピアノと対等な役割を得てインタープレーの重要性を追求していった。
「降っても晴れても」「枯葉」「恋とは何でしょう」「いつか王子様が」などのスタンダードと「カインド・オブ・ブルー」 に収録されたマイルスとの競作の「ブルー・イン・グリーン」などエバンスが選んだ名曲をこのトリオが艶やかに奏でる。 それにしてもラファロのベースのメロディー・ラインは、カッコいいです。
この後、スタジオ盤の「エクスプロレイションズ」、そしてライブ盤の、「ワルツ・フォー・デビイ」 「サンデイ・アット・ザ・ヴィレッジ・ヴァンガード」 の4枚のレコードを残しラファロが交通事故で亡くなり、この トリオはジャズ史を語る上で重要な名盤を4枚残す。
Thelonious Monk / Alone in San Francisco
1959年
セロニアス・モンクは他2枚(「セロニアス・ヒムセルフ(57年)」「ソロ・モンク(64・65年)」 のピアノ・アローンのアルバムをレコーディングしているが、その中でも1番リラックスして 聴けるのがこのアルバム。
その独自のコード(不協和音)、タイム感、シンコペーション、個性が独自の世界を作り出し酔わせます。
「BlueMonk」「Pannonica」「Reflections」が特にお気に入りの曲です。

1. ブルー・モンク 2. ルビー、マイ・ディア 3. ラウンド・ライツ
4. エヴリシング・ハプンズ・トゥ・ミー 5. 君は奪いぬわが心を
6. ブルーホーク 7. パノニカ 8. リメンバー
9. あなたの眼がこわいの(テイク2) 10. リフレクションズ
11. あなたの眼がこわいの(テイク1) (ボーナス・トラック)
Ray Charles / What'd I Say

1959年
What'd I Say
レイから影響を受けていないソウル系のミュージシャンはいないと思う。ゴスペル、ブルース、ジャズ、 カントリー多くの音楽の要素を取り入れ融合させ強烈な歌心でソウル・サウンドを作っていった。
エルビス・プレスリー、ビートルズ、アレサ・フランクリン、スティービー・ワンダー、ダニー・ハザウェイ、 ドナルド・フェイゲン、ビリー・ジョエルとリスト・アップしていたら切りがなくなりますが本当に多くの ミュージシャンにリスペクトされたレイである。2004年に公開された彼の自伝映画の「Ray」の公開と同年に リリースされたデュエット・アルバムが大ヒットして(全米2位)、その年に74歳で人生の幕を閉じている。
ジーニアスのキャリアは長いのでディスコグラフィーを見てもどのアルバムから手を出していいか わからない方には、まずアトランティック時代のこのアルバム「What'd I Say」をお勧めします。
映画「Ray」のオープニング・ロールで、このアルバムの表題曲「ホワッド・アイ・セイ」の演奏シーンがいきなり 写りそのカッコよさにのけぞった方も多かったのではないでしょうか?ウィリッツァーのエレピが70年代の ソウルの先取りをしています。22〜29歳のサウンド・クリエーターとして輝いていた時期のレイの記録です。
ビッグバンドやストリングス・オーケストラのオケで歌うレイも大好きですが、女性コーラスとの掛け合い (コール&レスポンス)などの曲も多くファンキーなグルーヴを楽しむにはこのアルバムです。



1959年 The Genius Of Ray Charles
アルバム1〜6曲目までが、クインシー・ジョーンズのアレンジでビッグ・バンドが素晴らしい演奏をするバッグを従えシャウトする レイが楽しめます。7〜12曲は、ラルフ・バーンズのストリングス・アレンジで豪華なストリングスサウンドが楽しめる。有名な スタンダードを其々のオケをバックにソウルフルに歌い上げるレイがいいんだな〜
60年には、ABCレコードに移籍しシンガー路線になっていくが、その先取り的なアルバムがこのアルバムの様な気がします。
John Coltrane / Giant Steps
1959年
56年に酒とドラックでマイルスのバンドを首にされたコルトレーンはこの年、再び「Kind Of Blue」のレコーディングに マイルスから呼び戻される。
そのマイルスの下でモード奏法を吸収した後、この名盤を作り出した。
音に切れ目の無いことから「シーツ・オブ・サウンド」(音の洪水)と言われた、その奏法は独自の表現として輝きを放って いる。全曲オリジナル、コルトレーンにとってまさに大きなステップであり進化であった。

1. ジャイアント・ステップス 2. カズン・マリー 3. カウントダウン
4. スパイラル 5. シーダズ・ソング・フルート 6. ネイマ
7. ミスターP.C. 8. ジャイアント・ステップス*Bonus Track
9. ネイマ*Bonus Track 10. カズン・マリー*Bonus Track
11. カウントダウン*Bonus Track 12. シーダズ・ソング・フルート*Bonus Track
13. ジャイアント・ステップス*Bonus Track 14. ネイマ*Bonus Track
15. ジャイアント・ステップス*Bonus Track

シダー・ウォルトン、トミー・フラナガン、ウィントン・ケリー (ピアノ)
ポール・チェンパース(ベース)
レックス・ハンフリーズ、アート・テイラー、ジミー・コブ (ドラムス)

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