極上音楽
2000年代の名盤

Michel Camilo & Tomatito / Spain
2000年作品
ドミニカ共和国サントドミンゴ出身のピアニスト、ミッシェル・カミロは、Dave Weckl : drums、 Marc Johnson : bass、Joel Rosenblatt : drums、Lincoln Goines : bass のトリオで89年に 全米ジャズ・チャート1位を6週連続したアルバムでデビューした。
フラメンコ・ギターのトマティート(ホセ・フェルナンド・トーレス)とラテン・ジャズ・ピアニストのカミロとの共演は、 言葉にならないほどの名盤を作り上げました。
強力なタッチでたたみかける圧倒的なスピード感と抜群のテクニックを持つピアニストとフラメンコのギターリストの音が ライヴな音でクリアーに録音されている。1日10時間ピアノに向かい練習するという スーパーテクニックのカミロのピアノは、トマティートの情熱的でロマンテックなギターの調べに挑発されたかのように ぶつかり合いながら調和しひとつの音を紡ぎだし私たちに届けてくれた。
2006年には、同じユニットの続編で、ピアソラのリベルタンゴ、チック・コリアのラ・フェスタなどを収録した「SPAIN again」 がリリースされた。

1. Spain Intro  2. Spain  3. Besame Mucho 4. A Mi Nino Jose  5. Two Much/Love Theme  6. Para Troilo Y Salgan 7. La Vacilona  8. Aire De Tango
bebel gilberto / tanto tempo
2000年作品
ミウシャとジョアン・ジルベルトの間に生まれたベベウのデビュー・アルバム。
マリア・ヒタは、エリス・レジーナの愛娘。ついでに、ジョン・レノンの息子は、 ジュリアン・レノンとショーン・レノンの二人です。「ちょ〜どイイ」とコマーシャル(2008年ホンダのフィット) で車の大きさをレクチャーしているのは、ヨーコさんとの間に生まれたショーン・レノンです。
べべの母のミウシャは、77年にジョピンと「Miucha & Antonio Carlos Jobin」を録音している。ジョビンが「Urubu」をリリースした 翌年だ。彼女は、歌は上手くなかったが心地いいアルバムです。ジョアンはあまりにも有名ですので両親の話はこのくらいで。
世界中で大ヒットしたこのアルバムは、マリオ・カルダートJr、アモン・トビン、シヴリー・コーポレーション、スモーク・シティなどの 豪華ゲスト・ミュージシャンのサポートを受け丁寧に作られている。1曲目の「サンバ・ダ・ベンサォン」は、ヴィニシウス・ヂ・モライスと バーデン・パウエルの名曲、ベベウの声が耳に心地よく入ってくる。マルコス・ヴァレの名曲「ソー・ナイス」は、ビースティー・ボーイズの プロデューサー/エンジニアのマリオ・カルダートJr.がプロデュースだ。トラディショナルなボサノバを消化しロンドン、ニューヨークのクラブ・シーン、 アンビエントな音作りと様々な要素が融合し新しい波を作り多くの影響をその後のシーンに与える。
RADIOHEAD / KID A
2000年作品
2作目のアルバム「the bends」は、美しいメロディーの曲が多く、いいバンドだなと思った。
この4作目の「KID A」は、1曲目が「ド・ラ#・ソ・ファ・ド」とエレピで始まる「全ては在るべきところに在る」で深く静かな世界 へ引き込まれる。 細野さんか坂本さんのCDと誰かがすり替えたと疑ったが、間違いなくレディオヘッドのアルバムであった。
ギター バンドだった彼らのイノベーションであり、さらなる高みに到達したアルバムだ。
ゆったりと祈りの時間が始まり、祈りが高揚して行く様に曲が進行してゆく。 気持ちいい、3曲目の後半はフリージャスにも聴こえる。 4曲目になると聞き覚えのある声が聞こえ安心して伸びやかに響くメロディーを楽しめる。
コンピューターを使った音楽は、既に世界に溢れているが、彼らが作った音は、ノイズ、SE他の響きの全てが気持ちよくコントロールされている。
創作の苦しみ等の通過しなければならないキャリアの中で作られた語り継がれる名盤。
k.d.lang / invincible summer
2000年作品
カナダからカリフォルニアに移住したらしいk.d.langの新譜。
全てが美しく輝くゴールデンアワーの時刻、海辺で撮られたジャケットが、このアルバムの美しさを 物語っている。 
4曲を以前からの共作者のデヴィッド・ビルチ(ベース他)が、そして3曲をドラムス、ギターのエイブ・ラボリエル・ジュニアが 共作している。ラング本人の曲も素晴らしく。全曲が開放感とキャッチーなメロディーが印象的で、何度も繰り返し聴けるアルバムに なっている。
プロデュースは、ウィルアム・オービッドの右腕のダミアン・レガシックでほとんどの曲でキーボードも弾いています。
Amel Larrieux / infinite possibilities
2000年作品
アメール・ラリューの全曲作曲、プロデュースのファースト・ソロアルバム。
ソウル、ジャズ、ゴスペル、ファンク、エスニック、ヒッポップが融合してアンビエントな音作りで統一された傑作。
全編、多重録音された彼女のヴォーカルが気持ちいい、そして壺を抑えたベースラインと打ち込みされたドラムが 心地良い世界を作っている。
クレジットにキーボード、ドラム・プログラミング、バッキングヴォーカルをしている旦那(Laru)の名前が有り、9曲目では 娘(Sky)のヴォーカルも録音されて母のアメールとコーラスをしている。幸せな家族が作った傑作。
india arie / acoustic soul
2001年作品
india arie  インディア・アーリーのファースト・アルバム。
エリカ・バドゥ風ではあるが、ギターが随分前に出て気持ちがいい、クレジットを見ると ギターがマッセンバーグ(ディアンジェロの1stアルバム)でプロデューサーもしている。
アルバム・タイトル通り、アコースティックなサウンドにソウルのスピリッツが詰まったアルバムです。
Michael Brecker / Nearness Of You
2001年作品
2007年に永眠されたマイケル・ブレッカーのバラード集
2曲、ジェームス・テイラーがいつものトーンで優しい歌声を聴かせてくれます。
ハンコック、メセニー、ディジョネットと気心の知れたメンバーのサポートの中、 マイケルのオリジナル、メセニーのオリジナル、ザビエル、ガーシュインなどの美しい旋律の曲が 演奏されています。心に染みいるティナーに涙です。
部屋でゆっくりと聴きたい名盤です。

Pat Metheny(g),Herbie Hancack(p),Charlie Haden(b)
Jack Dejohnette(ds),James Taylor(vo 2.5)
MORELENBAUM2 SAKAMOTO / CASA

2001年作品
坂本教授がアントニオ・カルロス・ジョビンに向き合った数日間の記録がこのアルバムです。
リオのジョビンの自宅でジョビンが生前使用していたピアノを使ってのレコーディングには、晩年のジョビンのレコーディング 及びツアーに同行していたモレレンバウム夫妻 MORELENBAUM2 (Paula Morelenbaum(ヴォーカル)、Jaques Morelenbaum (チェロ)) が参加した。教授のクリアーでリリカルなピアノとジャックの深く官能的なチェロの演奏にポーラの透明感のあるヴォーカルが漂います。
3人のシンプルな演奏と歌がゆったりとした空間を作りだす癒しの名盤です。
数曲にジョビンの息子さんのPaul Jobin(ギター)をはじめ、 Zeca Assumpcao(ベース)、Marcos Suzano(パーカッション)が参加しいます。
生前ジョビンと一緒に演奏し、過ごしてきたミュージシャンとの共演で教授はジョビンの曲に新しい風を吹き込んでいます。

ジョビンが、ドビッシー、ラベル等の現代音楽が好きだったことは有名ですが、教授も現代音楽から強く影響を受けていることから教授が ジョビンをリスペクトしたアルバムをレコーディングされた流れは、自然でとても嬉しかったです。


1. AS PRAIAS DESERTAS  2. AMOR EM PAZ
3. VIVO SONHANDO-DREAMER-  4. INUTIL PAISAGEM
5. SABIA  6. CHANSON POUR MICHELLE  7. BONITA
8. FOTOGRAFIA-PHOTOGRAPH-  9. IMAGINA
10. ESTRADA BRANCA  11. O GRANDE AMOR
12. CANCAO EM MODO MENOR  13. TEMA PARA ANA
14. DERRADEIRA PRIMAVERA
15. ESPERANCA PERDIDA-I WAS JUST ONE MORE FOR YOU-
16. SEM VOCE

上記アルバムリリース後のツアー最終日の翌日スタジオでレコーディングされた「A Day In New York [Enhanced] 」は、 1曲目からジョビン作曲のボサノバの名曲「Desafinado」2曲目は、ジョアン・ジルベルトの「Bim Bom」「Insensatez」ジョビンの代表曲 「Chega de Saudade」「Samba Do Avio 」とボサノバの代表曲をツアーに同行したミュージシャンと息の合った演奏を聴かせてくれる。
Prince / The Rainbow Children



2001年作品
前作は1999年の「レイヴ・アン・2・ザ・ジョイ・ファンタッステック」だったので 約2年前だ。あのアルバムの後リリースされたDVD「レイヴ・アン・2・ザ・イヤー・2000」 には驚かされた。ベースをラリー・グラハムが弾いているし、メシオ・パーカーはバリバリと サックスを吹いているし、ジョージ・クリントンやレ二ー・クラヴィッツも出てきて大パーティ 状態でした。

そして、このアルバムだ、ジャケットのイラストがいいですね〜ソウルを感じるイラストですね。音は もちろん、プロデュース、アレンジとほぼ全ての演奏(Aditional Musicianのプレー以外) をプリンスがプレーしている。
(Aditional Musician ) John Blackwell (Drumz) 、Najee (Soprano Sax&Flute) 、Milenia 、Keip Blackshire 、Mr. Hayes 、Femi Jiya (Backing vocals)、 Larry Graham (Bazz) (4,14) 、Hornheadz (GroupHornz)

1曲目は、ドラムス、フェンダー・ローズ、ベース、ソプラノ・サックスがジャージーに流れてきて始まる、プリンスの エフェクトのかかったヴォーカル、女性のバッキング・ヴォーカルが入り、オルガン、ディストーション・ギターが重なっていく。 ドラムスのジョン・ブラックウェルが素晴らしい、2曲目は、バックの楽器が彼のドラムスとプリンスの弾くエレピとベース とプリンスのヴォーカルだが、安定感ある彼のドラムスがあって成立する曲だ。4曲目は、ラリー・グラハムがベースを弾いているファンク・チューン。 5曲目は、ソウル 6曲目は、プリンスのギター、ベース、の上手さが際立つインスト・ナンバー。7曲目は、曲目通りメロウなナンバー、フルートと エレピの音がメロウ。と全ての曲を紹介したいですが・・・・アルバム・ラストの14曲目の紹介に飛びます、この曲は、パープル・レインを思わせる ギターのイントロから始まる、詩の内容は死と愛と宗教、曲は、荘厳な響きを感じる曲です。展開が複雑でザッパの曲かと思わせるほど決めのフレース があり軽快に気持よく決まります。

1.Rainbow Children  2.Muse to the Pharoah  3.Digital Garden
4.The Work Pt 1   5.Everywhere   6.The Sensual Everafter
7.Mellow   8.1+1+1 is 3 9.Deconstruction 10.Wedding Feast
11.She Loves Me 4 Me 12.Family Name 13.The Everlasting Now
14.Last December



このアルバムリリース後の2003年にリリースされたDVD「PRINCE LIVE AT THE ALADDIN LAS VEGAS」は2002年12月15日に 行われた7000人収容できるアラジン・ホテルのシアターでのライブを収録したものだ。

メンバーは、ジョン・ブラックウェル:ドラムス、ロンダ・スミス:ベース、レナート・ネト:キーボード、アルト・サックス:メシオ・パーカー(The J.B's)、 エリック・リード:ティナー・サックス、グレッグ・ボイヤー:トロンボーン、シーラ・E:パーカッション、ニッカ・コスタ:ゲスト・ボーカルと新旧の強力な メンバーが顔を合わせている(One Nite Alone Live!とほぼ同じメンバー、ライヴ・アルバムをリリースしていなかったプリンスだが、この時期の メンバーがよほど気に入ったらしくライブ・アルバムとライブ映像を残している)。

プリンス45歳、「レインボー・チルドレン」「サイレ・オブ・ザ・タイム」「ダイアモンド&パール」「パレード」などのアルバムからのオリジナルの他、 ゼップの「ホール・ロッタ・ラヴ」、ジェームス・ブラウンの「パス・ザ・ピーズ」が演奏されている。クールでエモーショナルなライブは素晴らしいく何 度も楽しめるライブです。
SKETCH SHOW / AUDIO SPONGE
2002年作品
細野晴臣さんと高橋幸宏さんのユニット
シニカルでユーモアが効いていて二人の懐の深さとポップ・センスに「ニヤリ」と笑ってしまいます。
全体を通してエレクトロニックな耳触りですが、ロック、ファンク、ポップ、テクノ等々いろんな音楽が 融合し脳に心地よく染み込む音が良いです。
4曲目の「wilson」は、細野さんが、少年の頃アイドルだったビーチボーイズのブライアンをリスペクトしています。
7曲目の「GOKIGEN IKAGA 1・2・3 」では、いきなりスライのタイムのリズムボックスが鳴り出し細野さんのファンキーな ベースに合わせて、ヴォーカルが被さって来ます。 「ひあ・うい・ごー・えぶりぼでぃ・かもん・ろっくんろーる ロック の仕事に携わり今では地道にやってます。心のひだに隠させた俺らの匂いを嗅いでみな」エクセレントです。
9曲目は、ジョージ・ハリスンのオマージュでしょうか?ジョージの逆回転のギターのフレーズの様な旋律の曲です。 ラストの曲は、パーシー・フェイスの「避暑地の出来事」です。細野さんが渋く、囁くように「あなたの腕の中は、暖かく安全」と歌います。
日本の音楽界に、細野さんがいてくださり本当に良かった。と思わずにいられません。感謝!
オリジナル・ラヴ / ムーンストーン
2002年作品
88年のピチカート・ファイブの2th「ベリッシマ!」、91年ソロになって「Love!Love!&Love!」 以来ほぼ1年に1枚のペースで素晴らしい音楽を創造している田島貴男さん の「オリジナル・ラブ」10thアルバム。

プレイヤーのクレジットに「ピアノと歌:田島貴男」とある曲が6曲、「クラッシックギター と歌:田島貴男」が3曲、「オルガンと歌:田島貴男」が1曲とこのアルバムではピアノを弾いて歌っている 曲が多く、そのせいかアコーステックな響きが美しいアルバムになっています。

「風の歌を聴け」から参加しているサックスの松本健一さんも全面的にサポートしている。そして 松本隆さんが2曲作詞を提供しています。

91年「Love!Love!&Love!」92年「結晶」93年「Eyes」94年「風の歌を聴け」95年「RainbowRace」96年「Desire」 97年「ElevenGaffiti」98年「L」2000年「ビッグクランチ」と毎度、新作を楽しみにしています。
田島さん、お身体に気を付けこれからも「良い音楽」届けて下さい。


MAMALAID RAG / ママレイド・ラグ
2002年作品
田中拡邦さんの歌う「春雨道中」が耳に飛び込んできた時、久しぶりに「おぅ!」と声を上げた。 その歌声、歌詞、メロディー、スライドギター、オルガンの音、アレンジ 素晴らしい完成度で引き込まれた。
10曲収録されたアルバムを聴き。心地よさと切なさが湧きあがった。季節を感じ風を感じ風景を歌詞にでき 美しいメロディーを生み出せる才能あるアーティストの誕生を喜び、なんどもこのアルバムを聴きました。
バンドのメンバーは、ベースの江口直樹さん、ドラムスの山田潤一郎さんとヴォーカル、ギターの田中拡邦さん の3人。ほとんどの曲に参加しているキーボード(ローズ、ハモンド、A.Pf)の柴田俊文さんでこの音を作っている。 今後も良い環境で音楽を作れることを祈っています。


冨田ラボ / Shipbuiding
2003年作品
初めて冨田さんの作った音を聴いたのは「キリンジ」のアルバムだと思う。その後2001年にMISIAのMARVELOUSに収録の「Everything」の サウンドだ。
サンプリング・ドラムのプログラム、ベース、キーボード、ギターと全ての楽器をプレーして作り出す冨田サウンドに感動した。 その2年後の2003年に、このソロ・アルバムがリリースされた。
セルフ・プロデュースで、ミュージシャンのクレジットは、KEIICHI TOMITA - Instruments & Treatments(処理(法)と解釈でいいのかな?) 他は、 パーカッション、ストリングスとブラスのミュージシャンのクレジットがある。MISIAの楽曲と同様 一つ一つの楽器を冨田さん一人で丁寧に重ねて 作ってゆくわけだ。
ドナルド・フェイゲンの「ナイトフライ」の頃に比べコンピューターもソフトウエアも格段にグレード・アップしているが、ドラムのプログラム一つ をとってもグルーヴを作るには、根気とノウハウと拘りが必要だ。
ドラムのトラックに本人がベース、ギター、キーボードを生で弾いてトラックを重ねているわけだが、ここが実際弾いているのと、コンピューターで入力 するのでは出来上がった音が違うのは当然で、冨田さんのプレーする各楽器が凄く上手いのが完成度を高めている。(プリンスも、All Instruments and voices by PRINCE とクレジットし本人の楽器の上手さを披露しています。プリンスは、アルバムの中で数曲は、ドラムスにJohnBlackwellとクレジットされてたりし ますが...。)
1曲目のセカンド・ラインのインスト曲は、そんな生のプレーが楽しめます。もう少し聴きたいなと思っていると、ユーミンの声が出てきて「ビックリ!」 する。ちなみにこのアルバムの作詞は、ユーミン、松本隆さん、畠山美由紀等々ですが、作曲は全て冨田恵一さんがされています。2曲目は、 ハナレグミの永積タカシさんが透明な声を聴かせてくれます。いいメロディーです。ベースの動きが気持ちいいです。この曲もバックの音がとても 時間をかけて丁寧に各パートが作られている。
3曲目は、ジャージーで艶っぽい声を畠山美由紀さんが聴かせてくれる。全曲冨田さんプロデュースで畠山美由紀さんのフルアルバムを作ってもらいたいと 思える素晴らしい仕上がりです。4曲目は、キリンジ登場です。と全曲解説をしたいところですが、後は聴かれた事が無い方は、是非聴いてください極楽ミュ ージックです。


Braian Wilson / SMILE


2004年作品
ブライアン・ウィルソンが「Pet Souds」のリリース後レコーディングを開始しほぼ完成され、ジャケットまで プリントされていたがリリースがキャンセルされ永遠に完成形のリリースが無いと思われていた「SMILE」が ビーチ・ボーイズの名義でなくブライアン・ウィルソンのソロ・名義で、2004年にリリースされた。

リリースされていれば、ビーチ・ボーイズの最高傑作だと言われていた「SMILE」が35年の歳月をかけて ブライアンと現在の彼のバンド(ジェフリー・フォケット(この方はビーチボーイズのツアーメンバー)、 ダリアン・サハナジャ(ワンダーミンツ)等ブライアンを敬愛するメンバー)によりリリースまで辿り着いた。 病気を乗り越え他のメンバーとの関係を超越してのこの様なかたちの完成を誰が予想していただろうか。 しかも、この「スマイル」は、初めて観衆の耳に届いたのは、ロンドン、ローヤル・フェスティバル・ホールでのライブ (2004 Feb.20)からである。ライブで初めてお披露目されたのだった。

私の家にも何枚ものブートレックの「SMILE」がある。中には14:55分の「Good Vibrations」等もある(笑い)それらは、 1966年〜1967年頃のレコーディングされた曲を完成形を予想して曲を並べたものだが、完成されないから追い求めたアルバム だから完成されてしまうとなぜか戸惑ってしまったが、もちろん購入しました。晴れてブライアンが完成させ、その後「SMILE」 ツアーも行われたのだから「長生きしてよかった」である。 私は何度も何度も感動して泣きました。もちろん、日本公演にも出かけました。ありがとうブライアン!!

そして、古巣のキャピタル・レコードに戻っての新譜「ラッキー・オールド・サン(DVD付)」にも驚かされました。 彼の才能は枯れることがないようです。
ISLEY meets Bacharach / Burt Bacharach & Donald Islye


2004年作品
アイズリー・ブラザースのロナルド・アイズリーとバート・バカラックが共同制作したのが このアルバム、タイトルも二人の名前が入っていてジャケットに、Produced,Arranged, Conducted By Burt Bacharachと入っているバカラックの力作です。
バカラックの 名曲を美しく歌い上げるのがあのアイズリーです。悪いわけがありません。どっぷりと癒され 美しい音楽を体に浸透させて下さい。

1. Alfie  2. Raindrops Keep Falling on My Head
3. In Between the Heartaches  4. Make It Easy on Yourself
5. House Is Not a Home  6. Look of Love
7. Count on Me  8. This Guy's in Love With You
9. (They Long to Be) Close to You  10. Anyone Who Had a Heart
11. Love's (Still) The Answer  12. Here I Am
13. Windows of the World


2005年にリリースされたバカラックのオリジナル・ソロ・アルバム「At This Time」は、 なんと28年ぶりのソロです。
バカラック77歳、聴くのに勇気が必要でしたが全く心配ありませんでした。 どこを切ってもバカラック・サウンドが聴けます。ループを使ったサウンドもクールでした。 94年頃からのバカラック再評価の気運の中、97年のマッコイ・ターナー、98年エルビス・コステロ 等々数多くのアーティストとのコラボレション、オースティン・パワーズの出演、98年の「One Amazing Night」 と題されたニューヨークでのバカラックのトレビュート・ライブとその活動は年齢を感じさせないものでした。 体大切に、いつまでもお元気でいい音楽を届けてください。2007年には来日公演も 実現してくれましたね。


2001年にリリースされた「Sweet Melodies」は、2枚組50曲入りのベスト・アルバム。
これを聴けばバカラックのキャリアが手っ取り早く聴くことができるありがたいアルバムです。
Prince / MUSICOLOGY
2004年作品
ワーナーからコロンビアに移籍して第一弾。
ファンク・ナンバーからジャージなナンバー、ゴスペル、プリンスしか作れないポップ・チューン、 様々な曲が湧き出てくる。クレジットを見ると「all instruments and voices PRINCE」 の曲が多い、シンプルなアンサンブルだがそれぞれの楽器がグルーヴを作り出している。 正に天才の仕事!ギターは勿論、キーボード、ドラムも素晴らしく気持ちいい。
他のミュージシャンは、SAXのCANDY、Meceo Parker、ドラムスのJohn Blackwell、 ベースのRhonda Smith、キーボードのRenato Netoが参加し丁寧創りこまれている。 「Rainbow Children」の流れのミュージシャンで皆さん腕利きのミュージシャンです。
全ての音楽ファンにお勧めできるプリンスの名盤です。
Richard Bona / tiki
2005年作品
リチャード・ボナの良いアルバムです。

Donald Fagen / Morph The Cat
2006年作品
スティーリー・ダンがリユニオンツアーを始めたのが93年で2000年に再結成後初めてのオリジナルアルバム 「two against nature」をリリース、その後も数多くのツアーを行い精力的に活動してきた彼らは、 2003年に9枚目のオリジナルアルバム「everything musut go」をリリース、そして、世界ツアーを行い疲れをしらない 活躍をしている。
そして、このフェイゲンのソロアルバムですが、スティーリーダン復活から13年の歳月で完全に現場感覚も取り戻し 絶好調状態でレコーディングが行なわれたと思える名盤です。本当にどんどん良くなってゆくドナルド・フェイゲンの 3枚目のソロ・アルバムは、スティーリー・ダンのツアー・バンドとの息の合った演奏を聴かせます。
このアルバムは、ウォルター・ベッカーもプロデューサーのゲイリー・カッツ、エンジニアのロジャー・二コルズもいません。 (エンジニアのElliott Schinerは継続しています)誰からの助言も必要なくなったドナルド・フェイゲンが、伸び伸びと 楽しみながら制作したことが窺われます。
このアルバムから参加のベースのフレディ・ワシントンは、現在のクルセイダーズとの活動で知られた人ですがフェイゲンの 目にとまったようでその後のスティーリーダンのツアーにも同行することになります。ドラムスのキース・カーロックと強力な リズムセクションを聴かせます。他のメンバーは、リユニオン後のツアー、レコーディングを通じて選りすぐられたメンバーで 、ブライアン・ウィルソンの現在のバックメンバーが深くブライアンの作り出す音に精通し愛しているように、スティーリーダン 及びフェイゲンの作り出す音楽を深く理解しているメンバーである。
そんなメンバーたちと初めてのソロ・ツアーもアメリカ 国内で行ったフェイゲンは本当に精力的な活動を続けています。
このジャージでファンキーでクールなサウンドを作れるのは、世界で1人、現在のドナルド・フェイゲンです。

1. Morph the Cat  2. H Gang  3. What I Do  4. Brite Nitegown
5. The Great Pagoda of Funn  6. Security Joan
7. The Night Belongs To Mona  8. Mary Shut the Garden Door
9. Morph the Cat (Reprise)
JAMIE CULLUM / CATCHING TALES
2006年作品
2004年のファースト「Twenty Something」から2年、映画「ブリジット・ジョーンズの日記」の主題歌 「エヴァーラスティング・ラヴ」も大ヒットし2005年グラミー賞のジャズ・ヴォーカルにもノミネートされ アルバムも250万枚のセールスを記録とラッキーなスタートで注目される中のリリースである。

彼は、1979年英国 エセックス州生まれの27歳 オスカー・ピーターソン、マイルス、エバンスなどのジャズ、 ニールヴァーナ、U2、ジミヘン、スティーリー・ダンなどを聴いて育ったようです。

ライナーノーツを読んだら2003年にユニヴァーサル・ミュージックと100万ポンド(約2億円)で契約を交わした そうです。

Corinne Bailey Rae / Corinne Bailey Rae
2006年作品
Feb 26, 1979 イギリスのリード生まれのコリーヌ・ベイリー・レイのデビュー・アルバム
初めてFMから「プット・ユア・レコーズ・オン 」が流れてきた彼女の声を聴いてリッキー・リー・ジョーンズを思い出した。
サウンドは、アコースティックでジャジ―でポップでソウルフル。
歌いあげるソウルでなく、ソフトでスィートなソウルで、押しつけがましくない曲とアレンジがやさしく耳に心地よいです。
「レコードをかけて、お気に入りを曲を教えて?それでいいの髪をおろし、色あせたジーンズにサファイア 夢を持ったまま・・・」と ここち良いグルーヴのリズムにポップなサビのメロディーをソウルフルにコリーヌが歌ってくれます。あ〜気持ちいいです。
Herbie Hancock / River: The Joni Letters
2007年作品
第50回 2008 グラミー賞』年間最優秀アルバム賞受賞
第50回 2008 グラミー賞』最優秀コンテンポリー・ジャズ・アルバム 賞受賞
の素晴らしいアルバム、ジョニ・ミッチェルもブランクから復活され声を聞かせてくれます。 そのほか、ノラ・ジョーンズ、ティナ・ターナー、レナード・コーエンなど豪華ゲストが歌っている ジョニへのトリビュート・アルバムです。もちろん全曲でピアノを弾いているハービーのピアノの 音が本当に美しく心に染みます。素晴らしいアルバムです。
プロデュースは、ラリー・クラインです。
1. Court and Spark  2. Edith and the Kingpin  3. Both Sides Now
4. River  5. Sweet Bird  6. Tea Leaf Prophecy (Lay Down Your Arms)
7. Solitude  8. Amelia  9. Nefertiti  10. Jungle Line
Arether Franklin / Rare & Unreleased Recordings from the Golden Reign of the Queen of Soul
2007年作品。
アトランタ・レコード時代のボックス・セットのベスト「Queen of Soul」(92年)は、4枚組86曲。彼女の 最も輝いていたアトランタ時代(24歳から37歳まで)のベストだった。このボックス発売時にレア・ トラックのボーナス・トラックのリリースも期待されたが、その時点ではお蔵から出なかった。
そのお蔵入りの曲がなんと2枚組35曲でリリースされたのがこのアルバムです。
クィーン・オブ・ソウル アレサの奇跡のレア・トラックス・アルバム。
67年から73年までのリリースアルバム8アルバムのセッションから未発表デモ、アウト・テイクス、シングルBサイド をオリジナル・プロデューサー、ジェリー・ウェクスラー自らが発掘・選曲した感動的なアルバムです。
数多く良質なレア・アルバムのリリースをしているライノレーベルに改めて感謝します。そして、ジェリー・ウェクスラー、 トム・ダウト、故アディフ・マーティンにも感謝です。

Steve Winwood / About Time
2008年作品
大手レコード会社からフリーになって好きなメンバーと好きな音楽を自由にプレーしている、カッコいい!スティーブです。
メンバーはドラムスとギター、本人の弾くハモンド・オルガン(ハモンドのペダルでベースもプレー)です。
ラテン・ミュージックにスティーブのソウルフルなボーカルがシャウトします。
神童で天才の復活アルバム 

Jose James / The Dreamer
2008年作品
1980年代にアシッド・ジャズのムーブメントを広めた米ミネアポリス出身、現在はニューヨークで暮らす DJでプロデューサーのジャイルス・ピーターソンがニューヨークで発見したのが、このホセ・ジェイムズ(29歳)だ。

彼はインタビューで「ジョン・コルトレーンを聴いたことがきっかけで、ジャズに取り組んでみようと思ったんだ。 チャーリー・パーカーやビリー・ホリデーなどと同様に、とてもスピリチュアルなところに惹かれたんだ。それが17歳の頃だね」 と言っている。
彼のヴォーカルは、ソウルフルで有ると共に暖かく官能的でウェットです。バックの演奏は、エレピ(またはピアノ)、 ウッド・ベース、E・ギター、ドラムスでシンプルだがグルーヴのあるジャージーな演奏を聴かせてくれる。

1曲目はエレピのイントロからホセのヴォーカルが流れだしdrum & bassのリズムが乗ってきます、そして静かに漂うようにホセの ヴォーカルがメロディーを歌い、ベースがグルーヴします。2曲目は多重録音でホセのコーラスが気持ちよく流れる中、その後ろで この曲だけ参加している大御所のジュニア・マンスのピアノがブルージーにスイングします。そして、3曲目は、アート・ブレイキー の名曲「モーニン」のカヴァーでホセは、ご機嫌なスキャットを聴かせます。
ピアノのクレジットに、Nori Ochiai という日本人の名前があったが詳しいことはわかりません。
Smooth Reunion / Cleaning Up The Business
2009年作品
ギター、ベース、キーボード、ヴォーカルのジョセフ・メリン(87年生まれ)と、ドラム、パーカッション、 ヴォーカルのサミュエル・アンドレ(86年生まれ)の2人のスウェーデンのユニット。
毎日聴いています。
彼らの好きなミュージシャンは、マイルス、コルトレーン、スティーリー・ダン、プリンス、クルセイダーズ、 ハービー・ハンコック、ウェイン・ショーターなど。

スティーリー・ダンをお好きな方はチェックですよ。
Sophie Milman / Take Love Easy
2009年作品
このアルバムで3枚目のソフィー・ミルマン、ジャケット写真のイメージが前2枚と随分違いますが、この アルバム 良いです。 ジャズでは定番の、コール・ポーター、エリントン、他、スプリングスティーン、 ポール・サイモン、ジョニ・ミッチェル、ジョビンらの曲をジャージーなアレンジで聴かせてくれます。
バックのミュージシャン、録音も最高のカナダ出身の彼女の最高傑作ですね。
アイドルみたいなジャケットは、???ですが。ご愛嬌ということで。
愛聴盤です。
Melody Gardot / My One And Only Thrill
2009年作品
メロディー・ガードーの2枚目 1曲目 美しいストリングスで始まり、ガッドギターのリズムで 歌が始まります。彼女は、ジャズボーカリストなんだけど1曲以外、彼女のオリジナル、ギター、 ピアノもプレーしています。
すごく完成されたサウンドという感じを受けるのは、プロデュースがあのジョニ・ミッチェルの プロデューサーで有名なラリー・クラインで、エンジニアが、アル・シュミットだから?
カリウタのドラム、クラインのベース、ブラス他 曲のアレンジ 聴きどころいっぱいです。
Tatsro Yamashita / Ray Of Hope

2011年作品

大震災の後にリリースを延期して発売された「Ray Of Hope」は、私たちに希望を与えてくれました。
リリース後の長いツアーとシネコンでのライブ映像の上映、そして3枚組のベスト盤のリリース、来年は 還暦ライブ・ツアーを行うと・・・本当に精力的に活動されている姿に勇気を頂いています。
私もチケットを購入できライブに出かけましたが、相変わらず休憩なしの3時間を超える完璧な ライブ・パフォーマンス(完璧なバンド・アンサンブル、達朗さんの声(アイアン・スロート)が今まで以上に出てました、 冴えわたるテレキャスのカッテング、佐橋さんとのギターバトル等々見どころ、聴きどころ満載)で感動させていただきました。
この「Ray Of Hope」では、Pro-Tool他デジタル・テクノロジーを消化して達朗さんの音に厚みがある、あのサウンドが戻ってきました。
1曲目の希望という名の光(Prelude)のコーラスを聴いて「あ〜これだ〜」と幸せな気持ちになります。 映画のエンド・ロールに流れて感動を盛り上げた曲、「希望という名の光」「僕らの夏の夢」他名曲たちが 素晴らしいアレンジで聴けます。



レーベルを超え、35年のソロ活動の究極のベスト・セレクション。
達朗さん選曲で、全曲リマスター、全49曲。

これからもお元気で、ご活躍祈っています。
Tower Of Power / Hipper Than Hip (Yesterday Today & Tomorrow)
2013年作品
1974年 あの名盤「Back To Oakland」のリリース直後、彼らの絶頂期のスタジオ・ライブが蔵出しされた。
音源は、ロングアイランドのFMステーションで、実際オンエアーされた音源のようです。
デイヴィッド・ガリバルディ (ds)とフランシス“ロッコ”プレスティア(b)の最強リズムセクション(変拍子ビシバシ決めまくります)に厚いホーンが絡みます。
山下家の達郎さんがFM番組の「サンデー・ソング・ブック」で「あまりにも凄いので夜中まで聴いてしまいました」とコメントし数曲紹介されていました。
ブルーノートとかに最近でも来日されているのでチャンスがあれば行きたいな〜と思いながら聴いています。

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