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以前の「ひとこと」 : 2002年2月前半



2月1日(金) 点字の研究

 ちょっと点字を勉強してみると、たとえば公衆電話や駅の券売機、エレベータや階段などの点字の表示が気になるようになります。(ついでに、歩道等の視覚障害者の方向けの凹凸のあるブロックなども気になります。) まあそういう固定されたものの場合、少なくとも点字を読む「向き」というのは問題にはならないでしょうが、私が気になるのは、何かの商品のパッケージなどに添付されている点字です。 点字というのは、ひらがなやカタカナや漢字などの文字とは違って、上下を逆さにしてみても文字列として成立してしまいそうに見えます。 たとえば缶飲料などに点字で「おさけ」と書かれているものがありますが、あれを上下を反対にして読むと「まきを」となります。

 そこで、純粋に文字の表記体系という観点からいろいろ疑問が湧いてきます。例えば、

  • 上下反転しても同じパターンになる、意味のある点字による文字列にはどんなものがあるか
  • 上下反転してもそれぞれ日本語として成立しているような単語にはどんなものがあるか
  • 上下反転したら、日本語の意味としても対義語になるような単語はあるか
  • などです。 で、こういうことを考えるのに、実際に思いついた言葉をすぐに点字のパターンにして眺めてみたいと思ったのです。そこで昨日ちょっとご紹介した「点字パターン生成プログラム」を作って、いろいろ試してみました。

     とりあえず、入力されたカナ文字列をそのまま点字パターンとして表示するプログラムと、点字パターン全体を180度回転したパターンを表示するプログラムを作って、上下反転しても同じパターンになる言葉をちょっと探してみました。いくつかご紹介します。

    しかし
    ●−
    ●●
    −●
      ●−
    −−
    −●
      ●−
    ●●
    −●
     
    えん
    ●●
    ●−
    −−
      −−
    −●
    ●●
     
    はかく(破格)
    ●−
    −−
    ●●
      ●−
    −−
    −●
      ●●
    −−
    −●
     
    こまった こげた (困った焦げた)
    −●
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    −●
    ●−

     まだまだいろいろあります。 最初の「しかし」は、「し」も「か」もそれぞれ単独で対称なパターンの文字ですから、ひらがな列としても後ろから読んでも同じになりますが、それ以降の例では複数の記号がまとまってはじめて対称性が出てきます。

     点字は6点ですから、空白も含めて64パターンしか表現できません。そのため、基本的には50音を1文字で表し、濁音(がぎくげご等)や半濁音(ぱぴぷぺぽ)、拗音(きゃきゅきょ等)などは複数文字で表しています。50音として64パターンを全て使っているわけではないため、天地を逆転すると50音表に出てこない文字になってしまうものがあります。(たとえば「あいうえお」や「らりるれろ」などがそうです。) さらに、濁音や撥音等の記号を反転した場合、本来濁点がつかない文字に濁点がつくような表記になってしまったりするようなことも起ってきます。 そのため、適当な点字表現を持ってきて、それを上下を反転して読んでしまったときに正しい点字表現になっている可能性はそれほど高くありません。さらに日本語として意味のある単語になる確率はもっと低いです。

    ○ ○ ○

     普通の学校で、みんなが点字を学ぶようにしたらどうだろうか、と思います。例えば日本語を音として表記するのに何文字必要か、とか、6点式の点字では原理的に何文字まで表記できるのか、といった観点からは数学や情報(コンピュータ)の基本的な発想を学べますし、自分の名前を点字で表記しておいて、触ってみるだけで自分の持ち物が確認できたりしたら楽しいと思うのです。 また、何よりもハンディキャップを持つ人の立場になって考えてみるという経験は重要だと思います。

     <おまけのひとこと>
     …というような話を家族としていたら、「手話は小学校や保育園でちょっとやるよ」と言われました。確かに点字は小学生くらいでは難しいかもしれません。 手話ならば単語が何か意味のあるアクションとして定義されていますから1つ1つが面白いですが、点字の場合は抽象性が高いため、敷居が高いでしょう。 私としては、全部で十数パターン(母音と子音と記号)を覚えれば何でも読める点字の方が、覚える苦労がなくてずっと好みに合います。語学が苦手な人間の発想ですねこれは。



    2月2日(土) ダイモ

     点字について調べていたら、ダイモ点字テープライターというページがありました。 最近では、テプラとかネームランドとか、昔のワードプロセッサの小型版といったタイプのラベル作成機があるので、このダイモというテープライタはあまりみかけなくなりました。

     昔、私の家にもこのダイモがありました。ひらがな、カタカナ、アルファベットの文字盤を差し替えて、テープに直接文字の型を押し付けて浮き出し文字が作れる、とても楽しいものでした。 子供にとってはかなり力が必要で大変でしたが、それでも文字が打てたりカッターで切れたりする仕掛けがとても面白かった記憶があります。 このくらいシンプルな機械だと、動作原理が理解できるのでいいですね。

     こんなページを見ると、一応今でも入手可能のようなのですが、3年ほど前に日本支社が撤退してしまったのだそうで、今は安定した供給が望めないのだそうです。(上記のページのダイモこぼれ話より。)

     <おまけのひとこと>
     点字の打てるダイモが欲しくなってしまいました。



    2月3日(日) あやつり人形

    ルーウィという名前のパペット  この週末は、昨年の暮れの大掃除で先送りしていた「地下室の整理整頓」をしています。 (今やっておかないと、地下室の奥深く眠っている雛人形を出せないのです。) 片付けていたら、すっかり忘れていたものがいろいろ出てきたのですが、その中に何年も前に購入しておいたあやつり人形「ルーウィ」を見つけたので、子供たちに出してやりました(右の写真)。

     この写真では大きさがわかりませんが、身の丈は1メートルくらいあります。写真の右上にちらっと見えているのが、あやつるための糸がつながっている持ち手の部分です。

     このルーウィは二本足で、あやつるための糸は両足の先と頭とおしりの4箇所についています。手や羽根のようなものはありません。二本足というところはダチョウのような鳥の仲間かとも思われるのですが、「足がうろこじゃなくてやわらかい毛に覆われているし、くちばしも無いし、べろ(舌)を出しているし、鳥じゃないよ」というのがうちの子の意見です。

     首も足もひょろっと細長くて、簡単な操作でとても自然な動きをします。この写真でみると何だかよくわかりませんが、動きがとても自然で動作がかわいいです。 この写真で見ると、「かわいい」なんていう言葉とはほど遠い生き物に見えると思いますが、動きの自然さが、例えばTV番組の「セサミストリート」などに出てくるようなパペット(あやつり人形)などと比較して、明らかに1ランク上という感じです。

     ただし大きさが大きいのと、あやつるために丈夫なナイロンの糸がついているため、小さな子供の手には余るオモチャです。 万一糸が子供の首にでも絡んだりしたら大変な事になります。そのため、「8歳以上。大人が必ず監督すること。」という注意書きがついています。

     この「ルーウィ」ですが、5〜6年前の東京おもちゃショーで輸入代理店のブースで10体くらいが並んで踊っていたのを見たのがとても強く印象に残っています。十字架型の棒の4つの先端に4本の糸がついているだけの簡単な構造なのに、とてもリアルな動きをしていて感動しました。 そのため、それからしばらくして実際に店頭で見かけたときにはすぐに購入してしまいました。色は赤とか青とかいろいろ派手なものがありましたが、一番シンプルな白を選びました。値段は確か2,800円くらいだったように思います。

     実は、この「ルーウィ」という名前も含めて、この製品に関する記憶はとてもあいまいです。ここで紹介するにあたって、Webで検索をかけてみたのですが、全然みつかりません。 何かご存知の方がいらしたら、教えていただけたらと思います。

     <おまけのひとこと>
     で結局地下室の片付けは終わっていません。



    2月4日(月) あやとり
    あやとりのイラスト

     子供があやとりをやっていたので、いくつか教えてやりました。 私が愛用しているあやとりのテキストは、位相幾何学で有名な野口広先生の「あやとり」(河出書房新社/\680/166p./1973.12.30初版)という本です。 この本は基本的には大人向けの本で、あやとりをとる手順を説明する文章が、全てできるだけ数学的に厳密になるように記載されています。 本の最初でまず糸の位置を説明する言葉を定義しています。5本の指の名前と、「手前の糸」と「向こうの糸」という呼び方の定義、手の甲の側と手のひらの側という呼び方の定義、同じ指に2つの糸がかかっている場合には上(=指先)側と下(=根元)側という呼び方をするということ、等々です。 また、イラストは一切使わずに、とりかたの各ステップごとに写真を用いています。

     例えば右の図は、日本では広く「さかずき」という名前で知られているあやとりです。世界各地で知られているあやとりだそうで、ニューカレドニアでは「腕木つきカヌー」、カナダの原住民は「毛皮干し」と呼んでいるそうです。ちなみに私は子供の頃に祖母から「箱枕」という名前でこのあやとりを教わりました。 (「箱枕」から親指をはずして糸を垂らして「エプロン」、そこからさらに左右に手を広げて、エプロンの輪を徐々に絞って小さくして「電球」、そして最後に2本の糸がピンと張っただけの状態になって「天秤棒」 という変化を教わりました。)

     このあやとりの取り方を説明した文書を上記の野口先生の本から引用します。

  • Aの構え。
  • 両手の親指をまげて手前より数えて2本の糸の上におき、背で次の糸(人差し指の向こうの糸)をとり、もどす。
  • 親指の下の輪を、上の輪を越えて外から内側へはずす。
  • 小指の輪をはずし、広げる。これで「腕木つきカヌー」のできあがり。
  • 手を向こう側へ倒して裏から見れば「さかずき」となる。
  •  あやとりというのも基本的に3次元の操作になりますから、目の前で実際に操作しながら教わるとわかりやすいのですが、本で学ぼうとするとなかなか大変です。 あやとりのとり方を記述する「あやとり記述言語」もしくは「あやとり記録方式」のよいものはないのかな、と思っています。

     <おまけのひとこと>
     あやとりのできるロボットがあったらすごいなと思います。



    2月5日(火) 雪の結晶

     Snow Crystals(雪の結晶)というサイトをみつけました。 とても美しい雪の結晶の写真がたくさん載っていて、思わず見とれてしまいます。Webでみつけた写真で、印刷してみたいと思うものはほとんどないのですが、この雪の結晶の写真は印刷してもいいかなと思うほどすばらしいです。

     雪の結晶といえば、中谷宇吉郎博士を思い出します。上記のページにももちろん紹介されています。ちょっと検索してみたら中谷宇吉郎 雪の科学館というページをみつけました。こんな施設があるのですね。行ってみたいです。

     中谷宇吉郎博士は東大の物理出身で、あの寺田寅彦からも学んだのだそうです。「雪は天から送られた手紙である」というフレーズが大変有名です。このフレーズを元に書かれた私と二度目に出会う「水」というエッセイを先日紹介しました。このエッセイの中で、人間の身体を構成する水の量を見積もって、その分子の総数を概算する計算が出てきます。

     この計算を読んで、昔学校で受けた試験問題を思い出しました。人間の身体を構成するタンパク質等の高分子の寿命をおおざっぱに見積もってモデル化し、人間の身体を構成する分子がどのくらいの周期で入れ替わっているかを計算せよ、というものでした。適当な数字をいくつも仮定してせっせと計算しながら、自分の体を構成する分子は意外とはやく「総入れ替え」されているんだな、と思った記憶があります。

     <おまけのひとこと>
     今朝は、今利用しているインターネットサービスプロバイダが工事のためサービスを停止していました。いつもだと工事が終了するとそのままネットワークが使えるのですが、今回はルータを再設定しないとネットワークに繋げず、苦労しました。



    2月6日(水) レイ・トレーシング

     レイ・トレーシング(ray tracing)というコンピュータグラフィックスの技法があります。たとえばこんなページに簡潔に説明されていますが、簡単に言うと目に入ってくる光の軌跡を逆にたどることによって、その座標の輝度や色を計算してしまおうという手法です。

     こういった3次元のコンピュータグラフィックス(CG:Computer Graphics)を作ろうとすると、専用の高価なソフトウェアが必要なのが普通ですが、この世界にも大変ありがたいことにフリーソフトがあります。私が知っているのはPOV-Rayといって、多くの方に利用されています(ポブ・レイと発音するんでしょうか)。日本でも愛好者が多いようで、POV-Ray というキーワードで検索をかけてみると、たくさんのページが出てきます。 中には大学の建築学科などで利用している例もありました。

     さらにいろいろ調べてみると、ブロック玩具のLEGOをコンピュータの中で組み立てて、それを3Dグラフィックスにすることができる環境を揃えることができます。 ただし、LEGOを組み立てるソフト、それを上記のPOV-Rayで扱える形式に変換するソフト、そしてPOV-Rayが必要です。さらに、LEGOの膨大な種類のブロックの3次元形状のデータベースが必要で、環境を揃えるのにはお金はかからないかわりにある程度の知識が必要です。

    LEGOのCAD LEGOのレイ・トレーシング
    図 1 図 2

     図1はコンピュータの中で LEGO のブロックを組み立てるソフトの画面の様子です。新たに付け加えるブロックの形と色を選択して、それをどこに追加するかをマウスで指定すると、どんどんブロックを積み上げる事が出来ます。このデータを保存して、POV-Ray の形式に変換するプログラムで処理し、それを POV-Ray で読み込んで処理させたのが図2です。ちゃんと影がついたり、床に映り込みが見えたりして、かなりリアルになっているのがわかるかと思います。

     調べてみると、こんなページでLEGOの3Dグラフィックスを作成するソフトウェアのインストール方法などを紹介しているのをみつけました。私が上の図のCGを作った時に集めたソフトとは違う LEGO組み立てソフトを使っているようですが、基本的にはできることは同じだと思います。ここの3D-CG 作品というページにはすばらしいLEGOの作品がたくさん展示してあります。お勧めです。

     <おまけのひとこと>
     ものすごく楽しそうなんですけれども、とても時間がかかりそうです。



    2月7日(木) レイ・トレーシング(その2)

    直交した中空管の共通部分 直交した中空管の共通部分の断面
    図 1 図 2
     昨日、POV-Ray で作った LEGO の3Dグラフィックスを紹介しましたが、久々に POV-Ray を起動して動かし始めたら楽しくていろいろ作ってしまいました。 使っているPCの性能が以前よりかなり速くなっているため(といってもクロックが400MHzくらいの遅いパソコンですが)、描画の待ち時間(計算時間)がだいぶ短縮されているのが感動的でした。こういうことをやってみると、パソコンもまだまだ速くなって欲しいと思います。

     POV-Ray の復習もかねて、凹面鏡・凸面鏡・凹レンズ・凸レンズなどを一通り作ってみたあとで、なにか簡単に定義できるおもしろいものを、と思って作ってみたのが右の図です。

     これは何かというと、水道管か何かのような中空円柱が2本直交したときに、その2本の管の共通部分だけを残したものです。管の外径と内径の比は5:4です。図1が共通部分の全体、図2がその下半分です。切り口は4つの小さな正方形になります。

     高校の数学の積分で、こんな形の体積を求めよ、という問題をよくみかけますが、実際にこの形を「見た」ことがある人は少ないのではないかと思います。 この例は内径も外径も全く同じ2本が完全に直交している場合ですが、では交叉する角度が変わったり、中心軸が直交ではなくねじれの関係になったり、あるいは2本の内径や外径がそれぞれ変化していったりしたらどうなるでしょうか。

     そういうものが簡単に作れてしまうところがCGの面白いところです。

     <おまけのひとこと>
     CGはある程度画素数が大きくないと、その精緻な美しさが表現できないように思います。また、JPEGなどで圧縮してしまうと、(圧縮率にも依存しますが)CGらしいシャープさがなくなってしまいます。今日の2枚の画像も、本来のサイズですともっとずっときれいです。ところが、大きくて精緻な画像をWebで公開しようとすると、サーバのディスクスペースを圧迫します。ましてやアニメーションになるとさらにファイルサイズが大きくなってしまいます。
     …などということをやって睡眠時間を削っていたら、風邪をひいてしまいました。明日(2/8)の更新は難しそうです。



    2月8日(金) 工事

     昔はどこのオフィスでも、使っている電気機器は照明器具と電卓くらいなものでした。ところが、みんながパソコンを何台も使うような環境になってくると、建物やフロアの電力容量が小さくて困る、ということがよく起こります。私が仕事をしている建物もかなり古いためでしょうか、今度新しく電力供給施設を設置する工事をすることになりました。

     工事は、建物の端にある、昔ダストシュートとして使っていたらしい空洞を利用して行うのだそうです。たまたま私のフロアでは、工事をする部屋はサーバルームとして利用しています。そのためサーバルーム内の計算機を停止して移動して部屋の壁1面を工事のためにあける作業を今日みんなでやりました。

     心配なのは工事の際に発生する塵や埃です。当然ビニールカーテンのようなものでしっかり仕切ってもらうそうなのですが、工事の説明を受けたうちのメンバーが、工事の責任者に「計算機は埃に弱いので心配なのですが大丈夫でしょうか」と尋ねたそうです。すると

     大丈夫ですよ、埃が立たないようにいつも水をかけて施工しますから

    と言われて仰天したそうです。 もちろん、水のほうが埃よりももっと困ります。

     <おまけのひとこと>
     やはり2/8には更新が出来ませんでした。これは9日に書いています。



    2月9日(土) 万華鏡

     レイ・トレーシングをやる人ならばきっとやったことのある人はたくさんいるだろうと思うのですが、万華鏡を作ってみました。

    カレイドスコープ(27KB)

     とりあえずは簡単に鏡を正三角形になるように配置して鏡筒を作り、底面は白にしてその中を照らすように光源を配置し、底面の上の鏡筒の中にいろいろな色の金属球を4つ配置してみました。中に入れるものをいろいろ変えると、パターンが様々に変化して楽しいです。また、鏡の配置を他の形の三角形や多角形などに変えると、いろいろ面白いパターンができます。

     さらに、2次元ではなく3次元的に鏡を配置して、3次元的に周期的なパターンを生成することもできます。 以前、立方体の箱の内面6面に鏡を張って内部に光源を入れ、小さなのぞき穴からのぞくと3組の合わせ鏡によって無限に広い空間が見える、というものを見たことがあります。

     <おまけのひとこと>
     こんなニュースを読みました。降雪観測データって、こんな風に一般の篤志に依存していたなんて知りませんでした。 こんな測定をしている方々は、どんな想いで毎日毎日、何年も何十年も測定をされているんでしょうか。



    2月10日(日) レゴブロック
    LEGOブロックを上から見たところ LEGOブロックを下から見たところ

     レイ・トレーシングソフトでは、全ての物体(オブジェクト)を球や円柱や円錐や直方体といった基本的な幾何学図形の組み合わせとして扱います。例えば、右の図はブロックをお持ちの方なら一番部品点数が多いのではないかと思われる「2x4」のブロックです。これは一見単なる直方体の上に、小さな円柱8個を載せてあるだけのように思えます。しかしそれでは角が鋭すぎたりするため、円柱の一部分を組み合わせて「面取り」をしてあったりします。

     さらには、通常の組み方では見る機会のない裏側に関しても、きっちりモデル化されています。若干パーツが肉厚のような気もしますが、裏から見てもとてもリアルです。

     LEGOにはこういったパーツが何千種類もあるのですが、それらはみんなこのように3次元モデルとしてパラメータ化されています。これらの膨大なデータが、すべてフリーで公開されているというところが驚きです。

     <おまけのひとこと>
     トミーのディジタルプラレールという市販のソフトウェアがあります。プラレールをコンピュータの中で組み立てて、その線路の上にプラレールを走らせるというソフトです。 こういうソフトウェアを一般の店頭で販売しようとすると、在庫の管理が大変で結局なかなか入手できないということになります。



    2月11日(月) 点字表記法

     図書館で、「日本点字表記法 2001年度版」(日本点字委員会 編集・発行 ISBN4-86055-000-5 1,200円+税)という本を借りてきました。 カナや数字、アルファベット程度を覚えた程度というのは、点字のほんの入り口に過ぎないということがよくわかりました。

     例えば様々な書式のある文書、いろいろな表とか、領収書のようなものとか、あるいは戯曲のようなものとか、引用や注釈とか、これを全て限られた点の配置だけで表現するというのは大変なことだと思いました。

     また、様々な分野で用いられる記号や単位なども、当たり前ですがちゃんと定義されていて感心しました。

     <おまけのひとこと>
     古文や漢文に関しても点字って定義されているのですね。



    2月12日(火) 「ITは人間を賢くするか」

     同じく図書館で「ITは人間を賢くするか」(東倉洋一著 ダイヤモンド社 2001年9月初版 ISBN4-478-88013-1 1,400円+税)を借りました。副題として “デジタル時代を考えるヒント” と題され、IT(情報技術)が私達の物の考え方に与える影響について、様々なアイディアを語っている本です。とても面白く読みました。

     この本に出てきた統計から1つご紹介します。英語は、現実の世界での言語人口ランキングでは2位で、8.5%なんだそうです。ところが、インターネットの世界では、76.6%のページが英語なんだそうです。ちなみにインターネットの世界で用いられている言語の第2位は日本語なんだそうですが、その比率はわずか2.8%なんだそうです。

     <おまけのひとこと>
     最近は本屋さんに行っても、雑誌と漫画本しか置いてなかったりして、あまり本屋さんに行かなくなりました。



    2月13日(水) 立方体群
    一見不可能に見える立方体群 結び目

     ある方から、やさしい不可能な立体の作り方というページを教えていただきました。このページは、確か以前一度見たことがあったような気がしたのですが、その存在をすっかり忘れていたため、とてもありがたい情報でした。

     上記のページの第3章として、3.不可能な立方体群というページがあります。ここに出ている、一見不可能に見える立方体群を3次元CGで作ってみました。これはもちろん不可能でもなんでもありません。普通に3次元の立体です。

     ついでに、一応この「あそびをせんとや」のトレードマークのつもりの「結び目」のパターンもCGにしてみました。

     <おまけのひとこと>
     基本的にコンピュータの中の仮想であるCGよりも実体のある模型の方が好きなんですが、最近はすっかり3次元CGにはまっています。模型を作るよりずっと手軽ですし、何よりも模型とちがって場所をとらないのがいいです。



    2月14日(木) H.Hamanaka's HomePage

     ここ一週間ほど、何度も3次元コンピュータグラフィックスの画像をご紹介しておりますが、これは実はこちらのH.Hamanaka's HomePageというページに触発されて作っているものです。このページの CG,CGA,画像のページを見せていただいて、自分がしばらく前にPOV-Rayを使って遊んでいた事を思い出して、ここ数日の自分のページの「ひとこと」を作ってきました。

     こちらのページは、このCGのほかにも数学模型のページなんていうものもあって、楽しくみせていただきました。本当に久しぶりに immersion なんていう用語を目にしました。(部分多様体の埋め込みがimmersion、はめ込みがembedding、でしたっけ?)(追記:これは逆で、埋め込みがembedding、はめ込みがimmersionである、とのご指摘をいただきました。失礼しました。) 模型に使われている用紙が、小学校以来私も愛用している、方眼紙の印刷されたボール紙の「工作用紙」であるところなども親しみを覚えました。こういった図形を3次元グラフィックスで表示するようなものを見たことがありますが、これはやはり模型だろうと思います。

     なお、上記のページのどこかから、H.Hamanaka's very private Home Pageというページにリンクが張られています。こちらのほうにも面白いコンテンツがありますのでリンクを探してみてください。明日にでもそちらへのリンクと、内容の感想を書かせていただこうと思っています。

     なお、私のPCのブラウザ(インターネット=エクスプローラver5.5)は、この private Home Page の方に行くと日本語文字コードを日本語シフトJISだと誤解します。その場合は手動で文字コードを日本語EUCにしてやるとちゃんと読めます。

     <おまけのひとこと>
     多様体に関しては、確か大学進学直後に自由選択のゼミを無謀にも受講したのですが、連続の概念や集合の概念や線形代数の基本的な概念等が決定的に不足していて、所詮理解できませんでした。 後に解析や線形代数をそれなりにやってから当時のノートを見ると、ああこういうことだったのかと少しわかった気になりました。



    2月15日(金) H.Hamanaka's Private HomePage

    ヒント:アルファベット4文字です

     さて、いきなりですが問題です。上の文字はなんと読むでしょう?

     昨日のひとことで、Hiroaki Hamanaka's Home Pageというページをご紹介しましたが、同じ方が作られているもう1つのページがH.Hamanaka very private Home Pageというところです。 特にお勧めなのが、「過去の表紙」というページで、とても面白いものがいくつも取り上げられています。この浜中さんのページの表紙をご覧になったら、改めて上の図の文字をご覧いただけたらと思います。

     ちなみにこの文字はノートパソコンのスティックポインタで書きました。スティックポインタは好きで、例えば2月4日のひとことのあやとりの手や糸の絵なども全てスティックポインタだけで描いています。でもさすがに今日の文字を書くのは苦労しました。

     <おまけのひとこと>
     昨日のひとことで、「部分多様体の埋め込みがimmersion、はめ込みがembedding、でしたっけ?」と書きましたが、これは逆です、というご指摘を浜中さんご自身からいただきました。 ありがとうございました。このように名称をきちんと覚えていないのは、その概念がちゃんと理解できていないからで、本当にお恥ずかしい限りです。
     そういえば昔学生の頃、の定義と名前をよく混同していたことを思い出しました。



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