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ランダム

 昨年の暮れの大掃除で、テレビ台を新調しました。そうしたら、その上に載せていたペン立てがちっとも似合わなくなったので、どうしたものかといろいろ考えてみました。

 考えてみると、ペン立てというのは本当に様々な素材・色・形のものがあります。また、改めて家の中を探してみると、ペン立てとして使おうと思えばそのように機能させることができるものというのは実にたくさんありました。そもそもそれまで使っていたペン立ても、実はスティックシュガーが入っていたプラスチック製の円筒でした。10年前の引越しの時に、とりあえず手近にあったので仮のペン立てにしたら、それっきりなんとなく使いつづけてきたものです。

 で、お掃除や整理整頓やお料理で忙しいはずの時間に、整理整頓作業をしているようなふりをしつつペン立てに使ってよさそうなもので新しいテレビ台に置いて変ではないものをせっせと探していると、「ブロックで作ればよいのではないか」というアイディアが浮かびました。

 とりあえずうちにあるブロックでペン立ての材料に使えそうなものというと、LEGOブロックかLaQ(ラキュー)というブロックがありました。 ところが、どちらで作ってみてもあまりピンと来るものが作れません。単色で作るにはパーツが少ないし、規則的な配色にするといかにもおもちゃっぽくて変です(もともとおもちゃなんですけれども)。使える色や形が極めて制限されているブロックの世界ですから、センスのなさが露呈します。

 そこで、規則性のないパターン、もしくは一見規則的に見えないパターンで作ってみようと思いました。ところがこのほうがさらに難しいということがわかりました。結局暮れの忙しい中で2時間もブロックを組んだりばらしたりした挙句、いまのところLaQで作った規則的なパターンの模様のペン立てを使っています。(出来が悪いので写真は撮ってありません。) ブロックのような、簡単にやりなおしができる素材でランダムなパターンを作るというのはきりがないということがわかりました。

 我が家のささやかな駐車スペースには、インターロッキングを敷いてあります。 インターロッキングというのはよく歩道などで見かけるいろいろな色や形のカラータイルで、コンクリートブロックの1面に着色が施されたものです。 施工してもらうときに、最初にブロックの色と形を選択しました。形は1x2の凹凸のないシンプルな長方形、色は赤系統の3色としました。で、このブロックをどのような模様で敷きましょうかと尋ねられて、「ランダムにしてくれ」と頼みました。

 1x2の、いわゆるドミノ型のピースを規則的に敷き詰める方法というのはたくさんあります。たとえば下の図はそのごく一例です。

1x2のタイル貼りのパターンの例

 さらにこれらのパターンに色づけすることを考えると、それはそれはたくさんのやりかたがあります。しかし毎日見るものですから、いずれのパターンも見飽きるだろうなと思って、規則性のないランダムなパターンにしてもらいました(下図)。

インターロッキングのランダムパターン
インターロッキングのランダムパターン(のつもり)

 この図ではあんまりランダムに見えないかもしれませんが、実際に施工してもらったものは見事に規則性がなく、満足な出来映えでした。

 私達がランダムだと感じるものは、実は規則性が隠されている場合が多いのです。例えば「サイコロを6回振ったつもりになって、出た目のパターンを想像して書いてみてください」と言われたとき、1から6までの数字を1回ずつ使ったパターンを挙げる方が多いのではないでしょうか。しかし、実際にサイコロを6回振ったときに1から6までの数字が1回ずつ現れる確率は、わずか1.5%程度に過ぎません。

 規則的に配置するのは簡単ですが、ランダムに並べるというのはそう簡単ではありません。たとえば1x2のドミノ型ブロックをランダムに敷き詰めるアルゴリズムというのをちょっと考えてみたのですが、本当にデタラメにやっていると1x1のすきまが出来てしまったりして、うまくありません。 方眼紙に手でパターンを描いてみるなり、パソコンのソフトを使うなりして一度やってご覧になることをお勧めします。

 【付記】 ミニチュアのインターロッキングを敷くオモチャというのを何かのカタログで見たことがあります。専用の目の細かい砂をトレーに敷き詰めた上に、1cm×2cmくらいだったかの小さなインターロッキングのタイルを自由に並べていっていろいろなパターンをつくるというもので、とても興味を惹かれました。

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2002.01.04 hhase