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ラビリンス

 紙と鉛筆だけで遊べるゲーム、といったらどんなものを思いつきますか? 昔々、学校に通っていたころには、唯一確実にいつでも手に入る紙と鉛筆という道具で、いろいろ遊んでいたものでした。それも、小学校や中学のころよりも高校や大学のころのほうが、ルールを理解して楽しんで遊んでくれる人が周りにいたため、より高度で面白いゲームが出来て楽しかったものです。

 先日、図書館で『世界のゲーム事典』(松田道弘・編、東京堂出版 1989年)を見ていたら、紙と鉛筆で遊ぶゲームの章に12種類のゲームが紹介されていました。これらを、自分が知っているかどうか、やったことがあるかで分類してみると、次のようになりました。

誰かとやったことのあるゲーム
バトルシップ(Battleship) : 戦艦ゲーム
ヒット・アンド・ブロウ(Hit and Blow) : マスターマインド
ボックス(Boxes) : スクェア(Squares)、フィールドアンドフェンス(Fields and Fence)
虫食いゲーム(The Worm) : スネーク
文献等で知っていたゲーム
スプラウト(Sprouts) : トポロジーのゲーム
コル(Col) : 地図塗り分けゲーム
フットステップ(Footsteps)
クリスタル(Crystals)
知らなかったゲーム
ラビリンス(Labyrinth)
アグレッション(Aggression) : 陣取りゲーム
スクェア・イン・ライン(Squares in Line)
ブラック(Black)

 いずれも、紙と鉛筆だけで遊べるもので、サイコロ等は一切使いません。サイコロ代わりに断面が六角形の鉛筆を転がす、とかいうこともありません。

 この中で、「ラビリンス」というゲームがなかなか面白そうでした。ルールを紹介しておきます。


ラビリンスのルール

ラビリンスのプレイの例
ラビリンス:図1:初期状態
図1:初期状態
ラビリンス:図2:プレイ開始
図2:プレイ開始
ラビリンス:図3:終了
図3:終了

【人数】 2人

【用具】 紙と鉛筆(方眼紙があると少し楽)

【準備】
 各プレーヤーは、図1のように6×6のマス目のゲーム盤を2つ作り、場所を示す1〜6、A〜Fの記号を入れます。2つの盤面の1つ(図の左)は自分が設計して相手をさまよわせる迷路、もう1つは相手の設計した迷路を自分が推理するためのものです。

 まず、迷路を設計します。スタート(S)と目的地(F)を好きな場所に決めて、壁を立てていきます(図の太線)。壁の数が多いほうが複雑な迷路が作れるので、壁の数は例えば20というように決めておきます。作った迷路はスタートから目的地まで、つながっていなければいけません。(目的地やスタートを壁で囲ってしまってはいけない。)

 自分の迷路を作り終わったら、お互いにスタートの場所と目的地の場所を伝えます。図1の例では、自分が作った迷路のスタートはB-5、目的地はE-2です。相手のスタートと目的地はA-6, F-1ですから、それを右側の盤面に書き込みます。

【ゲームの目的】 相手の作った迷路のFの位置に、先に到達することです。

【プレイ】
 交互にプレイします。例えば自分が先手だった場合、「A6からB6」というように移動を宣言します。間に壁がなくて移動可能であれば「Yes」、壁があって移動できなければ「No」と答えます。答えが「No」になるまで、続けて移動可能です。「No」と言われたところで交替します。

 実際のプレイの例を紹介します。図2は、プレイ開始後まもない図面です。

先手「A6からB6」 後手「Yes」
先手「B6からC6」 後手「No」 (ここで交替。先手はB6とC6の間に壁を描き込む)

後手「B5からB4」 先手「No」 (ここで交替)

先手「B6からB5」 後手「Yes」
先手「B5からB4」 後手「Yes」
先手「B4からB3」 後手「No」 (ここで交替。先手はB4とB3の間に壁を描き込む)

 以下同様に続けていって、先に目的地"F"に到達したプレーヤーの勝ちです。


 『世界のゲーム事典』に紹介されている以外にも、自分が以前とても楽しんだ紙と鉛筆のゲームがいくつもあります。船が実際に動き回る魚雷戦ゲームとか(これは消しゴムが必要です)、対戦型ビンゴゲームとか、レースゲームとか、ループトラックスとか、三角ゲームとかです。特にお勧めのものは、またこのページなどで紹介してゆきたいと思います。

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2001.08.19 hhase