ペグ・ソリテア ─正十二面体のパズルシリーズ─


 「ペグ・ソリテア」という有名な一人遊びがあります。下の図1のような盤面に駒(ペグ)を配置し、ペグを飛び越す動作で移動し、飛び越されたペグを取り除いていって、最後に1本だけペグを残せば成功です。このように全盤面を使うパターンのほかに、もっと駒数の少ない初期状態からはじめるパターン、例えば十字架型とかピラミッド型にペグを配置して、やはり1本だけ残せという問題ががいくつもあります。

図 1

 兵庫教育大学濱中先生から、このペグ・ソリテアのルールを正十二面体骨格に適用したらどうでしょうかというアイディアと、何問か問題を送っていただきました。ありがとうございました。さっそくJAVAアプレットに実装してみましたので、お試しいただけたらと思います。

 正十二面体骨格の上では、頂点の次数の3で奇数ですから、直線的にペグを飛び越すルートというのが存在しません。そこで、移動のルールは下の図2のようにすることになります。正十二面体は面のかたちはすべて五角形ですから、飛び越される駒は一意に定まります。これが四角形だと、例えば対角線上にペグが動いたとき、左右どちらの頂点のペグが飛び越されるのか定まりません。

図 2

 動かしたいペグをクリックすると黄色いマークがつきます。その状態で移動先をクリックすると、飛び越されたペグが取り除かれます。同じ駒が続けて移動するときは1手と数えます。アプレットの下に move(hop) = ... という表示が出ていますが、hop は飛び越した回数を、 move は手数を表します。(移動先をクリックしそこねて、選択した黄色いマークが消えてしまっても、同じ駒を選びなおせば、プログラムのほうが覚えていて、同じ1手だと数えてくれるはずです。)

 ペグ・ソリティアでは、「最後の1本の位置は、最初の空きマスにせよ」とか、「最後の1本は盤面の中央にせよ」といったルールがある場合もあるのですが、今回は正十二面体なのでどの頂点も条件は同じで「特別な場所」はありませんし、最初の空きマスに戻せ、という条件はプログラムに実装してありません。とにかく残り1本になったら成功ということにしています。

 さて、このパズルは何手でできるでしょうか? (頂点の数は20個、最初のペグの数は19本、ですから hop の数は最終的に18です。) (2003.09.22. H.Hasegawa)

このゲームはJavaが動くブラウザでお楽しみいただけます。

 なお、この十二面体の骨格を平面上に広げた盤面のものは、こちらにあります。こちらのほうが考えやすいかもしれません。


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