十六武蔵


(2003.11.22)

 「十六武蔵」(じゅうろくむさし)という盤上ゲームがあるのをご存知でしょうか。これはシンプルなアブストラクトゲーム(運の要素のない、情報完全公開型の抽象的なゲーム)で、駒の数や性能がアンバランスなタイプのゲームです。 多くのゲームでは先手のほうが若干有利といわれていますが、ほとんどの場合は駒の種類や数、ルールは先手と後手で区別がないのが普通です。 連珠は先手のみに禁じ手があったり、以後はコミによって後手を若干救済するルールがあったりしますが、でも先手と後手で本質的に目的が異なっているわけではありません。

 アンバランスゲームというのは、それに対して攻守がはっきり分かれているようなタイプのゲームです。この「十六武蔵」というのは、1駒対16駒の戦いです。1駒のほうが武蔵で、ちょうどはさみ将棋の逆で、相手が1マスあけて並んでいる場合に、その間の空きマスに入ると、両側の駒をとることができます。武蔵の二刀流を表現しているルールなのだと思います。逆に、16駒のほうは武蔵の駒を直接とることはできません。武蔵は強いので1対1では負けないのです。 ではどうするかというと、いわゆる「雪隠詰め」にする、つまり移動先をふさいで動けなくしてしまえば武蔵を取り押さえて勝ち、というルールです。

 これに似たゲームで、「キツネとガチョウ」というゲームもあります。この場合は、キツネはガチョウを飛び越えたら取ることができて、ガチョウはキツネを取り囲んで動けなくしたら勝ち、というルールだったように思います。

 この「十六武蔵」をJavaアプレットにしてみました。お試しください。

このゲームはJavaが動くブラウザでお楽しみいただけます。


例によってとりあえず単なるゲーム盤モード。

 ルールを簡単に説明します。武蔵が赤い駒、取り囲む16人が青い駒です。どの駒も盤面の線に沿って1歩だけ動くことができます。飛び越えることはできません。赤も青も、相手がいる場所には移動できませんし、直接「取る」ことはできません。武蔵の駒は、相手の間に入ると両側の駒を同時に取ることができます。先手は武蔵(赤)です。

 赤の駒の手番のときに動けなければ青の勝ちです。青の駒が少なくなってしまって、武蔵を取り押さえられなくなってしまったら(例えば残り6個とか4個とか)赤の勝ちです。 千日手の解消は、青の側に解消の責任があることにすべきでしょうか。

 まずはこのゲームの雰囲気を知っていただくため、ルールを簡単に実装してみました。プログラムはお相手はしません。移動させたい駒を選択すると、黄色いマークがつきます。移動先をクリックすると、移動可能であればそこに移動します。武蔵の移動後、取られる駒があったら自動的に取り除きます。 「待った」や「やり直し」はできません。 また、終了条件の判定もしていません。

 このゲームは、おそらく最初のうちは、武蔵の側は適当に動いていても勝ててしまうと思います。16人がいかに武蔵を取り押さえるかというところが興味深いゲームだと思いますが、序盤はどうしてもばたばたと人数が減らされるし、最後の「詰め」が難しいと思います。参考までに16人の側がかなり楽になるような盤面もあるようですので、十六武蔵:簡易版として用意してみました。よろしければ簡易版もお試し下さい。


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