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8月13日〜14日    鉱山道から登る <白馬岳 2,933m> 

お盆は1泊での山が可能になった。
行き先は4回目になる白馬岳に決め、まだ歩いたことがない蓮華温泉から「鉱山道」を登り、白馬大池を下り蓮華温泉に戻るコース、宿泊はまだ泊まったことがない「村営頂上宿舎」にした。過去2回、頂上により近い「白馬山荘」に泊まったが、個人的には村営の方がきっといいだろうと思い続けて来た。今回念願叶うことになった。
前日宿舎に予約を入れた際登山道の様子を聞くと、ここではわからず、白馬村の観光案内所(だったと思う)で登山道のことを説明してくれるとのことで、電話番号を教えてもらいかけてみた。
鉱山道のことを聞くと、普通に登れます、ただ長いコースなので早く出発するように、登るより下る方が多い、とのことだった。が、数分後に着信記録から電話がかかってきて更なる詳細を説明してくれた。
それによると、@草を刈ってないのでとても歩きにくい、A雪渓が3箇所あってその前後でルートファインディグが難しい、Bクマがいるかもしれない、とのことだった。
ということで今回の山行にはクマよけの鈴を持参した。

1日目 8月13日(金)   蓮華温泉〜鉱山道〜三国境〜白馬岳山頂〜丸山〜村営頂上宿舎(泊)
2日目 8月14日(土)  村営頂上宿舎〜白馬岳山頂〜三国境〜小蓮華山〜白馬大池〜蓮華温泉

1日目 8月13日(金)   蓮華温泉〜鉱山道〜三国境〜白馬岳山頂〜丸山〜村営頂上宿舎(泊)

自宅は2:50出発、蓮華温泉着は5:20、早朝の空いている時間でも2時間半かかった。遠い。それもそのはず、もうちょっと行くと日本海、って場所なんだ、ここは。
夏山最シーズンなので、通常ならいっぱいのはずの駐車場は、前日の台風の影響か空いていて、すんなり止められた。路上駐車覚悟で行ったのでラッキー。
仕度をして出発は6時、ここを出発するのは、2003年7月に朝日岳〜雪倉岳〜白馬岳と歩いた時以来になる。
天気は・・・台風一過の青空を期待していたけれど、曇り。最近の台風は湿気を残し、青空を呼んではくれないことが多い。せめて稜線では晴れて欲しい。

蓮華温泉から、まずは「蓮華の森分岐」で「カモシカ展望台」の表示の方に進み、しばらくすると「蓮華鉱山道」の標識が現れ、ここを登って行く。

天気は高曇りで、まずまず上空が見えている。この様子なら暑くなく登れて、展望はあるかも。

1時間ちょっとで瀬戸川を渡る場所に到着。丸木の橋を事前のネット検索で見ていたが、立派な橋に変わっていた。これなら雨でも滑らなくて済みそう。
この橋、冬は撤去され夏場だけかけてくれるのか・・・
そしてここからクマよけの鈴をつけて本格的な登りに備える。



事前確認では、草が伸びていてあるきにくいとのことだった。
が、見事に刈られていた。
お盆に利用する人がいることを考え、刈ってくれたのであろうか。
この先ずっと鉱山道分岐直前のザレ場の手前まで刈られていて助かった。
もし刈られていなかったら、どれだけ苦労して登らなければならなかったか・・・
考えるだけで恐ろしい。

そして数々のお花が登場。
以前蓮華温泉〜朝日岳に行った時の五輪尾根でのお花畑に感動したけれど、こっちの道にも数々の花が咲いていた。
特に印象的だったのは白色のホタルブクロ、八ヶ岳では紫を多く見て来たので、白色は新鮮だった。

  

レンゲ展望台(・・・蓮華菱の眺めが壮観のところだがガスで見えず)、鉱山事務所跡を過ぎたところに「神ノ田圃」と言われるところがあり池があった。
見上げるとおそらくこれから向かうであろう鞍部が見えている。ガスは取れていそうだ。
そして、花も更に多く登場。さすが花の白馬岳。

  

ほどなく雪渓が現れた。昨日の台風の雨ではまだ消えていなかった。
2箇所の雪渓は問題なく横断できた。が、電話で聞いた通り3箇所目ではちょっと苦労した。雪渓が相当薄くなっていたため、上を歩くことは絶対できない。雪渓の横を少し下り、水量の一番少ないところを横断、といっても一跨ぎで、靴が濡れることはなかった。その後、ザレ場を登ると本来の登山道に出た。

鉱山道らしく、比丘尼飯場跡、塩谷精錬所跡、といった標識があり、最後は広々としたガレ場に出て登りきると、雪倉岳からの道と合流した。ここまでコースタイム通りの5時間だった。
結局鉱山道では誰にも会わなかった。やはり登るより下る方が一般的なんだろう。

登りきったところは高曇りながら360度の展望があった。
雪倉岳、山頂へは行かない鉢ケ岳に旭岳、そしてメインの白馬岳。これなら満足、満足。
分岐から少し進みコマクサが咲いているところでお昼にした。

そして、楽しみな稜線歩きがいよいよ始まる。

  
三国境への登りはマツムシソウが多く咲いていた。奥の山は「旭岳」



花の白馬岳だけあって、鉱山道にもその先三国境への登りにも非常に多くの花が咲き、中でも驚いたのは、すでに咲き終わっていたけれど、ウルップソウの多さ。
これだけの花が咲いた時にはどれだけ美しいことだろうか。
いつかその時期に歩いてみたいものだ。

三国境からの登りに入ると、それまでよりも更に美しい二重山稜の稜線になる。
翌日下る小蓮華山方面も良く見えている。
果たして天気はどうなるか・・・


歩いて来た道を振り返る。◎印のところが鉱山道との分岐


わずかにあった咲いているウルップソウ




鉱山道で誰にも会わなかったので、台風の影響もあって登山者は少ないのかな、って思ってしまったが、小蓮華山からは多くの人が登っていた。やはり人気の山であることを実感。

山頂近くになった時、右手に剱岳が見えた。
まさか、見えるとは・・・



山頂には1時半に到着。立山方面に加えて、鹿島槍ヶ岳、槍ヶ岳も見えていた。
最初ガスがかかっていた杓子岳も待つこと15分くらいできれいに見えた。これはラッキーな展望でしょう。。。。

後は頂上宿舎に向けて下るだけなので、山頂には30分ほどいた。
白馬岳がよりかっこ良く見える白馬山荘の左手を目指して下り、白馬山荘も過ぎ、頂上宿舎が近づく時には私の頭の中は「生ビールが飲める」ことでいっぱいになっていた。
ここのところの泊まり山行で生ビールがあるところには泊まっていなくて、どれくらいぶりなんだろう・・・
直前に行かれていたかつとんさんのレポにあった「枝豆とのセット」にするかどうするか「ケーキセット」も魅力的だし、なんて考えていたのに、ペーターに明日どうなるかわからないからこのまま行く、と丸山まで連れて行かれた。
私は明日でもいいんだけどなって思ってもいたけれど、結果的に、翌日は朝から雨と風だったから行って良かったし、カラフルなテントと山荘、そして山頂の景色がとてもきれいだった。
わずか数分の場所なので、本当に行っておいて良かった。

そして、頂上宿舎受付後、レストランの方へ行き生ビールを注文。
お盆で混むせいか(?)枝豆とのセットメニューはなかった。なんだ悩んで損しちゃった。(笑)
持参したつまみで、私は1.8杯、ペーターは1.2杯の生ビールを飲む。その間この小屋に泊まった楽しみである、山頂からの残暑見舞いを書いてポストに投函。
消印は「白馬岳山頂」になるんだっけな?2年前に大雪渓を登って三山縦走した時にも、同じ村営の小屋、「天狗山荘」で投函した。山頂でハガキを投函するのは楽しい。

夕食は5時からで、食べる分だけ取る「バイキング方式」で、メインのシチューはとてもおいしかった。一人一個限定のデザートもおいしかった。
宿泊は80人弱くらいで、部屋は4つ枕があるスペースに2人だった。
個室もあるが、この時期平日は4,000円なのに、休みの時は8,000円、空いているからどっちでも変わりないと思ったけれど、寝てみてわかったことは、布団の下が固かった。個室はおそらく畳だったんじゃないかと思う。
食事後食堂のテレビで見た天気予報・・・・期待できそうになかった。

2日目 8月14日(土) 村営頂上宿舎〜白馬岳山頂〜三国境〜小蓮華山〜白馬大池〜蓮華温泉

深夜、雨と風の音がしてた。
降っていなければ、当然朝日を見に行くけれど断念して、前日作ってもらっていたお弁当を談話室で食べしばらく待機。
9時まで待って出発するとのペーター方針だった。
小屋には登山道案内の常駐の人がいてアドバイスしているようだった。
談話室には停滞の人3人と前日テント泊し、この日停滞と決めた2人が部屋の掃除が終わるのを待っていた。唐松岳へ行きたい人、朝日岳へ行きたい人であった。

9時まで待ったけれど、状況はあまり変わらず出発。
この日は白馬大池経由蓮華温泉へ戻る約5時間のコースである。なので、9時に出発しても蓮華温泉には遅くても3時には着く、遅くなればなるほど天気は回復するだろうって読んでたわけであるが・・・
お昼は大池で食べることになるが、雨が降っていないことを期待したい。
頂上宿舎を後にし、再び山頂への道を登る。
山頂に近づくに連れ、ガスが濃くなり風も強くなった。
当然写真を撮るなんてこともできず(何も写らないし)、山頂方位盤を一周して下山に入る。
ガスの中であっても花達はきれいで、特にトウヤクリンドウが雨に濡れてより美しく見えた。そして雷鳥にも遭遇。久しぶりに見るつがいだった。
小蓮華山向かっている時一瞬だけ稜線が見え、あわててカメラを出して撮影した。

なかなか小蓮華山に着かないなって思っていたら、そうだ!崩壊の恐れあり、で山頂には行けなくなっていたんだ、ってことで登山道沿いに山頂標識があった。
そしてガスの中ながら、白馬大池が見えた。蒼い池を見たかったけれど、これで良しとしよう。
周辺はお花畑で、遠くにハクサンコザクラが見えた。
白馬大池山荘に着くと雨は更に強くなっていて、お昼を食べる場所をどうしようかと思っていたら、なんと小屋の中でガスを使っても良いとのこと。とても良心的な小屋で助かった。
おかげでゆっくり食べることが出来、休憩も出来て最後の下りに備え元気が出た。


最後大池からの下りは、(そういえばこうだったと思い出しながら)、岩場の滑りやすい道で慎重に下る。天狗ノ庭から先は歩きやすくなり、無事に蓮華温泉に戻った。
晴れていたら露天風呂に入ろうと思っていたペーターだったがあっさりあきらめ、早々に帰路についた。
蓮華温泉は登山者の他に観光客も大勢お風呂に入りに来ている様子だった。

一日目に鉱山道を登ったおかげで、ペーター念願の道を歩くことができて良かった。雨の中での鉱山道下山はいやだったから。
それにしても草を刈ってくれてあって助かった。刈ってなかったらたどりつけたかどうか・・・

この夏は偶然にもネットの友達が大勢白馬岳に行った。まさかそこに自分も仲間入りするとは思わなかった。


おまけ
今回入らなかった蓮華温泉の露天風呂・・・仙気の湯、黄金の湯・・・私にとってここも先日の夜叉神峠同様に想い出深いところ。
結婚した翌年の秋、蓮華温泉から兵馬の平まで散策し、その後でこの露天風呂に入った。確か私は水着着用だったと思う。紅葉がとてもきれいで、温泉も秘湯って感じですごく良かった。またいつの日か入ることもあるかな。

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