サワディーチャーオ  

チェンマイにやって来た。
タイ古式マッサージ 買い物 美味しい食事 街をブラブラ  一都市滞在の休養旅行。
バンコクに着陸する時 耳抜きに失敗。 気分が悪いところへ 空港バスの排気ガスで吐き気を催し 調子が悪くなった私は 乗り継ぎの三時間 ロビーでくたばっていた。 バンコク-チェンマイの機内食も食べる気になれず フラフラで チェンマイ空港に到着した。 空港で当座のお金をバーツに両替すると そそくさとタクシー乗り場へ。 
「インペリアル メーピンまで いくら?」
「チェンマイ市内のホテルは 120バーツ均一料金です。」
「じゃ よろしく。」
妻と私を乗せ 10分ほどで 懐かしいメーピンホテルに到着。
チェックイン 部屋に入ると すぐに眠り込んでしまった。

■マッサ−ジ
メーピンホテル前の道路沿いのマッサージ屋に行き 足マッサージを頼む。  おばちゃんを期待したが出てきたのは お姉さん。 やはりマッサージは 体格の良いおばちゃんが上手い。 経験と体格がものを言う。
翌日は別の店に行く。 シェラトンホテルの近く メンライ橋を渡った反対側にある CHANG DAENG。 通りから かなり奥まった所にあってわかりにくいが、地元のお姉さんの情報では 上手なお店・・・という事だった。 

CHANG DAENGは、体格のいいおばちゃんがたくさんいる。 皆さんお上手。 三回通ったが 気持ち良くて二度は寝てしまった。 マッサージ用の個室は 薄暗いピンク色の照明 マットレスが敷かれ ちょっと変な雰囲気であるが 腕は確かだった。  マッサージしながら 身体の固まった部分を見つけ丹念にほぐしてくれる。 二時間のタイ古式マッサージ400B。 

ある日行くと フロントで突然440Bと言われた。 昨日は400Bだったじゃないか・・・と言うと ok ok 400B ニコニコ。 何なんだろう???このいい加減さは?   頼めば ホテルまで無料で送迎サービスしてくれるが 今日はソンテオに乗って帰る。  行きたい方向に向かう赤いソンテオに じっと視線を送ると寄ってくる。 手招きすれば確実に停車してくれる。  囚人護送車の様なこの乗り合いタクシーは 5分ほどでナイトバザールに到着した。 

日本でマッサージを頼むと 10分 1000円ぐらいが相場らしい。 二時間だと12000円。 チェンマイは 400B。  1200円で二時間リラックスできる。  1200円 と 12000円 タイの国民一人当たりのGDPはおよそ3000ドル 日本が3万ドル。 その差が きちんと価格に現われている。  

一時間100Bぐらいの庶民的な安い店から オアシススパの様な超高級店まで たくさんの店があるチェンマイ。 私は 地元の人に評判を聞いて おばちゃんマッサージ師がいる 一時間200Bぐらいのお店に行くようにしている。 

余談ながら お隣のミャンマー バガンのホテルでマッサージを頼んだら たしか 二時間 5ドルだった。 
 
日本はお金を稼ぐ場所 東南アジアは お金を使う場所・・・。 (しかし、この言葉。 賞味期限はいつまでだろう?。) 
 
 
■カーオソーイ セモーチャイ。   
店は昭和30年代の日本 大衆食堂風の懐かしい雰囲気。 空いているテーブルを見つけるのも大変なほど混んでいる。 ほとんどが地元のチェンマイピープル。 席に着くと いつも赤いTシャツに白いエプロンかけた白髪頭の爺さんが注文をとりに来るが まったく英語が通じない。 片言のタイ語と身振り手振りで注文する。  
この店のカーオソーイは 濃厚な鳥の出汁とターメリックなどのカレー系スパイスが効いたスープが美味い。 付け合せの漬物と赤たまねぎを入れ ナンプラーとチリを加えて ライムを搾ると 一段と美味しくなる。 夫婦二人で カオソーイ  ビール サテ30本 食べて 190B。 
二日後 また食べたくなった。 ワット ファーハームを目印に トクトクを飛ばす。 メーピンホテルから50バーツ。 昼前だったが 店は混んでいた。 席に着くと また あの爺さんがやって来て 低い声で訳のわからない事をブツブツ言っている。 爺ちゃんとの楽しい わけのわからない コミュニケーションの時間がやって来た。 

爺「ブツブツ」
私「わかんないよ。。。 シンハビア ワンね・・・ ビアシン ヌン 頂戴」
爺「ブツブツ」
私「だから わかんないんだってば・・・ビアシン ビアシン 」
爺さんは 手招きして 冷蔵ケースを指差している。 行ってみると ビアシンは無く 並んでいるのはハイネケンだけだ。 そういう事ね。 
私「ハイネケン ヌン」 
爺 頷きながら 「ブツブツ」  
私「サテ ね サテ ヌン」 
爺「ブツブツ」 

爺さんは 別のテーブルを回り 次々注文をとって行く。
サテと冷えたビールと氷をたくさん入れたジョッキが運ばれて来た。 
サテを頬張り ビールを飲みながら 爺さんの働く姿を眺めていた。 
妻もカオソーイ食べながら やはり爺さんの後ろ姿を眺めていた。 
ぽつり と 妻が言った。

「あの爺ちゃん ワシが行かなきゃ店が始まらん・・・って思って働いているみたいだね。」 
「若い人にまじって 爺ちゃんが 働く姿って かっこいいね。」

日本では 若い人に混じって 爺ちゃんが働く姿 どこに行ったら見られるだろう。 
浅黒い顔、無骨な手、赤いTシャツにエプロン、爺ちゃんの後姿を どこか羨ましく 眺めていた。
 
 
■カーオソーイ と カオスエ
セモーチャイのカーオソーイは美味しい。
焼き鳥 サテも 炭火でこんがり香ばしく 美味しい。
ところが お店が変わると だいぶ趣が違ってくる。 
皆様 色々食べ比べてご覧ください。

チェンマイ名物とも言われるカーオソーイ・・・国境を接するミャンマー シャン州にも カオスエという麺料理があり こちらもさっぱりして美味しい。 今は国境で分断されているけれども シャン州 ならびに 北部タイ地方 ルアンパバーンあたりのラオスの北部は 同じ文化圏・・・という話を聞いた。 また シャン族とは タイ族の事で 昔タイを シャムと呼んだのは シャンがなまったものらしい。 もしかすると カーオソーイ と カオスエは 同じルーツを持つ食べ物・・・と考えてよいかも知れない。  
チェンマイのあるカーオソーイ屋で この話をしてみた。 そうしたら その店の人は こんな事を言っていた。

「この店の今の主人のお爺さんは 昔ミャンマーからチェンマイにやって来た。 そしてチェンマイで この料理を作り始めた。 料理は美味しかったので店を開いた。 今ではチェンマイの名物になった。 ミャンマーのカオスエは知らないけど・・・多分 貴方の言っている通りなんだろうね。 」


■アンティーク 
チェンマイは Buddhism Antique の宝庫だ。 街のあちこちに アンティークショップが並んでいる。 2m を超える大型のものから 20cm程度の小さなものまで 年代も様々 中には チーク材がかなり朽ちかけているものもある。 扱っている店も美術館のような高級店から、普通の土産物屋の奥まった所に置いてある事もある。 もし興味があれば 念入りに見て回るのと楽しい。 

ところで このアンティークの木彫り仏像は、ほとんどがミャンマースタイルである。 仏像だけでなく お寺のつづらの中にしまってある 漆塗りの仏教経典まで売られていた。(もちろんミャンマー語)  ミャンマー バガン周辺の村々を回り 村のお寺を訪ね 僧侶が自慢げに見せてくれた 古いチーク材の仏像や古びた仏教経典。  そういうものが、国境を超えて売られて来たのだろう。  ミャンマーのとある村の窮状を救う為に いくばくかのお金で売買され それで何人もの人が救われたのなら・・・仏陀も微笑んでくれるのだろうけれど・・・。 実態を知る術はない。 
複雑な思いがする。

バンコクのリバーシティーの骨董品は ミャンマーから売られてきた アンティークがたくさんあるという話は聞いていたが、北方のチェンマイでも 現実を見た。

チェンマイを離れ メーリムの高級リゾート フォーシーズンズ ホテルに向かう。  
冷たいおしぼりで汗をぬぐい ロビーの椅子にもたれ 冷たいカクテルを飲んでいると ベルボーイがやって来て、ひざまづいてチェックインの手続きをしてくれる。  ゲストの数より多いホテルスタッフとガーデナー。 打ち水の打たれた広い敷地を散策すると どこからともなく挨拶の声と微笑みに囲まれ 庭はゴミ一つ無く維持されている。 こんなホテルに泊まるのは始めての事だった。

ホテルの中にあるブティックにも たくさんのアンティークが並んでいた。チェンマイの街より一段とクオリティーの高い。 タイの古い民家のパーツや古民具もあるが ミャンマーのアンティークも豊富だった。  チークの木彫りに漆を塗り、金箔を貼った若い僧侶の仏像の表情に引かれた。  ひざをくずして座り 遠くを眺める姿は自然で 凛とした雰囲気を漂わせている。 聞けば60〜70年前のビルマのものだという。 涼しく凛とした表情は 一晩考えても私の頭を離れることは無かった。 そばに置きたい・・・で購入。 
 注・・・タイから仏像 アンティークの持ち出すには政府の許可が必要。 ご注意あれ。


■サンカンペーンでお買い物

チーク材で作られた重厚なタイ建築。 お部屋を彩る チーク材のテーブルやインテリア。 壁には 古いアンティークの仏像が飾られ 柔らかな照明の下で微笑んでいる。 癒される空間 雰囲気に ため息がこぼれる。

チェンマイに来たのは チーク材の家具やオーナメントを物色 お気に入りの一品が見つかれば購入・・・というのが 目的の一つだった。  1999年 1月 チェンマイを訪れた時 大きな家具屋が何軒かあった事を覚えていた。 今回はその記憶を頼りに サンカンペーンあたりをフラフラした。  

最初にTUSNAPORNに行ってみた。 広い車寄せ 大型体育館の様な外観 二階の天井まで吹き抜けの広いフロアー・・・そこは1999年に行ったお店に違いなかった。 

木彫りの人形は左右一対の踊り子が 欲しかったのだが 表情が気に入らない。 涼しく 優しい表情をした踊り子の姿を探していた。  立派な尾羽根飾りと 大きな翼の羽根飾りを着け 腰掛け佇む タイの踊り子の像があった。 気に入った。 価格を聞くと22000バーツ。 高い。  同じ職人が作った ミャンマー(マンダレー)スタイルの踊り子も良い表情をしているが 表情や佇まい では タイスタイルの踊り子がNo.1 だ。 高さは50cm程で それほど大きくないけれど 切り株を丸ごと使って作られた その踊り子は 存在感があって 魅力に溢れている。 価格交渉すると20000バーツを提示してきた。  一旦 交渉を切り上げて 次の目的のお店 SUDARACK に行って見る。  

CIANGMAI SUDARACKも工房を備えた 大型の家具・木工細工ショップである。 
テーブル 応接セット などが多く 木彫りの人形は少なめである。 家具一通り見て歩くが 気に入ったものが無い。店の外のベンチで 風に吹かれながら一服していると TUSNAPORNの女性マネージャー から携帯に電話が入った。 18000バーツにするので もう一度考えて欲しい・・・と言っている。 二割引。 面白くなってきた。 後で行くから ・・・という事にして 一旦電話を切る。 相手は売る気充分。 こういうショッピングは楽しいね。 

一旦 TUSNAPORNはホールドして バーンタワイに行ってみる。 
バーンタワイは アーケードの中に小さなショップがたくさん並んでいる。 家具・インテリア・絵画など 木工品を中心とした店が多い。 遠眼にはいい雰囲気なのだが 良く見ると単調で変化に乏しく 仕上げは雑。 センスの良い作品のコピーをしているらしく見えるけれども どこか垢抜けていない。 プリミティブな作風なら それで押し通した方が良い様に思う。 店先で 仕上げのサンディングをしたり 塗装したりしている。 有機溶剤塗料の匂いで 気分が悪くなる。  

昼食をとり 午後はニーマヘミンに行ってみた。 
チェンマイのおしゃれ雑貨の店がたくさんある・・・との事で期待していた。 漆工芸品や ラタンの家具 織物 等がちょっとおしゃれなデザインと色使いで 洗練された品揃えと言えるかも知れない。 こういうお店は 日本女性には受けるのかも知れない。 私の趣味とは少し違うけれども。

日を改めて TUSNAPORNに行く。 
朝一番 店に入ると すぐに背の高い女性店員が寄ってきた。 

「おはようございます」
「おはよう どうだい 調子は?」
「いいわよ・・先日の木彫りでしょう。 こっちに用意しておいたわ。」
「手回し良いね。 早速商談しましょう。 電話をくれたマネージャーを呼んでください。」
「その前に お茶でも如何ですか?」 
「いいですね 中国茶ありますか? 」
「ok  ここに座って待っていてね。」

すぐに マネージャーさんが やって来た。

「昨日は電話 有難う。」
「いえいえ またお越しいただき感謝します。」
「このタイスタイルの踊り子の木彫りは素敵ですね。 もう一体は ミャンマースタイルの踊り子のペアですね。」
「そうです。 正確に言うと マンダレースタイルです。」
「この木彫りが気に入りました。 昨日はタイスタイルの踊り子を 18000バーツという事でしたが 二つとも買いたいと思います。 マンダレースタイルはいくらになりますか?」
「判りました。 マンダレースタイルの踊り子は 11000バーツですから同じ様に値引きして 二つあわせて 27000バーツでどうですか?」
「二つとも買うのですから もっと下げてください。 」

マネージャーさん しばし沈黙。
「・・・では ジャスト 25000バーツ。」
「ジャスト 20000バーツではどうですか? 」 (笑)
「それは無理です。」 (笑)
「では 23000バーツ」
「25000バーツ これが本当にラストプライスです。」

「良い表情してますね。 この二体は同じ職人さんの作品でしょう。」
「そうです。 職人によって 作風が決まります。 この二体は良く似ているでしょう。」
「飛行機の手荷物で運びたいのですが 何キロありますか?」
「二つで14Kgですね。 超過料金になるかも知れません。」
「所で マンダレースタイルの踊り子は 残念な事に壊れた所を修正していますね。」
「どこですか? 」
「ここです。」

マネージャーさん しばし観察。
「そうですね。」
「だから 23000バーツでどうですか?」

再び しばし沈黙。
「OK  23000バーツ」

今 この置物は 我が家の玄関と居間に鎮座している。


■チークのテーブル
木彫りの踊り子の価格交渉は二時間 楽しんだ。 あ〜でもない こ〜でもない。 別の品物眺めたり お茶飲んだり。 そんな事をやっているうちに・・・家具も気になってくる。 チークのコーヒーテーブルが目にとまった。
落ち着いた色合い 東南アジアのデザイン グラマラスな脚線美。 無垢のチーク材を贅沢に使った重厚さがある。

「このテーブルは いくら? 」

背の高いお姉さんに聞くと マネージャーを呼んでくれた。

「コーヒーテーブルが気に入りましたか?」

先ほどの女性マネージャーが ニコニコやって来た。

「これは1300 US ドルです。 輸送費込みです。 東京か横浜か お好きな港までお届けします。」
「こっちの大きいテーブルはいくらですか?」
「同じく輸送費込みで 2000US ドルです。」
「大きなテーブルは脚のデザインが気に入ってます。 サイズは最初の大きさがいいのです。」
「このテーブルに この脚のデザインを組み合わせるのですか?  なるほど。 加工できないことはありません。 カスタムオーダーは受けることができます。 でも バランスの問題が残ります。 この組み合わせは あまりお勧めできないと思います。 」
「そうですね。 脚が大きすぎるかも知れませんね。 価格1300ドルは C.I.F.ですね。」
「そうです。 保険と船賃込みです。 横浜 東京などの港から先は別料金になります。」
「日本の通関費用や運送費が高いので 出来るだけディスカウントしてください。」
「置物も買ってもらったので ジャスト1000ドルにします。」
「日本円で10万円では如何ですか?」
「日本円での支払いは可能ですが それは無理です。」
「妻は 日本国内の輸送費も込みで 予算 10万円と言っています。」
象さんの置物をサービスしますから 勘弁してください。

マネージャーさんは ここだけ 片言の日本語をしゃべり 情に訴え掛けて来た。 う〜ん やるね。 

「プレーンなデザインにしてください。 テーブルの上や脚の彫刻模様は要りません。 安くなりませんか?」
「・・・」
「今回 良い買い物が出来れば また来て 買い物すると思いますよ。 」
「・・・」

その後も粘り強く商談を続け・・・そのテーブルは我が家の居間に鎮座している。 

それで いくらで購入したか 知りたいのですね?   ひみつです。


チェンマイ サンカンペーン チーク家具ショップ Tusnaporn の商品カタログへ


■床屋
朝の散歩に出かけた。 
お茶屋さん 美容院 マッサージ屋 庶民的な食堂。 テナント待ちの空屋が目に付く。 チェンマイの表通りは高層ビルが少ない。 日本の地方都市と似た風情がある。 建設途中で工事中断しているコンドミニアム 薬局 洋服の仕立て屋 語学学校 。。。 
しばらく歩くと 床屋があった。 50Bと書いてある。 オープンエアで小奇麗だ。 客は誰もいない。 白衣を着た 色黒のおっさんと眼が合った。 髪を切る仕草をすると 手招きしている。 ちょっと散髪したくなった。  どんな髪型になるのか興味があった。

無骨な椅子に座ると 無言で作業を始めるおっさん。 霧吹きスプレーで髪を湿らせる。 シュー シュー。 テーブルの上には数種類の鋏と剃刀にシャボン容器だけ。 シンプル。  おっさんは 左手に櫛 右手に鋏を持ち カットを始めた。  おっさんの腕も 鋏の切り味も良さそうだ。 鏡越しに作業を見ていると 髪の長さを揃え 整え カットしている。 とんでもない頭にならずに済みそうだ。 チョキチョキ  チョキチョキ 気持ちのいい音が耳元で響く。 一通り 鋏の作業が終ると 引き出しから見た事の無いバリカンの様な機械を取り出した。 モーターの回転する低い音が聞こえる。 髪の毛にあたるとパリパリ・・・ブンブン・・・音がする。  おっさんは 剃刀を手にした。 刃を交換している。 シャボンを溶かし こめかみ と 首筋に。 ジョリジョリ ゾリゾリ 懐かしい音と肌触りが伝わる。 終ると 冷たいタオルで拭った。  心地よい。 もう一度 鋏と櫛で全体を調整して 出来上がり。  おっさんは はいよ・・・とでも言うように ポンポンと私の肩を叩いた。
 
「Finish ?」 

おっさんは無言で頷く。 
50Bを払い 店を出た。  所要時間は20分。 
さっぱりした頭で 清々しく 妻が待つホテルに帰った。


■散歩
ナイトバザールから北へ行くと市場がある。
道路を挟んで 西側にワローロット市場と 東側にトンラムヤイ市場。 二つの市場は 歩道橋でつながっていた。 無骨な歩道橋の上に立つと 行き交う人々の姿や たくさんのトクトクやソンテオが客待ちしているのが見える。 市場に入ると むっとする熱気と発酵食品の匂い。 昭和30年代の日本の市場に似ている。

二階で 衣料品を買う。 コットンのシャツや半ズボンなどが安い。 まとめて買うと まけてくれる。 チェンマイの明るいおばちゃん達と値引き交渉 やりとりも楽しい。 色物の衣料は、洗濯の時にご注意あれ。 盛大に色落ちする。 何度洗っても 色落ちは止まらない。 一緒に白いシャツを洗ったら ブルーや ピンクになる。

市場を出て (旧市街 ターペー門)西へ向かって歩き出す。  まっすぐな道は少ない。 ぐねぐねした路地を歩く。 工場 住宅。 幅の広いどぶ川に板を渡し お菓子屋 床屋 雑貨屋 が並んでいる。 衣料品屋の年代もののマネキンが タイの服を着て こちらを見ている。 塀の上に猫がいる。 広い空き地にの向うにに大通り。 裁縫屋から足踏みミシンの音が聞こえる。 混沌としていて懐かしい。 横丁から 半ズボンにランニングシャツのチビが 飛び出して来そうな気がする。 

フラフラしているうちに ターペー通りに出てきた。 リッジス ホテルが見えてくる。  漆雑貨屋に寄って 買い物。 漆製品に金属のワンポイントを入れた ちょっとおしゃれな小物が多い。 店員さんもおっしゃれ〜。 ばっちりメイクを決めた 華奢なオカマさんが接客してくれます。  でも ここはお高い。 おめあての客層は マル金かな。 二階のバーゲン品の中から 銀色の蛙がワンポイントについた漆のペン皿を買った。 かえるは ラピタのマーク。 がき心のおっさんのシンボル。

歩きつかれた。 
咽喉も渇いた。 ターペー通りには 古い家屋がたくさん残っている。 アート・ギャラリー ブティック・ルームのカフェに入り、中国茶を頼む。 ポットで出てきた。 午後4時半のカフェは空いていた。  妻と二人 並んで座り テーブルから 通りを行き交う人達を眺めた。 多彩な人種が通る。 欧米系のバックパッカーが寡黙に歩いて行く。 日本人の女の子三人が しゃべりながらだらだら歩いて行く。 タイの親子が ワイワイ言いながらソンテオから降りてきた。 替わりに別の家族が乗り込み 走っていく。 お茶を飲みながら 移り変わる景色を楽む。 ちなみに お茶代は 二人で たしか20 B。 前日 ニーマヘミンのスターバックスで飲んだコーヒーは 日本と変わらない価格。 (かなり高いタイのスタバ・・・チェンマイ大学のお嬢様達が優雅にお茶でおしゃべりを楽しんでいた。 )  この店は アンティ―ク家具や調度品を扱う店がたくさん入っている。 二階はコロニアル風のホテルになっていて とても味わい深い建物だ。 ( 情報センター出版局 たっぷりチェンマイ の123頁 No.16の写真参照。)

ホテルに帰って シャワー浴びて ご飯を食べに行こう。  
タイ料理 韓国料理 中華料理 イタリア料理 奥様 今宵は如何いたしましょうか・・・。
チェンマイを ぶらぶら ホテルまで帰る。 けだるい黄昏のチェンマイもまた いいものです。



 チェンマイは居心地が良い・・・また 近いうちに戻って来る事にしましょう。


200×年2月 チェンマイ

    参考文献とサイト
     タイ雑貨紀行 
アジアの道具・家具の魅力を探る 日経BP企画  
         チェンマイを中心に バンコク ルアンパバーン シュエムリアップ等 東南アジアの雑貨ショップ情報豊富

     現地フリーマガジン まっぷらす Maplus           
         見やすい地図と ショップ レストラン 時刻表 情報など


     サワディーチャーオ チェンマイ   
         チェンマイの情報サイト ホテル・レストラン・ショップ情報豊富 掲示板は有力な情報源











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