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何時見ても素敵な本堂。  江戸時代中期に造られたものだそうで、上田市指定文化財になっているそうです。

常楽寺は、平安初期の大火の後に比叡山延暦寺(天台宗)の座主・慈覚大師円仁によって、

北向観音の現れた場所として開創されたそうです。 

 その頃から、常楽寺は天台教学の拠点だったそうですが、江戸時代になって長楽寺が廃寺になった後は、

北向観音も管理する様になり、天台宗の別格本山になったのだそうです。

 住職の半田孝淳氏は、256代天台宗座主として、今年から10年間にわたる天台宗大法会に入られたそうです。

 

本尊は、妙観察智弥陀如来・宝冠をいただいた阿弥陀仏・江戸中期の作だそうです。

本堂脇の坂道を登り、国の重要文化財に指定されている多宝塔を見学します。

  北向観音が出現した場所に建てられたという多宝塔・中央は最初は木造だったそうですが、

鎌倉時代になって石造となつたものだそうで、石造多宝塔で重文にしていされているのは、

滋賀県・小菩提寺とここの二基だけだそうです。 

 裳階の上の饅頭型が特徴だそうです。  

右の多層塔・市指定文化財は、長楽寺近くの大島屋旅館裏で発見されたものの一つだそうで、

関西の旧家にあったものを昭和になつて、再建したものだそうです。

タラヨウ・葉書の語源にもなった木だとか。

最後は、駐車場にある梅楽苑さんの梅羊羹を仕入れて次の安楽寺さんへ向かいます。

崇福山護国院安楽寺:曹洞宗
   
安楽寺本堂。 

山沿いの道を安楽寺へと向かいます。    今日は上信越国立公園の山並みもはっきり見渡せます。

参道を行くと途中の木立に、キツツキやムササビのあけた穴を見かけます。

屋根は現在は銅葺きになっていますが、常楽寺と似たたたずまいのお寺です。

本尊は釈迦如来。 別所一帯は平安末期に木曽義仲によって焼かれてしまったそうですが、

安楽寺も八角三重塔を残して全て消失してしまったそうです。 

 鎌倉時代になって、塩田北条氏の庇護をうけ、樵谷惟仏禅師が臨済宗の寺として開山したのだそうです。 

  北条氏の滅亡後は衰退したが、桃山時代になって曹洞宗となって再興したのだそうです。

式台玄関。      屋根には寺紋の三つ鱗・北条氏の庇護の厚かった様がうかがえます。

   

本堂脇の門をくぐって、さらに上がった所に国宝の八角三重塔があります。 

 八角三重塔は、平安中期に平惟茂が建て、平安末期の木曽義仲の焼打にも焼失をまぬがれたそうですが、

現在残っている建物は、当地の守護として塩田北条氏がまだ威を張っていた鎌倉末期に、

北条氏の供養塔として再建されたものだそうです。 

 奈良、京都にも八角禅宗様の塔婆が存在したとの記録はあるそうですが、

国内に残っているのはここだけだそうで、県内では一番初めに国宝に指定されたものそうです。 

 先生によると、チベット、中国にも八角塔はあるそうですが、これほどの塔は無いそうです。 

 屋根は昨年改修されたそうで、塔全体が随分と明るくなった感じがしました。

初層の屋根は、ひさしだそうで裳階・モコシと言うそうです。        屋根は扇垂木。   

トキョウは三手先の詰め組。             欄間は波連子だそうです。

三重塔の中には、大日如来が祀られているそうです。

三重塔への坂の途中の傳芳堂には、重要文化財の開山二世和尚(惟仙和尚・恵仁和尚)像・鎌倉時代がありました。

経蔵、中には一切経を納めた輪蔵がありました。   いずれも市指定文化財だそうです。

北向山照明院常楽寺:北向観音・天台宗

門を出てちょっと行くと、北向観音の山門があります。   

北向観音の石段の登りにかかった所に、三楽寺の一つの長楽寺跡を示す碑が建っていました。

温泉薬師瑠璃殿・薬師堂は江戸時代に薬師講の人達によって再建されたそうです。 

愛染桂・樹齢1200年。杉は雌雄同株ですが、桂は雌雄異株だそうで、この桂は雄株だそうです。

桂の木とともに、川口松太郎氏の愛染かつらのもととなった愛染明王堂。

札所観音堂の脇に、絵馬と仁王像が納められていました。  

これは、北向観音とどんな関連があるのでしょうか。

北向観音は、平安初期の大火の後に比叡山延暦寺座主・慈覚大師円仁によつて大火のさいに、

難民を救った千手観音菩薩を祀って開創されたものだそうですが、

平安末期には木曽義仲との戦火によつて焼失してしまったそうです。  

 その後、源頼朝の命で伽藍復興が行われ、塩田陸奥守北條国時によって再建されたそうです。

しかし、江戸時代に再度焼失し、その後に建てられたのが現在の観音堂だそうです。

  昭和36に増改築を行い、善光寺本堂と同じ撞木造りの屋根となつたそうです。  

 山号は北向山、これは長楽寺の山号だそうです。

本尊は千手観音菩薩。  善光寺等来世利益を願い浄土を向く寺の多い中で、北向観音は、

北斗星にちなんで北を向いた寺として、現世利益にご利益があるとされているそうです。 

 
 
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