■ソニートリニトロンモニター PVM-9040 改造への道のり1

あるルートから極秘に入手した業務用9型トリニトロンモニターの中古品(ジャンク)が手元に2台ありまして、
調子良く動いていればノンリニア編集のモニターとして利用するのですが、モニターのケースを開けて調整しても
色ズレ・画面歪みや焼付きなどがあってそのまま使用するには難しそうなので数週間棚に飾ってあったのですが・・・。

業務用のデザインはカッコ良いので何かに利用出来ないかと検討した結果、デザインはそのままで液晶モニターに作ることにしました。

←コレがゲットした業務用モニター

SONY PVM-9040

当時の定価で85,000円だったようです。

グレードとしては一番下っぽいので
タリーランプやブルーオンリー、
アンダースキャンなどのスイッチが省かれています。

上位機種はPVM-9045Qで200,000円みたいです。

-----------------------------------------------------------------------------------


上位機種と違って前面のスイッチ類が寂しいですねぇ〜
出来れば同じデザインだと良かったのですが・・・

裏側も入力端子が少なく、
バッテリー取付け穴は目隠しされています。
上位機種のPVM-9045Qを
ネットで見たら9040の機能の少なさに
気付いてしまったので、
9045Q風のデザインに少しは
近づけたいですねぇ〜

と、言っても、拘って作りすぎると
完成しないハメになるので
妥協+行動力で作ります。

-----------------------------------------------------------------------------------

▼早速分解▼

業務用モニターの分解は初めてだったりします。

そー言えば、業務用のデジタルビデオカメラも所有していたものの、
1回も分解することは無かったですねぇ〜
値段が高すぎて分解するのも怖い感じでしたしね。

←コの字になった上蓋を外すとこんな感じ。
基板が左右に綺麗に配置されていました。


トリニトロン管を外す為に、表面パネルを取外し

4個のナットで簡単にトリニトロン管を引っ張れました。


陽極端子部分は摘めば外れるハズが・・・
ゴム部分が凄く邪魔をしてダメでした。

ゴム部分を固定している接着剤?が全然取れなくて断念


まぁ、それでもトリニトン管のみに何とかなりました。


トリニトロン管を取外すと基板のみに
なって分解が簡単になりました。

ネジを外すと基板が左右に開く構造になっていて、
調整や部品交換が楽になっているとは・・・ 初めて知りました。

基板は壊れていませんが、今回の液晶化には
不要なので左右2枚の基板は取り外しします。


縦置きされていたスイッチング電源も
簡単に取り外し完了

上位機種だとバッテリー駆動できるよーなのですが、
ケースは共通らしいのでNPバッテリーが2本入るスペースがありました。


裏蓋はこんな感じ、Y/Cとコンポジット入力のみで
コンボーネント入力はありませんでした。

モノラルスピーカーはケースの底に位置していました。

表面パネルは4個のネジで簡単に取外しができましたが、
今後、この部分が一番加工をして苦労する部分になるハズです。

フラットトリニトロン管では無かった為に、
多少、枠の内側が球面になっていて
そのまま液晶パネルを固定すると上下に隙間が出来てしますので
パテか何かで隠す予定です。

あと、画面左下のスイッチがなにも無いスペースも何かしたいですね。

まぁ、アイデアを考えている時が一番楽しいので、
無謀な工作以外は実現させる予定です。


表面パネルの裏側は・・・
上位機種用のスイッチ穴が表面シールで隠されていることが判明。
コツコツ穴を開けてスイッチでも取付ける予定です。

パワースイッチ部分の近くには何か丸い跡が・・・
U字の保護用の金具が上位機種では
取付けられる為の位置らしい。コレも取付ける予定。

-----------------------------------------------------------------------------------

▼液晶パネル購入▼

画面比率を「16:9」と「4:3」で悩んだ結果、今回は4:3比率の液晶パネルを利用します。
トリニトロン管では9型と明記されていますが、映像が表示されている部分だけを実際に測ってみると対角線でピッタリ8インチでした。
早速、8インチタイプの液晶パネルを探してみたのですが、最近はワイドパネルが多くなってきて4:3は意外と種類が少なかったです。

ちなみに、今回購入した制御基板や周辺機器は新品で、液晶パネルのみパチンコで使用されたリサイクル(中古)パネルです。
ただ、中古と言ってもパチンコで使用された液晶パネルはアクリルのケースで表面を守られているのでキズがなくて程度はとても良いです。
今回初めて液晶関係を海外から輸入したのですが、思ったより早く届いて注文してから4日程度で届きました。


今回入手した液晶パネルは、SHARP製 LQ080V3DG01 です。
高輝度で視野角が広いらしいので、コレに決定してみました。

制御基板は、LQ080V3DG01用に設定済みのタイプを購入。
チップはGENESIS社 GM2221 でした。

今回の基板は入力が豊富で、RGB、ビデオ、S端子(Y/C)入力
ステレオ音声入力もありました。電源は12V仕様。

安い制御基板を購入すると毎回思うのですが、
直感的に操作が出来ないメニュー画面には不満がありますね。

液晶パネルと接続する為に
変換基板を使ってフラットケーブルにしてありました。

リモコン、ACアダプターも付属


スピーカーも2個付属してました。


RGB入力でWindowsの画面も映せますが・・・
パネル解像度(640x480)の関係でSVGA(800x600)を
入力しただけでも間引きされた映像になりました。

拡大して撮影するとこんな感じ、
お世辞にも綺麗とは言えません。

逆にRGB入力以外の
ビデオやS端子での入力時は
640x480ドット液晶パネルのお陰で
無駄な処理が無くて、それなりに
綺麗に表示していました。

多少、画面全体にノイズが入ってましたが
ケースに入れれば改善されるのでは?
と、期待して作業を先に進めます。

あと、バックライトの輝度調整が
納得できる感じなら良いですが・・・


購入した液晶パネルで気になっていたバックライトの
構造を見る為に、分解してみました。


1灯タイプの冷陰極管だったのですが、
ちょっと特殊な「コの字」タイプでした。

-----------------------------------------------------------------------------------

▼表面パネル加工開始▼


液晶パネルはトリニトロン管と違ってフラットなので
枠部分の上下を左右と同じよーにフラットに加工します。

看板を作って余ったアクリル板を利用してパテ盛をする準備を・・・
モニターの枠部分に両面テープを貼ってからアクリル板を固定します。


こんな感じに両面テープで固定

定番なポリパテを使って平面にします。


モニターケース内側は大雑把なパテ盛です。

表面はアクリルパネルのお陰で綺麗にフラットです。


数回パテ盛を繰返して研磨後の写真です。上下同じよーな加工をしました。

パテ盛をしたことで、液晶サイズ8インチピッタリです。


今度は黄色いパテで仕上げをします。

青色パテに比べると柔らかくて細かい隙間を綺麗に埋めてくれます。


600番の耐水ペーパーで研磨して無駄な部分を研磨します。

写真では解り辛いですが。凸凹のない綺麗に表面になりました。


裏側も無駄なパテは研磨してあります。
パテ盛した枠部分を黒く塗装したいのですが、
電源スイッチ周辺の操作スイッチ系を
追加したいので、塗装は最後にします。

今回の改造で一番してみたかった部分が
モニター枠の平面化だったのですが、
思ったより簡単にパテ盛が出来てしまいました。

毎回そーですが、簡単だと思っていた部分が
超大変だったことが多いので
今回もこれから作る部分が大変なのでは??
と、ちょっと怖い感じがありますねぇ〜

▼ケースサイズ縮小▼


このパーツは底板です。
トリニトロン管と違って液晶パネルは奥行きがないので
ケース全体の奥行きを半分程度にする予定です。

ただ、薄くしすぎるとモニターを重ねる時(多分無いと思える状況)に
安定しないので、それなりの奥行きにします。

ケース内部は樹脂で、ケース外は鉄で囲まれています。
鉄の溶接をチャレンジしてみようかと思いましたが
今回は妥協+行動力が目標なので切断みので完成させます。


先ずは樹脂側をノコギリで底面をカット、前後の樹脂のみ利用します。

底の鉄板は半分に切断後、足が出る為の丸い穴を開けました。


上面のケースは多少厚い鉄板でした。

万能バサミを使って大雑把に切断中


先ずは分離完了


更に万能バサミを使って丁寧にカットします。

上部部分は前面パネル樹脂と合体する為に余白を作りました。


ケース内側から見るとこんな感じです。1cm程度の幅を曲げて加工してあります。

外側から見ると、こんな感じです。前面パネルとピッタリです。


今まで作ったパーツを仮に合体

かなぁ〜り奥行きのないモニターになりそうです。


後ろ側は端子類を増やす予定

この続きは「ソニートリニトロンモニター PVM-9040 改造への道のり2」で紹介します。

------------------------------------------------------------------------------------------------------

戻る