![]() 正面からの様子 ユニットの最大外形がΦ800mm有ります |
![]() サランネットと移動用のハンドル(側板)を装着 |
![]() 底面がよく見えるアングルからの画像 |
![]() 右側下は20cm口径フルレンジユニット |
80cm口径ユニットの取付はチェーンブロックで吊りながら行います |
過去最強の板厚と補強構造で80cmユニットに対応させます |
支輪(天板部の装飾)の様子 中央部には振動対策の為の分厚い板材が嵌め込まれます |
台座(底部の袴)の様子 約300Kgの重量を支えます |
![]() 組立時は締め具を入れると400Kg! チェーンブロック3台でハンドリングします |
![]() ![]() ![]() ![]() ![]() 大量の極上つき板/特製加工具/3m級のウオールナット材、 手工具/塗装の様子等々 |
![]() ![]() 既存スピーカーのデザインはあまり参考になりません パイプオルガンの重厚さと存在感をイメージします |
![]() ![]() ![]() お客様と何度も基本デザインについて打ち合わせをおこないます、 初期段階のラフスケッチの例 |
概 要 FOSTEXのFW800を使ったサブウーファーを製作して欲しいとオーナー様から問合せが来ました。 私なりに「この言葉の持つ重大さを理解して」打合せに入りました。 この80cmユニットの存在をいつから知っていたのか定かではありませんが、 このユニットを使った使用例では、ドアを補強して改造した押し入れ、 リスニングルームに隣接した壁にユニットを取り付け部屋をエンクロージャーとする、 だいたいそんな記事内容を見聞きしていました。 これらの代用エンクロージャーでは共振が酷くて防振対策に負われて疲労困憊。 その対策後でもまともな解像度の低音は望めなかったとも記事にはあった様な... FW800をまともに使うには内容積が最低500L超となりますので簡単には導入出来ません。 巨大過ぎて部屋に置けない、家に入らない、費用負担に耐えられないなど多くの難題が控えています。 今回のオーナー様はこれらの事情を承知で、FW800をエンクロージャーに納める選択をされました。 使う側に確かな思い入れが有りますので、製作側にも負けない拘りを持って対応しなければなりません。 開業時のウッドウイルではFW800クラスの超大型エンクロージャーを製作する事になろうとは想定していませんでしたので、 工房の設備や製造ノウハウなども新たに導入する必要に迫られました。 ただ、世界最大のユニットを真正面からエンクロージャーに納めると言う貴重なチャンスを活かしてみたいという 強い希望が有ったので挑戦する事にしました。 通常サイズのスピーカーとFW800用とでの違いとは... この記事を読んで下さる方、次の事を想像してみて欲しいのです。 直径10cmの円を描く事を想像して下さい、A4の紙とコンパスを用意して普通の机が有れば容易に描けますね。 では直径80cmの円の場合はどうでしょう?、そんな大きな紙は何処に?そんなコンパスは売っていない、 机からはみ出してしまう....等々の問題が発生します。 スピーカー作りですから紙に描くだけでは済みませんね、描いて、くり抜いて、そのくり抜く元の一辺は1.5m有ります。 それを加工して組み立てて... それも身の危険を感じる程に大きくて重いのです。 その違いの大きさに戸惑いながらその都度対応しながらの製作が続く事となりました。 作品の音は? .通常、スピーカーはユニット振動板面積より大きな楽器の音を面積が足りないので、 ストロークで稼いで必要な音量を絞り出しています。やはり頑張っている音になっている様です。 FW800はそこが根本的に違います、殆どの楽器や音源は80cm口径より小さいのです。 その余裕とゆとり有る音には圧倒されてしまいます。 .演奏会では大太鼓やコントラバスは音の奔流となりステージから客席に流れ込んでく様に聞こえます。 大変心地良く酔いしれますが、音源から発する細部の表情は聞き取る事は私には出来ない事が殆どなのです。 録音手法も有るでしょうが、FW800での再生音では皮の張りや胴の鳴り、弦の振動に胴の響き、 それらが確認出来ます。これは未体験の驚きでした。 .エージング用に全曲パイプオルガンのCD演奏では工房が地震の様に揺れます。 工具、機会類を固定して効く事になりました。(大きくて試聴室に運べずに工房で試聴、エージングを実施) .FM放送を流しながらのエージングでは、各局スタジオの空調ノイズが体で聞こえます。 これも初体験、超低音をローカットしないで放送しているのですね。 .工房設置の10cm2Way4台+20cmサブウーファーのシステムとの共存では10cm2Wayの音が ノートパソコンの様にシャカシャカ音に聞こえたのは笑ってしまいました。 強大な低音エネルギーへの対応 .エンクロージャー用の合板ではベストと言えるバーチ合板を用いています。 .バッフルは勿論の事、6面の全ての面には流通している最高板厚を越えますので二重構造です。 .補強は画像から少し見えますが、これもパズルの様な複雑な構造で、 補強材の板厚と許容出来る不要振動からその補強間隔を考えて設計しています。 .パイプオルガンの演奏でもバッフル面の不要振動は感じられない程に仕上がっています。 仕上げは .内容積と寸法はオーナー様の希望から設定。 .外観デザインは画像の様に知り合いのパイプオルガン製造工房の作品を参考に決定。 音のスケールに負けない様な重厚感、存在感を醸し出す。 .本体平面にはウオールナットつき板張り。 .装飾部分や面取り部分にはウオールナット無垢材。 .ウオールナットの特徴を生かし、耐候性の有る着色ウレタン塗装仕上げ。 .この作品の為にスエーデンから切り出されて運ばれて来た専用の大理石の上に設置されます。 |
仕 様 1.使用ユニット:FOSTEX FW800HS80cm口径 ウーファー 2.インピーダンス : 8Ω 3.音圧レベル : 96dB/W(1m) 4.入 力 : 450W(Music) 5. 周波数特性 : 25Hz~1.5KHz(ユニットspec) 実測の再生周波数特性、内容積とバスレフのチューニングに吸音材 詳細はお問い合わせ下さい 6.構造/方式 :ロシア産ホワイトバーチ合板積層バスレフ型エンクロージャー パワーアンプ/イコライザー非搭載のパッシブ型 7.寸 法 :W1580(最大値)/H1340/D550mm 8.端 子 :バナナ対応大型独立型 9.配 線 材 :7NX-SPK550 スピーカー専用ケーブル 10.仕 上 げ :ウオールナット無垢+つき板 2液式吹き付け着色ウレタン塗装仕上げ(30%艶) 11.サランネット:サランハニカム生地+ジャージ生地の二重張り/マグネット装着式 上記画像には概要だけ掲載しています。 オーナー様には作品製作開始と同時にオーナー様専用HPを開設し、詳細に作品内容や開設を周知しています。 完成してからでは知る事の出来無い内容や、打合せや仕様では説明しきれない事なども画像と解説で 詳細に説明させていただきながら製作を進めています。 HPでの作品説明の制限 開業時からウッドウイルでは作品の詳細を画像と解説でHP上に公開して皆様にご理解をいただく方針で来ました。 上記のオーナー様専用HPと同等の内容でした。 最近では同業者も増え、そのノウハウが違う目的で使われて来ている現実を踏まえ方針を変えて簡略化する事に致します。 更に詳細をお知りになりたい時には、氏名/住所/電話番号/意図を添えてお問い合わせ下されば、 ケースバイケースに依りますがその都度対応させていただきます。 同業者からの問い合せは非対応です。 記事内容、画像等の転載を禁じます |