ＪＢＬ 1500ＡＬ ウーファーユニット用 エンクロージャーの仕様
ＪＢＬ 1500ＡＬ ウーファーユニット用 エンクロージャーの仕様 ．発注者は数年前に特注した箱形エンクロージャーにＪＢＬウーファー：1500ALを搭載し、エンクロージャー上部には 同じくＪＢＬコンプレッションドライバー：435Be＋山本音響SS-300（ウッドホーン）、JBLスーパーツイーター： UT-045Be＋特製ウッドホーンによる３Ｗａｙ構成のシステムで使用されています。 発注者の不満 ．発注者は低音の品質に不満を持っている。 ．平行面を持つエンクロージャーには定在波の発生が問題。 ． 〃 吸音材の使用が問題。 ． 〃 吸音材を使用する為に音響エネルギーをスポイルしてしまう （本来の良い性質を損う事） ．その為にエンクロージャーの背板を外して後面開放型として使用している。 理由は ．まとわり付く様な低音が消えて、音がスコンと抜ける ．いわゆる箱臭さを無くしている ．その為に最低域の再現性が弱くなってもかまわない。 発注者の希望 ．ヘビー級のシステムを追求するのでは無く、スーパーミドル級が良い。 ．ダブルウーファーでは部屋の制約からスピーカー間の距離が縮まり立体表現が厳しくなる。 ．その代わり中身がめちゃくちゃ詰まった凄味が欲しい。 ．ガチーンと縦に切り込んで来る様なトランジェントのいい低音が好みである。 ．ふわっとゆったりした量感を望んでいない。 ．大音量に上げてもガチッと受け止めてくれるソリッドなエンクロージャーを求めている。 ．強力なウーファーを羽交い締めにしたい欲望がある。 ．1500ALが吹っ飛ぶほどパワーを入れてみたい。 ．ウーファー1500ALの設計仕様に合わせてバスレフ方式とする。 ．サイドラウンドは必要悪の吸音材を激減させてくれる。 ． 〃 立体表現が優れている。 ． 〃 空間が出る。 ． 〃 音がスピーカーにべったり付着しない。 ．サイドラウンドで全ての機能のおいしいとこ取りを狙っている。 注）サイドラウンド＝本体の側板から背面にかけて曲面を持つ構造を指します。 製作側の対応と提案 ．当工房は顧客のニーズを汲んで木材やユニットの能力を最大限引き出した音を表現します。 ． スピーカー製作を通した表現者、スピーカー造形の表現／そこから出る音の表現を目指している。 ．市販のサイドラウンド方式のスピーカーシステムは他にもありますが、オーダーメードで製作する所は 他にはありません。 ．サイドラウンド方式を実現するには積層曲げ合板方式と無垢材100％積み重ね方式が提案できる。 ．内容積別／fob別の低域再生周波数限界のシュミレーション提示（fob＝バスレフダクト共振周波数） ．プロトタイプ製作： 内容積1/20のスケールモデルを製作して外観デザインを詳細に確認する。 同時に製作工法の確認も行う。 プロトタイプは独立したスピーカーシステムとしても音出し可能とする。 仕様の概要 ．構造方式： ．100％無垢材積み重ね方式（WING方式）サイドラウンドエンクロージャー ．サブバッフル（取り外し方式）によるバスレフ形／密閉型兼用方式 ．素 材 ： ．ハードメープル45mm〜50mmの無垢板材を使用 ．強度／音響特性／楽器的特性に優れる ．音響的に最適な伝搬速度や内部損出を備えている ．バッフル板：本体（内側）と取り外し式（外側）の二重方式 ．バスレフダクト：直径100mmでfob＝27Hz/30Hz/32Hzの３本からチューニングにより決定し 本体と同材であるハードメープル無垢ブロック材より削り出し製作実装する ．曲面反射板：平行面を持つ天板と底板内側に張り付け定在波減衰対策とする ．チューニング用補強板：構造的補強では無く音質調整用で取り外し方式 ．内容積：約170L（ユニット、補強材等のロス分を保証済みの値） ．寸法 Ｗ600mm／Ｈ900mm／Ｄ700mm ．板厚： バッフル：合計90mm（本体45mm／取り外し式バッフル45mm） 本体 ：40〜70mm 天板/底板：45mm ．仕上げ：白木用オイルワックス仕上げ（素材感を重視した自然な仕上がり） ．運搬移動用取り外し式ハンドル取り付け ．端子を使用せずスピーカーケーブルを直接ユニットに接続 ．吸音材は未使用 |
