概 要 新築のリビングルーム用ホームシアターに設置するスピーカーシステムです。 下がり天井を設けてそこから120インチスクリーンを吊り下げ、その左右中央に設置出来る様な構造で スピーカー寸法、取付、形状、外観などを設計制作しました。 当初はシアター用として市販されている埋込型を計画されたそうですが、取付、品質、価格などの 理由から注文制作で全ての要求に応える形となりました。 取付設置の説明 下がり天井(天井から壁状の突起が出た物)の壁と天井の角に取り付ける様にスピーカーエンクロージャーには 背面と天井側に取付穴を設けています。壁と天井にはどの位置にも木ねじや釘が効く様な補強壁仕様となっています。 配線材が外部から見えない様に直接エンクロージャーに挿入出来る様な位置に配線穴も設けています。 システム構成と音質の説明 120インチスクリーンの映像スケールと遜色の無い音響スケールを実現する様に限られた予算の中で工夫しました。 縦寸法の制限の中で横幅は取れる事から6インチ口径ウーファー2発で中低域の質感や量感を出します。 音質的にはポップス系音楽やボーカル再生を意識して軽やかで明るい音質の低音ユニットを選択しています。 高域側は音抜けやリアリティの良さを生かしてプロフェッショナル用途のコンプレッションホーン型ドライバーと 小型で指向性能の優れたコンプレッションホーンを組み合わせ、クロスオーバー周波数も2.2KHzと低めに取った ピュアオーディオとしても存分に楽しめる本格的な2Way構成としました。 音質はオーナー様より従来聞いていた物とはまるでグレードが違うとの感想をいただいています。 設置条件の天井コーナーという条件から中低域のブーストが懸念されますのでオーナー様自身でチューニング出来る様な 配慮を行っています。 外観デザインの説明 室内にとけ込める様にとの要望で塗装色や形状、特にコーナーに丸みを持たせた外観に仕上げています。 同様な配慮をサランネットにも行っています。 音質にも関連しますがスピーカー正面(バッフル面)は設置位置から視聴位置に向くような方向で 傾斜させています。距離や位置、指向性などにも配慮した結果です。 |
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仕様 1.構 成:6インチ低音ユニット2台+ホーン型高音ユニットによる2Wayシステム 2.ユニット: 低音ユニット Hi−Vi RESEARCH社 M6a Bass−Midrange 2台 6インチ口径(妨磁型)アルミニウム/マグネシウム振動板 Fs:47Hz max65W SPL:88dB 8Ω 高音用ドライバー SELENIUM社 DH200E COMPRESSION DRIVER 1台 スロート径1インチ チタニウム振動板 1.5KHz〜20KHz max200W SPL:105dB 8Ω 高音用ホーン SELENIUM社 HM17−25 BI−RADIAL HORN 1台 スロート径1インチ カットオフ1.5KHz ABS樹脂製 指向性 水平60度 垂直40度 3.クロスオーバー:2.2KHz ローパスフィルター(12dB/oct) ハイパスフィルター(18db/oct) 15ゲージ低損出空芯コイル/PPフィルムコンデンサー等の高性能パーツ使用 可変アッテネーターにより高域ドライバーのレベル調整可能 4.寸 法:W550/H280/D275(最大)mm 5.エンクロージャー:MDF材18mm厚 バスレフ方式 補強/チューニング済み 6.仕上げ:塗りつぶしによるエナメルウレタン吹き付け塗装60%艶 塗装色指定による ![]() |
![]() ボイスコイルキャップの無いウーファー2発と コンプレッションホーンの2Wayシステム 可変レベルアッテネーター付き |
![]() 目に付くコーナーはR処理で丸みを持たせています。 右に見えるのはバスレフ用ダクトです バッフルの傾斜は視聴位置を向いています |
![]() サランネットを取り付けた状態です |
![]() 試聴している様子 3台同じ仕様ですがバスレフダクトは室内中心に 向く様に出来ています |
![]() 試聴している様子 ピュアオーディオとしても楽しめます 今では少ない本格ホーン型2Wayシステムです |
![]() 組立完了したエンクロージャーとパーツを並べた様子 試聴機に続いて完成品でこれから組み込みと チューニングが始まります。 エンクロージャーの調整用補強材やネットワーク回路が 変更されて行きます |
![]() 上記のサランネットを取り付けた様子 |
![]() 上記のサランネットを取り付けた様子 |
![]() 上記パーツを組み込んで試聴/測定している様子 |