川内地方(薩摩弁)の方言
鹿児島県の薩摩地方には、昔参勤交代の時代に、宮中の隠密語が今も語り伝えられています。
昔、宮中は、外部からのスパイ防止に自分達だけしか分からない言葉を使っていました。
島津の殿様は、参勤交代の時、この言葉を自国に持ち帰り、使っていたようです。
この時の言葉の一部が、今も尚残っています。
こんな言葉や、川内地方(薩摩弁)の方言を、内田耕也氏の編集で一筆啓上してみたいと
思います。


1.「アイ」と「コイ」     男女の仲の、愛と恋ではありません。     使い方=アイ(あれ)・・・アイがヨか(あれが良い)         アイ(有る)・・・アイどんミせん(有るけれど見せられません)        =コイ(これ)・・・コイがヨか(これが良い)         コイ(代金)・・・米んコイ(米の代金)     ちなみにアイとコイを使って、「愛があるから恋をした」を、薩摩弁として     そのまま使ったら、「『あれ』があるから『これ』をした」となって意味が     通じない。この場合は「スッ(好き)じゃっで、ホレ(惚れ)たっじょ」と     と言わなければなりません。        内田耕也さんの話     これまで木場先生がこの稿をかいておられたとのことですが、私ごときが引き     継ぐのは誠にゲンネ(恐縮な)話しですが、センデ(川内)育ちのヨクレボ     (酒酔い)の落書き程度に見て貰えば幸いである、と語っていました。        2.「オカベ」= 豆腐のこと。     使い方=「オカベをタモイゴター」(豆腐を食べたい)となる。  3.「イッ」と「ケ」     続けて云うと=「イッケ」(行くんですか)となる。     使い方=イッ(行く)・・・そけイッど(そこに行くよ)         イッ(何時)・・・イッでんよか(何時でもよい)         イッ(息) ・・・イッもしはならん(息も出来ない)     イッの下に付く語尾変化で様々な使い方がされている。「イッキ」、「イッカ」、    「イッコ」、「イッモ」、「イッデン」などなど。それより面白いのが「ケ」です。     薩摩弁の紹介でよく使われているのに「ケ、ケ、ケ」と言うのがありますが、     ケの使い方はまことに複雑怪奇です。     二人の会話を紹介します。     A「どケケ」:B「ケケケ」=A(何処に行くの):B(貝を買いに)     A「ケケケケ」:B「ケはどけああケ」:A「ケならんだげーケ」        =A(貝を買いに行くんですか):B(貝は何処にありますか) :A(貝なら私の家に買いに来なさい)という会話になります。     単独に「ケケケケ」と使えば・・・(貝を買いに来なさい)となる。          会話の答えを見なくても意味の分かる人が本当の鹿児島人間?              (定期的に追加します。)

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