ハッセルブラッド500CMは、1970年に500C型ピントグラスを脱着式にして発売されました。基本性能は500C型と大差ありません。
ハッセルブラッドといえば世界に誇る名機として知れ渡っています。
カメラ雑誌のテストでも高い評価を得ています。確かに基本的な機構を全て揃えた質実剛健な造りには好感が持てます。しかし、標準レンズセットで42万8千円の価値が本当にあるのでしょうか?レンズの抜けも今ではブロニカのほうが高い気もしますし、ボデーはただの箱です。なにより国産機でないことが問題です。日本は、カメラの創世当時ドイツ製や優れた舶来製品を模倣しました。その後日本人の理想を追求した想像力が今のカメラ王国を築いたのです。カメラのニューフェース診断は常に輸入品に甘く、国産品に辛い。いつもこのテスト者には舶来コンプレックスがあると思いながら読んでいました。4×5の言わずハッセル使えは戦前生まれの方の言です。
      ハッセルブラッド 500CM
     ゾナー250mm f 5.6 T* 

ハッセルブラッドは、スウェーデンのビクターハッセルブラッドが作ったカメラです。オスカーバルナック、吉野善三郎、ハインツヴァースケと同様アマチュアカメラマンでした。ドライバーでもキズがつかないスウェーデン鋼、レンズはドイツ(西)のツアイス、シャッターもコンパーと世界の一流品を集めています。日本では工場で量産されますが、スウェーデンのイエーテボリでは、博物館のような建物の研究室の中で組み上げられています。このカメラ使用方法さえ過たず、常に作動させてさえいれば、調子も崩さず今でも十分使用できます。どんなに自動化が進みカメラが進歩しても写真を撮るということはシンプルな作業です。500C、現在使っても何ら不便は感じません。一生物の一品です。500ELは、500Cにモータードライブを装着した機種でビクターハッセルブラッド自らが考案しました。現代のモータドライブは秒間6駒を誇り、ハイスピードを売りにしていますが、このモータードライブは撮影に精神を集中するためのもののようです。このモーターは強力で、バックとボデーの愛称が悪いとバックが浮き上がることもあります。しかし中判では220のフィルムでも32駒でしかなく、70mmが特殊であることも考えると、使用目的も限られます。やっぱり中判は手動巻上げが好きだナー。
最近ハッセルはフォーカルプレーン機を生産している。元からあるレンズシャッターのレンズも使用できるのはとてもありがたい。しかし、205TTCはボデーだけで98万円もする。誰が買うのだろうか?私は絶対に買わない!!(買えない)

                                      

                   ハッセルブラッド 500C                          ハッセルブラッド 500EL
                   ディスタゴン 40mm 4.0                          ディスタゴン 50mm 4.0
                                               
      ハッセルブラッド 503CX                                        ハッセルブラッド500CM
      テレテッサー 500mm F8                                       ディスタゴ30mm F3.5
 ハッセルブラッド503CXは、500CMにストロボTTLダイレクト測光を備え、内面反射の防止に留意したカメラです。
 ファインダーもミノルタ製のアキュートマットスクリーンを組み込んでいます。当時ファインダーの明るさが絶賛されていましたが、明るいレンズを使用した際のピント合わせにはあまり効果的ではなかった気がします。しかし、テレテッサーを使用して有り難さが見に染みました。ピントの山が実につかみ易いのです。500mm使用時のミラー切れはいかんともしがたいですが、 ミラーアップも容易ですし、安定した機構で、ハッセルの中では一番頻繁に使用するカメラとなっています。
 高校時代、ハッセルなんてと言いながら、テレテッサーの500mmを英和辞書の裏表紙に描いていました。国産には無いデザインが憧れだったんだよネー。値段は高嶺の花だったけど・・・。この手のレンズは大概F8が、開放値として設定されています。その暗さからあまり天体写真には使用していませんが、それなりにシャープではあるとおもいます。ディスタゴン30mmは、円周魚眼です。周辺にごくわずかピントの甘い部分があります。造りは精緻を極めていますが、レンズシャッターであることから他の中判ボデーで使いのは、困難です。

                       
           ペンタックス6×7
                  

             
            ペンタックス 6×7                          ペンタックス6×7
            SMCタクマ―35mm F3.5                    SMCタクマ―55mm F3.5
ペンタの6×7は、信頼できるカメラです。しかし、電子シャッターであるがゆえにバルブ中も通電しバッテリーはすぐになくなってしまいます。これを解決するために無電源改造を施します。バッテリーがなくなった際、上がったミラーとシャッターをリセットするためのスイッチを利用しますが、穴にタップを立てる改造には8000円ほどかかります。サードパティーのプレートを買ば3,000円ほどで無電源改造を行う事が出来ます。このプレートを使用しタイム露出をするには、まずカメラからバッテリーを外し、リセットスイッチをロック、シャッターを押します。リセットスイッチをフリーにすれば、シャッターは閉じミラーが戻ります。ちょっと面倒って言うか、かなり面倒。使用する前に手順をおさらいする必要があります。それにつけても、以前は傷の付いたカメラなど見向きもしなかったのだけれど、使いこまれて真鍮の地肌が見えるカメラに魅力を感じるようになったのはなんでなんだろう。
 魚眼レンズは非常にシャープですっきり星が点に写ります。55mmF3.5も色のりは良いと思いますがやや内面反射が多く、特殊な条件下において、明るい光源が2重に写る場合がありました。

                                   

 ペンタックス67 ウェストレベルファインダー ペンタック300mm 4.5                     光映社吸引加工 裏面

 フィルムホルダーの吸引加工は、全面にピントを結ぶための必須の処理でした。
 幅広のブロニーフィルムは長時間の露出をするうちに、波打ったり浮いてきたりしま
 す。この浮きを抑えるためにフィルム厚板に穴を空け、厚板に吸着するわけです。
 フランジバックもコリメーターで測り直していますので、昼間使ってもバッチし。
 そのままだと、吸引ニップルから光が入り込みますので、プラグで穴を塞がなれば
 なりませんが、使い勝手は悪くありません。
 純正で吸引装置が付いたコンタックスRTSVといった機種もありますが、吸引が必
 要な長時間露出には対応していませんので、星野カメラとしては用をなしません。
 このカメラは、光映社で加工してもらったさい、リセットスイッチにもレリーズのネジを
 切ってもらいました。
 ところでペンタックス6×7と67とどこが違うのでしょうか。×が、有るか無いかの違
 い?
 特に変わったところはありませんので、内部の手直しがマイナーチェンジだったのか
 も知れません。星野カメラとしては、手探りで操作する場合が多いので同じ操作方
 法であることが大きななメリットとなります。
      裏紙のないブロニー220を吸引するための溝と穴

      

 ペンタックス645は、ペンタックスのセミ判フォーカルプレーン一眼レフです。
 Aの位置で絞り優先測光ができるのは初代645の特徴です。まだまだ侮れ
 ません。
 このペンタックス645は、ペンタックスの天体望遠鏡105SDと相性が良い
 為に購入しました。
 ペンタックス6×7のレンズも使用できるアダプターが用意され、2種類の
 フォーマットを切りかえる撮影には大変重宝しています。

 ペンタックス645
 6×7 SMCタクマ― 150mm F2.8

                                             

           コーワ SIX                                 コーワスーパー 66
           コーワ 55mm F3.5                          フィッシュアイ コーワ 19mm F4.5
 コーワのカメラは、コルゲンコーワの興和が製造していました。正確には繊維会社から出発し戦後製薬と光学製品の部門を起こしたわけですが、同じ系列の会社が毛色の違う商品を製造していたのです。1968年6×6フォーマットのカメラを販売致しました。それがコーワシックスです。コーワシックスはレンズシャッターを用いた一眼レフでストロボを多用するプロに好評でした。当時このカメラを見たときにこのデザインが本当に一眼レフ?と大変不思議な気持ちがしました。レンズが1個しかないだけで縦に長い形状はほとんど2眼レフで、カタログデータと新製品に興味を持つ年代には、イマイチ魅力不足でした。しかし、当時海外の6×6レンズシャッター一眼レフの代表は、ハッセルでしたし、フォーカルプレーンはローライSLでした。それに対する国産品はコーワでありブロニカでしたので、何時しかハッセルに遜色ない実力に魅入られました。渋みの有る発色は陶器などの撮影に深い色合いを再現しました。最近またコーワを使用するようになりました。

          
 コーワが製造したレンズは、2眼レフも含めその優秀さで内外に知れ渡っていました。そんな中で発売されたのが、円周魚眼 fisheye kowa 19mm f4.5 です。フロントキャップの径は135mmm。このレンズが何本製造されたかは知りませんが、(レンズナンバーについて質問を受けました。0が続いたあと下2けたが51です)唯一無二の6×6の円周魚眼。コーワのレンズ設計者はハッセルを凌駕した証として19mmF4.5を製造したように思えてなりません。
コーワスーパー66は、1974年に発売となりました。コーワsixにフィルムバックの交換機能を追加した物です。ちょっと気になる点はフィルム送付ローラーの太さです。コーワsixは、極太のローラーを使用していましたが、スーパーではかなり細くなりました。スリップしないか不安が有ります。スーパーになりデザインは円熟味を加え、操作感も向上しました。その後急激な円高と、ライバルの出現で姿を消しましたが、今になって新鮮な機種です。実を伴う機能とデザイン昭和レトロの最右翼です。機械制御である事からバッテリートラブルの心配はありません。

            コーワスーパー66
            コーワ500mm 8.0
 

          ブロニカ D                                          


     ゼンザブロニカ D                                                    ゼンザブロニカ D
     ニッコール 5cm F3.5                                                 ニッコール 25cm F4

ゼンザブロニカDは、吉野善三郎が自分の夢を叶えるために昭和34年製作したカメラです。数々の機能を備え、極めて高価格でしたが、機構的には不安定で1年と数ヶ月で製造を中止しました。ブロニカは、元々コンパクトケースやライターを製造していましたので、ステンレスボデーの造作は大変美しく目に写ります。荒い使い方をしなければ現在でも十分使用に耐えます。5cmのニッコールは、ボディーとほぼ同じに発売されました。大変シャープなレンズで、絞り開放から問題なく使うことが出来ます。逆光にも強く太陽を直接撮影しても周辺のコントラストは落ちません。後発のニッコール50mmF2.8は、マルチコートタイプも含めフレアーが出やすいことを考えると、この5cmF3.5は、秀逸の出来と言えます。

     ブロニカ EC−TL
ブロニカEC−TLは、絞り優先のAE機構をボディーに組み込んだ6×6のカメラです。電子制御シャッターですが、バルブはメカニカルで作動します。非常に使いやすいカメラでメインの機種として使用しています。
ゼンザノン40mmF4は、コントラストの高いレンズです。絞り開放ではやや周辺減光が目立ちます。
ニッコール40mmに比較して軽量なため、持ち運びには便利です。
 




         ゼンザブロニカ EC-TL
         ゼンザノン 40mm F4




       ブロニカ S                                  ブロニカ S2




















      ゼンザブロニカ S                           ブロニカ S2
      コムラー50mm F3.5                        ニッコール50mm F2.8

                                   



       ブロニカC                                  ブロニカC2
       コムラ100mm F2.8                          コムラ45mm F4.5
 ブロニカSはDの後継機種として、発売になりました。不要な機能を除いて価格を下げるとともに、機構的に安定しました。
 ミラーアップ機構を追加し、非常に静かなシャッターとなりました。
S型を使用した写真家として清水武甲が思い浮かびます。
 山岳写真を中心にいくつかの写真集を出していますが、「秩父悲歌」が心に残ります。秩父事件の足跡を追った写真集ですが、非常に情感豊かです。ブロニカのニッコールは比較的柔らかい描写をすると思いますが、それが白黒の表現のあいまって重厚な雰囲気をかもしています。
 S型の廉価版として、バック交換が出来ないC型が発売されましたが、逆に交換式のヘリコイドを備え1200mmまで対応するようになりました。C型を改良して220フィルムも使えるようにしたのが、C2型です。C型の改良版ということで結構売れたのでしょう。C型に比べれば、C2型は中古のカメラやさんで結構見かけます。C型もC2型も機種を表す側面のロゴは、Cのみです。120と220の切り替えがあるかないかで、C2型と、C型を区別することになります。オークション等でC型と記載してC2型を出品しているのを見かけますが8割が、C2型ですので注意が必要です。
 S型とC型の良いとこどりで、発売されたのがS2型です。S2にいたり、ブロニカは完成の域に達しました。
質実剛健な造りで、今でも使用している人を見かけます。現在メーカーは修理を受けつけていませんが、修理の専門店では問題なく直すことが出来ます。それだけ、素質が良いと言う事でしょう。
 何れも、機械式の降下式クイックリターンミラーです。機械式ですのでバッテリーの心配をすることなく、低温化でハードに使する事が出来ます。
 D型の最高シャッタースピードは、1250分の1秒でしたが、S型1/1000 C・C2型1/500 S2型1/1000となっています。S2型のシャッターが一番音もショックも大きいように思われます。元気な証拠でしょうか。反面静かなのは、D型でミラーアップ機構は必要ないと思われるほどです。
 スーパーコムラー45mm、スーパーコムラー50mm、ニッコール50mmとも非常に良く写ります。ニッコールは、F2.8と明るく開放で使用して真価を発揮します。
 コムラーの200mmを2本持っていますが、何れも周辺が弱いように感じます。それに比べると広角はなぜか良い写りをしてくれます。
 スーパー銘が付いているからでしょうか。それとも何処かのレンズのデッドコピーなのでしょうか。
 もしかしたら本当に技術力が高かったのかもしれません。 
 
  
    ブロニカ S2 black                     ブロニカ EC
























        ブロニカ S2                            ブロニカ EC
        ゼンザノン 50mm F2.8                   ニッコール 40mm F4

 前述のS2と色違いのブラックです。共に後期型のS2Aです。発売当時は複写等の際に反射が無いことからブラックが優れていると思っていました。しかし最近のAFがブラックのプラスチックボデーを多用しているのを見るに付け、「クロームの方が好みかな」と思うようになってきました。
 ECは、電子制御のフォーカルプレンシャッターを採用しています。このカメラはECーTLと異なりAE機構は装備されていません。また、バッテリーを外してシャッターを切りますと1/1000になってしまいます。星を撮るにはS2やEC−TLの方が優れているように思います。通常撮影におけるシャッタースピードの正確さ、内面反射の少なさから来る色乗りはECが最高かもしれません。
ゼンザノンの50mmは、シャープなレンズです。コントラストも高い方です。コンパクトなボデーにしては、周辺光量も豊富です。ただかなり乾いた描写をします。
 ニッコールの40mmは広角には珍しく空のディテールを表現豊かに再現してくれます。開放で使用すると四隅は暗くなりますが、その落ち込みも情感豊かです。開放で使用したい超広角です。ただフィルター径の90mmはかなり稀で、一般撮影に多用するPLフィルターが装着しずらいのが欠点と言えば欠点でしょうか。

                           


          ブロニカEC−TLU                            ブロニカEC−TLU
          ゼンザノン 80mm F2.4                      ゼンザノン80mm F2.8
 ブロニカEC−TLUは、EC−TLの後継機種であり従来のアナログ回路をデジタル回路とし、1/3のシャッタースピード設定を可能としている。しかし、実態はEC−TLのスペックダウン機のように思われる。シャッタースピードの表示が1/30〜1/1,000となり、従来の4S〜1/1,000に対し大幅に少なくなっている。一説には、優れたパーツの納入が不可能となり、EC−TLUが生まれたとも言われている。中判のカメラは絞り込んで被写界深度を稼ぐ場合も多く、そんな時には三脚を使用する。当然シャッタースピードはスローとなる。そのシャッタースピードが確認できないというのは、精神的に負担となる。もちろん絞りを開放にしてシャッタースピードを確認するのも一つの方法である。しかし、わざわざこのような方法を取ること自体が退化だと思う。製造年数を考えれば、EC-TLUの台数は少ない。ブロニカCと同様レアなカメラになるかも知れません。
 フォーカルプレーンのブロニカの標準レンズには、ニッコール105mmF3.5 ゼンザノン100mmF2.8 コムラー100mmF2.8 ゼンザノン80mmF2.8 ゼンザノン80mmF2.4 ゼンザノン75mmF2.8 ニッコール75mmF2.8DX ニッコール75mmF2.8等が有る。どれが最も優れているかと言うと正直よくわからない。どれもそつない写りをする。シャープさではゼンザノン100mmと言う所だが、色乗りの良さでニッコール75mmDX(HC)を揚げようか。カメラ雑誌の診断ではあまり高い評価を得ていないレンズだが、どことなくいいんだよねー。
 開放で星を点像に写すなら、やっぱりゼンザノン100mmとなる。ゼンザノン80mmF2.8はほとんどビオメターだし、8枚絞りの作りにもちょっと不安がある。中古は高いが、評判ほど良いレンズだろうか?F2.4はやや色が薄い気がする。たかが標準レンズされど標準レンズである。

                                

         ゼンザノン 40mm F4                       ゼンザノンPE30mm F3.5
ブロニカETR−Cは、バック交換の出来ない廉価版。しかし、遮光板を必要としないカメラは、モルトの劣化もなければスリットからの光線漏れも無い。ETR系のバックスリット部の遮光用金属プレートの接着にはやや不安がある。不安なく使え、結果失敗が少ないことが一番重要なんですね。Simple is best!ETR用MCゼンザノン40mmは、S2,EC用ゼンザノンと大差ないことから、同じレンズ系と思われます。
ゼンザノンPE30mmは、シャープな魚眼レンズです。開放でも結構使えます。ETR系のタイムは電池の消耗もなく使用できますが、レンズのタイム切り替えと、露出の開始終了が結構面倒です。フィルムを巻き上げレンズのモードレバーをAからTに切り替え、シャッターをリリーズ、閉じる際はモードレバーをAに戻すわけですが、暗闇でなおかつ電灯を使えない魚眼レンズの場合、手探りで全てをこなすには熟練を要します。
 



                                     
















         ブロニカETRsi                                          ブロニカSQ
         ゼンザノンPE45〜90mm                                   ゼンザノンPS 50mm 3.5

                                        

         ブロニカ SQ-A                                        ブロニカ SQ-Ai
         ゼンザノンPS 40mm F4                                 ゼンザノンPS 35mm F3.5

                                    

          ブロニカSQ-AmR                           SQ-AmRは、測量・測定用
          ゼンザノンS 40mm F4                       フィルムの直前のガラス板には縦横5つの座標が刻まれている。
                                                          

         ブロニカ GS-1                                       SQ&SQ-A 
         ゼンザノンPG50mm F4.5                               ゼンザノンPS35mm

 中版のズームは、何れもズーム比2倍程度のものが多く35mmの画角変化に慣れた目には物足りなく感じます。重いズームを持ち運ぶよりは、単レンズ2本の方が軽いかもしれません。ゼンザノンは45mm〜90mmとやや広角よりです。ゼンザノンは1:4.3の接写が可能です。風景を撮るにせよこの程度の接写能力は必要で、セコールの1.5mは物足りない気がします。
ETRsiは、レンズシャッターを使用していますのでストロボ全速同調します。昼の集合写真には重宝しています。ストロボのTTL調光の機能もありますが、こちらはあまり利用した事がありません。レンズシャッターであるが故にフィルムを巻かなければファインダーはブラックアウトしたままですし、レンズの交換も出来ません。レンズ交換の際、シャッターボタンに触れて一枚無駄にする事があります。ロックは面倒ですし、やや気を使うところです。ETRSiは、ETRSの改良型でストロボダイレクト測光やミラーアップ機構、バックの2重ロック等が付加されています。しかしこのミラーアップは複雑で、AEではシャッターが開いたままになってしまいます。まずフィルムを巻き上げ、AEファインダーをオートからマニュアルに切り替え、ミラーアップレバーを押し下げシャッターをリリーズ、ミラーアップレバーを元に戻し、その後で巻き上げの手順です。ついついミラーアップを戻す前に巻き上げてしまいますが、ミラーを戻すとフィルムを一枚無駄にしてしまいます。ミラーアップにこんなに神経を使うカメラはないと思います。ミラーアップはできるだけしない。これが失敗を防ぐ最良の方法かもしれません。使って気がつく問題点です。凝った造りの複雑な機構、何台ものカメラをとっかえひっかえ利用する方には、不向きかもしれません。昔のフォーカルプレーンの単純で確実な作動がいかに優れていたか、思い知らされます。
 ブロニカSQは、6×6判のカメラで明るいファインダー、小型のボデーとあいまってなかなかの使い心地です。プラスチックボデーはやや安っぽい感じもしますが、中身が濃い割に軽いのが特徴です。SQには魚眼レンズが用意されています。6×6には魚眼レンズがよく似合う。ゼンザノンPS35mmは可も無く負荷もない魚眼レンズですが、PE30mmよりレアかもしれません。
 ブロニカSQ−Aは、SQにミラーアップ機能を加えた物です。SQのレンズはSタイプとPSタイプがあり、性能もPSタイプが明らかに優れています。しかし、デザインはSタイプが好きだナー。特にゼンザノンS40mm F4は数あるブロニカのレンズの中で最も美しい形状をしていると思います。レンズに印された黄色い鉢巻がスペシャルな雰囲気を醸していますし、花型のフードも美しい。口径は魚眼レンズより一回り大きく、第2世代ブロニカの象徴です。
 GS−1はブロニカ初の67で発売当初からTTLダイレクト測光を備え、当時の技術では最先端の機能を有していました。重量も軽く肩に掛けてフィールドを歩き回るには便利でした。結局大きなモデルチェンジもなく20年間製造されました。平成14年、タムロンはフィッシュアイレンズを用意することなく製造を中止しました。
レンズシャッターを有するレンズには、単体でチャージできるものと、ボデーに取り付けてチャージする物が有ります。一眼レフのレンズシャッター機の大半が後者を利用するもので、他のボデーや自作ボデーに装着した時には非常に使用しずらくなります。一歩譲ってレンズを外しチャージしたとしても、レリーズが出来ません。レンズにレリーズ用の工夫がされた物もありますが、ブロニカにはないのです。接写リングを改造したレリーズ装置を是非開発して欲しいと思います。もっともブロニカのフィルムカメラは全て製造中止になりましたので、今となっては望むべくも有りませんが・・・・・・。
                                 

        ノリタ66 TTL                                    ノリタ66
        ノリタール 80mm F2                              ノリタール 55mm F4

 ノリタ66は、一時大変興味を持ったカメラでした。35mm一眼レフを大きくしたようなスタイルでとても使いやすそうに見えました。
 最初の中判をブロニカにするかノリタにするかとても悩みました。結局ニッコールを使用するブロニカを購入しましたが、ノリタのスタイルと明るい標準レンズに最後まで魅力を感じていました。もしノリタ66が簡単なセミ判切り替えの機能を有していたらノリタを購入していたでしょう。セミ判で使用できないかメーカーに問い合わせたことを覚えています。ブロニカはバックを変えることでセミ判として使用できますが、やはり使い心地が良くない。ノリタ645が出たらノリタ光学の歴史も変わっていたかもしれません。
 当時ファインダー交換により、内臓露出計を使用できるシステムが流行していました。ペンタックス67やニコンF、ミノルタX−1など巨大なTTLファインダーを用意していました。そんな中でもノリタのTTLファインダーは超巨大で、真に頭でっかちのガンダムでした。
 ノリタールの55mmは大変素直なレンズで、開放から使用できます。まあ明るさもF4ですので良くてあたりまえですが。
特筆すべきは80mmF2で、マミヤM645のF1.9が開放で生地の無い描写をするのに比較して、結構しっかりした写りをします。
ノリタ光学ではブロニカのレンズも作っていましたが、値段に対してとても良い写りをしました。ノリタ66(645)もう一度リバイバルで発売されないかなー。
                                         


    RB67 セコール37mm F4.5                          RB67プロSG セコール127mm F3.8
 マミヤRB67はレンズシャッターですので、自作カメラでの利用を考慮に入れ、購入しました。特に37mmは45で全周魚眼となります。描写性能では周辺の画像にやや甘く感じるところもありますが実用では問題ありません。早く45で使いたいよー。
                                               

           RB67プロS セコール50mm F4.5                     RB67プロS セコール500mm F8.0

                                                             


          RZ67 セコール37mm F4.5                               RZ67 セコール100〜200mm F5.2

マミヤRZ67は、RB67を電子化したカメラです。RZのレンズはRB67に使用することはできませんが、RBのレンズはRZ67に使用することができます。そんな訳でRB67のレンズをそろえた方が合理的と思えますが、設計が新しいRZの方がシャープな気がします。

               



マミヤM645−1000S
セコール55mm〜110mm                           セコール24mmF4

 マミヤM645−1000Sは、非常にシンプルな作りです。昔のブロニカの使用感に似ています。当初は最高シャッタースピード1/500でしたが、後には1/1000となり名称も1000Sに変わりました。6×6はウェストレベルファインダーが無理無く使用できますが、6×4.5は縦横を切り替えなければなりません。その為には、アイレベルのファインダーが必要になります。中判はウェストレベルで使用するものと思っていた私にとってプリズムファインダーの倍率の低さには、がっかりしました。しかし、35mmの延長感覚で使用できるM645は、中版の入門機として最適です。さらにM645、M645‐1000S共にバルブ使用時におけるバッテリーの消耗は、SuperやProTLに比較して、少ないように思えます。
    
 フィルムバックの交換を可能にしたのがM645スーパーです。
 M645やM645‐1000Sは、電子シャターのみで最悪電池が切れるとシャッターが開きっぱなしになる場合がありましたが、M645スーパーは機械式のシャッターを加え緊急の場合にも対処できるようになりました。しかしバルブの電気消費は相当なもので、M645スーパーを天体カメラとして利用することは、あまり現実的ではありません。ペンタックス67のように無電源改造できれば可能性も広がるのでしょうが、あまり聞いたことがありません。結局使い難いブロニカのセミ版を天体カメラとして利用するしかないのです。マミヤのセミ版はproTLになり、再度機械式シャッターは廃止されました。コンパクトなセミ版としてエポックメーキングなM645でありながら、私のマミヤ製品使用率の90%がプレスであることは、このような理由に起因しています。デザインも良く、カタログデータが卓越していても、いざという時に使えなくなる可能があれば、出番はありません。

マミヤM645 スーパー
セコール 80mm f1.9

                                                      
マキナ67はプラウベル社の株を取得したドイ・インターナショナルが製造したカメラです。レンズはニッコールの80mm2.8でとても味わい深い写りをします。このレンズはブロニカのニッコール75mm2.8HCによく似た光学系をしています。私には写りもよく似ているように思えるのですが、あまりそのような話は聞かず、75mmHCよりも評判が良い。ブロニカと違い比較するカメラが無いからかなー。携帯時には折りたためる蛇腹カメラですので、手持ち撮影も容易です。マーシャルプレスは、マーシャル光学が製造したカメラですが、設計はマミヤ光機の間宮精一です。レンズは日本光学のニッコールが付いています。105mmF3.5のレンズは後にS2などのフォーカルプレーンブロニカ用のレンズに流用されたとも言われています。フィルムサイズは6×9用ですので、さぞかし重いかと思えば、ちょっと拍子抜けするくらいに軽い。片手で振り回せる重さです。このカメラにはフロントコンバージョンが用意されており、135mmF4.7と150mmF5.6があります。135mmF4.7の焦点距離は、微妙だなー。フロントコンバージョンはレンズの収差がでやすいため、あまり使用したことがありません。どうしても被写体の近くに足場を確保できない時用でしょうか。ニッコールを装備したマキナ67は後にマミヤで製造していましたし、マーシャルプレスにもニッコールが付いています。マミヤの創設者は柔軟性に富んだ考え方の持ち主なんですね。随所にマミヤらしさを感じることができます。
                                                    
             フジカGL690                                    フジカGM690U
             EBCフジノン100mm F3.5                           EBCフジノン90mm F3.5



                             



  キエフ60                                      キエフ645(キエフUSA)
  ミール3(ソ連製)65mmF3.5                         ミール26 45mmF3.5

   ペンタコン 6 TL                          サリュート C    
                    















  ペンタコン 6TL                            サリュート C
  フレクトゴン 50mm F4                      ゾディアック 30mm F3.5

 フレクトゴンは、東ドイツ製、ゾディアックはロシア製ですが、何れのレンズも独製のデッドコピーです。其の為なのか映りは非常にシャープです。
 ディスタゴンの設計を模倣したゾディアックのレンズ構成はディスタゴンとは若干異なりますが、後発であるだけに良く考えて作られており、写りは本家を凌ぐとも劣りません。価格的にもディスタゴンの数十分の一の金額で手に入れることができますので、コストパフォーマンスは抜群です。
ペンタコンシックスには、兄弟機種と思われる西ドイツのエキザクタ、ロシア製のキエフ60等があります。エキザクタを使用した事は有りませんが、ペンタコン6とキエフ60では、ペンタコン6の方が操作感がスムースです。しかし、耐久性ではどうでしょうか。不具合の有るペンタコン6も何台か見てきました。それに対し、良く調整されたキエフ60は信頼感があります。(重いせいか?)私のキエフ60は、フィルムの巻きの強さによって駒間隔が変わる等不具合も有りますが、駒と駒が重複する程にはなりませんので良く使用するのはキエフ60です。
 サリュートCは、ハッセルブラッドのコピーです。このカメラの絞りピンは、ハッセルのように引くタイプ、キエフ88のように押すタイプ両方に対応しています。機会があれば、旧ハッセルのレンズを使用してみたいと思います。 



           


 


  

 左   ミノルタコードオートマット(千代田光学)
     ロッコール 75mmF3.5

 右   ミノルタオートコード
     ロッコール 75mmF3.5

 ミノルタコードについて思うことは最も多く、思い入れが多いと評価を誤る。と、そんな事を思いながらあくまで個人的な感想だからいっかー。初めて使ったカメラは、実はオリンパスSIXでした。目測ピント合わせのカメラでしたが、とても良く写りました。次ぎが、ミノルタのSR7とミノルタコードだったと思います。当時、ニコンF2、キャノンF1等が発表されていましたが、何故か新型には興味を持ちませんでした。ミノルタコードは、祖父のカメラでした。ファインダーを覗いた時のすりガラスに映し出される美しい風景に感動したのを覚えています。一辺でウェストレベルの虜になりました。写真を撮る為の道具として使うことのたのしさを教えてくれたのもミノルタコードでした。この頃暗室を始めました。ロッコールで撮った風景は引き伸ばし用のフォーカスコープの視界の中で無限の解像力を見せつけました。その後いくつかの中判を使いましたが、その度にロッコールの描写と比べガッカリさせられました。未だにロッコールを超えるレンズにはめぐり合えません。透明にして繊細な描写。ミノルタコードロッコールの真骨頂です。大体最近のレンズは、気に入らない。新型AFの標準ズームは明らかに手抜きで周辺でピントが甘い。コンパクトカメラの望遠側は暗くて実用にほど遠い。スペックばかりで使えないレンズがあまりにも多いように思います。そして、壊れれば部品が無くて修理不能。このままでは、デジタルに席巻されてしまいます。(デジタルが嫌いと言うのではなく、デジタルと銀鉛とは異質な物だと考えています。)ミノルタコードのロッコールがある故に、ローライフレックスが買えない。20万もだしてロッコールほどに写らなければどうしよう。持つ事の喜びは、常に描写性能の卓越していることを前提としています。オートコードで写した写真は、ニコンやハッセルでは表現できない情感を写し出します。あるがままを写しながら、撮影者の心の動きを挿入する。そんなレンズがロッコールだと思います。美しい仕上げも所有欲を描き立てますが、基本はそこにはないのです。ミノルタオートコードは、ミノルタコードの後継機種です。レンズの写りに大差在りません。

マミヤフレックスC セコール80mm 2.8               マミヤフレックスC2 セコール80mm 3.7
マミヤ初のレンズ交換式2眼レフカメラ                                大型三脚装着用に邪魔となる前足を外す
レンズ交換の際には、遮光板を上げる                                              距離目盛を設ける
繰り出しノブは一つだけ                                                   繰り出しノブが2つになる


マミヤC220 セコール80mm 3.7                  







マミヤC22 セコール135mm 4.5


C22の後継機種                                      C33からセルフコッキングを省略
小型軽量化が施された                                        パララックス表示を省略
ファインダースクリーンは固定式                             巻き上げクランクからノブ式とする


マミヤC3 セコール55mm 4.5                マミヤC33 セコール 105mm 3.5

   クランク巻き上げとする                                         セルフコッキング
2重露光防止機構を加える                                       パララックス自動補正


マミヤC330 セコール65mm 3.5             マミヤC330f セコールスーパー180mm 4.5
オートマット方式となる                                     ワンタッチ式ピントフード採用
圧板を変えるだけで120と220の切り替え可能                         繰り出しロックレバー追加


              



マミヤC330S セコールDS105mm 3.5                           マミヤC330S 250mm 6.3
マミヤC330プロフェッショナルfのダイキャストボデーがプラスチック化される。シリーズ最終型となる。


2眼レフの魅力って何だろう。少ないシャッターショック。フォーカシングスクリーンに映し出される美しい映像。マミヤのCシリーズは、レンズ交換が可能です。レンズを交換することにより、1眼レフと同様拡大した画像も見ることができます。普通2眼レフのビューレンズはピントが合わせやすいように明るくても収差のあるものが多いのですが、マミヤCシリーズはビューレンズもテイキングレンズも同じ構成のレンズを使っています。これってとっても贅沢なことだと思います。C3型以降プロフェッショナルの名称がついていますが、正にプロの使用を意識したものです。同じ収差を持っているレンズはパラメンダーを利用してもピントのずれはありません。レンジファインダーカメラに望遠レンズを付けた場合、二重像合致のピント合わせは可能だとしても画像は拡大されませんので、恐ろしく精度は低下します。Cシリーズは拡大された画像でピントを合わせることができ、長時間露出中もファインダーはブラックアウトしません。Cシリーズのレンズは、とてもシャープで、落ち着いた発色をします。至れり尽くせりのカメラですが、重いことが最大のネックです。プラウベルマキナなどのレンジファインダーカメラはその軽さゆえ山岳写真にもスナップにも向いています。中判の一眼レフは重い交換レンズ故に車での移動が不可欠で、大型三脚と共に利用することで風景写真に威力を発揮しました。私の場合2眼レフは、レンジファインダーカメラと同じような利用方法が多かったように思います。それ故マミヤのCシリーズは妙に中途半端な立場となってしまいました。首から下げて散歩するには大きすぎるのです。私にとってあらゆるシチュエーションに対応するマミヤのCシリーズは、世界一贅沢で趣味性の高いカメラとなっています。

 HOME