MASUTER CROSS
第五話『俺達の安らぎ(後編)』





………………
静かだった……そう、あまりにも静か過ぎた。
そこには何もないかのような感覚が俺の中を駆け抜けていく。
寒い……暗い……
混沌……そう、これは混沌と呼ばれるものだった。
なにもない、何も感じない、何も見えない……
怖い……とは、思わなかった。
この闇に慣れすぎてしまったのだ。
そして、次に過ぎるのは俺が人を何百と屠る姿。
!!!!!
やめろ!!やめてくれ!!
俺は自分の映るその姿に恐怖した。
ああ……いっそ全てを忘れてこの闇と一つになってしまえば……
そう思い俺の精神が飲み込まれそうになった時。
(だめ!!)
強い声がした。
叫びにも似ている声だが強い声である。
そして、俺はその声が誰のものであるか一瞬で理解した。
いや、思考はままなっていなかったから感覚で分かったのかもしれない。
(お願い……前を見て!自分の……過去と向き合って!!)
その声と共に先ほどの映像が更に繰り返される。
虐殺する俺……それを笑いながら見ている……俺の父、インフィニティ。
だが、先ほどと違って恐怖するほどの感情は生まれなかった。
……ふわりとしたそんな感覚、そんな感覚が俺を包んでいるせいだろうか?
そして、全ての映像が終わった時俺の前には一人の少女がいた。
金色の髪、海よりも尚美しいブルーの瞳。
そう、フィセアだ。
『フィセア』
俺は、目の前の少女に囁きかけた。
そして、静かに近づく。
だが、彼女は頭を振り俺を拒んだ。
『もう、行かなくちゃ……』
そう言い、後ろを向く。
静か微笑みながら彼女は手を振った。
そして、もう一度言う。
『私に、縛られないでね』
と……俺は、歩みを止めそして軽く苦笑をもらした。
『そう、だな』
俺はそう言うと立ち止まり、手を振った。
『またな』
と。そう……またな、である。
もう一度逢おうという俺達の盟約。
『うん、またね。銀……』
そして、彼女の存在がまた消え始める。
だが、消える一瞬間前……突如としてフィセアの姿が変わった。
美しくあでやかな黒髪、優しげな目元上品な服装……頭にはバンダナを巻いている。
まるで音楽家がするような服装である。
『銀……』
そのつぶやきと共に彼女の存在は消えた。




「夢、か……」
俺は、額に手を当てたままそう囁いた。
ここは俺の部屋、真っ暗な場所ではない。
視界に映るのは自分が買ったもの……作ったもの……
「ふう」
静かに息を吐く、正直言えば体中から力が抜けていくような感じがする。
それは先ほどの夢のせいだろう。
またね……か。
俺は心の中でその言葉を反響させて見る。
痛いほどに締め付けられそうになる心。
だけど、あいつは言った。
私に捕らわれないでね……と。
「簡単に言ってくれるぜ……」
それでも、心のどこかで何かが外れたような感じがした。
別に重荷ではなかった。
だけど……それでも……俺は……
彼女の事をどこか重荷に思っていたのかもしれない。
だから、あえてこういおう。





「さよなら……俺の中のフィセアよ……」









ぴぴぴ……
ケータイが鳴り響く、俺はケータイを見てみた。
時刻は9時、遅くはないがあまりこう言う時間に俺の友人は電話をかけてこない。
だとすれば……
「仕事か……」
俺は、ケータイを手にとった。



そして、物語は新たなる局面へと移行する。
何故なら、これは全ての物語の始まりなのだから……





MASUTER CROSSANOTHERへと続く。




魔龍と???による座談会。


魔龍:どうも、魔龍だ。
???:あ……こ、こんにちは……???=???????です。
魔龍:……もろに分かるな、作者の小説読んでる人には、誰か。
???:で、でも、どうして伏字なの?
魔龍:とりあえず、未来の事だからじゃないか?
???:……そう、ね。
魔龍:詳しくは、悠久幻想曲関連のホームページ『α‐SPEACE』で、作者の小説、『悠久幻想曲ORIJINAL ALBAM』を読んでくれ。
???:……文字、当てればすぐに分かると思うけど……?
魔龍:そうだな、分かった人は答えをSSSさんの雑記帳に書いてくれ。
???:うん……
魔龍:しかし、ここ最近こう言うシリアスを作者は書かないからなぁ。
???:うん、ここ最近『ORIJINAL ALBAM』の方でもギャグばっかりやっているから……
魔龍:『LOST MIND』なんて目も当てられないし。
???:あ、あれは……その……
魔龍:ははは……作者殺す。(マジです)
???:え…あ…そ、その……
と、いって魔龍が出てったところでお開き!!て…にげろぉぉぉぉ!!(滝汗)


ろう・ふぁみりあの勝手な戯言〜

・・・むぅ。
魔龍さんってば、悠久も書いていたんですかー。
『α‐SPEACE』ね。今度探してみますか。

それはさて置き。

はい。とゆわけで、マスタークロス完結〜・・・ってか、第一部完結(?)みたいな感じですね。
すぐさま、「ANOTHER」に続きますし。

さて、けっこ謎だった魔龍さんとフィセアさんの関係が、少しだけわかった様な気がします今回。
その関係が後々どうなっていくのか、楽しみに取っておきましょうっと。


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