五百年前―――それは起こった
絶対に起こしてはならないものなのに…一人の少女のせいで起こってしまった大惨事
樹で覆われ大陸――
そこは光に支えられている所だった。
創造神黄龍の創り出した地『樹の大陸』
それを取り囲む四神達。とても平和で愛に満ちた世界だった
しかし・・・その光に対なす闇の力を持つものがいた。
彼らの名は闇の民エターナ。
エターナは光の民には出来ぬ多彩な力を持っていた―――
創造主は何を考えたのでしょう?
彼らエターナが居なければ参事は起こらなかった
欲深き光の民はそれを欲しがった。
――――エターナ討伐
元々数の少ないエターナは更に数を減らし、その力は光の民へ利用された。
エターナは人として扱われない…あくまで道具なのだ
光の民はそういった。…そう…確かに言っていた
そして―――――
エターナはいつまでも黙ってはいられなかった――自分達の為にも
世界の為にも―――
大きな戦争。どこのエターナが反抗しだしたのかは知らない。
だけどその行為は決して間違いだとは思わない…
きっと、エターナが反抗しなくても同じ事が起こっていたと思うから
彼らは彼らの力を駆使して光の民と戦った
しかしそれは大きな間違いだった
光の民の“望みの光
大きな光と闇の力がぶつかり―――暴走
綺麗だった森は一瞬にして焼け野原と化した
暴走はたった一人の少女によって起こった。
そう…"たった"一人の感情が世界を破滅に追い込んだのだ
『食炎
それがその日の名――――
エターナは自分達の力を恐れた
一つの大陸を経った一日で焼き尽くした忌々しい力・・・
エターナは自分達の犯した罪を償う為に自分達の力を使い世界を再生した。
その時、食炎の記録のみを残し、光の民達の記憶は消え去った――――
――――新たな文明の始まりでもあった。
彼女は泣いた。一人しかいなくなってしまったその地で…
エターナの彼女は自分を犠牲にして全てをよみがえらす事に成功した
そして・・・エターナは姿を消した―――
いや、亡んだのだ
そう…闇を消す事の出きる剣…最期の闇によって
自分達の罪を忘れぬ様
一人の子を―――――残して・・・・・
シグマという名の娘を残して
「ママー!ママー?」
とてとてと歩いてくる赤茶色の髪をした幼女。
覚束ない足で無邪気に自分の母親を探している。
「あ!ママ!!」
少女は母親を見つけ、その人に向かって一直線に走ってくる。
一方母親は本を読んでいたのだがその本を読むのをやめて少女に手を伸ばす。
赤茶色の長い髪をした母親はまだまだ若くみえる。
優しい笑みを浮かべて椅子から立ち、自分の娘を抱っこする。
「ママ〜?なにをよんでいたの?」
「うん?むかーしむかしのお話よ。とっても悲しいお話」
「かなしいの?かわいそう…?」
「そうね…とっても可哀想だわ」
「あたいにもそのごほんよんで〜!!ねーね!!」
駄々をこねる娘に苦笑を浮かべる母親。
「あなたにはまだまだ早すぎるわ。難しいご本だから…ね?」
「む〜!あたいはもうこどもじゃないもん〜!!」
「でも文字ばっかりよ?絵本じゃないのよ?ホラ…ね?」
母親は言い聞かせるように本の中身を見せた。
確かに文字ばかりで…しかも難しい漢字がたくさん並んでいた。
「…う〜…やっぱりいいやっ!んじゃねー!おしろのおそとにあそびにいこーよー!!
シータおばさんとゼータおじさんにもあいたいよぅ!!」
「そうね。それじゃぁいきましょうか」
「あ!…パパは?」
娘が不安そうに…悲しそうに母親の顔を覗き込む。
すると母親はにっこり笑って言った。
「今日パパねっ!昨日いっぱい仕事したから今日は遊べるんだって!」
「ホント!んじゃはやくパパのところにいこー!!!」
「そうね…それじゃ、自分であるいていこーね。」
「え〜」
「もう子供じゃないんでしょ?」
母親は抱っこしていた娘を下ろす。娘は少しの間不満な顔をしていたが、すぐに笑顔に戻って走り出した
「あんまり走ると危ないわよ、イータ。」
「はぁ〜い!」
truth&sincerity
トゥルース&スィンセラティ
『本当のシンジツ』