ラスト・アクション・ヒーローズ用語集
【亜人種】《あじんしゅ》
一般にエルフや悪魔と呼ばれる存在達。人体構造は人間と酷似し、生殖機能を要しているため、人間や種族間でハーフが生まれることも存在する。特別な能力を要しているものを一般に「悪魔(デビル)」と呼ばれている。
【亜人種間平等保護条約】《あじんしゅかんほごじょうやく》
アルカディア治安維持総督が、各都市代表との首脳会議で正式に法律と認められた、比較的新しい条約。アルカディアに存在する全ての種族は、皆平等な存在であるという名目があるが、よく思わない輩は多数存在し、毎夜事件は発生しているとされている。その多さにニュースにしても仕方がないと、マトリックスは早々に匙を投げた。法案撤回及び訂正を議論中だとのことだが、正式に発表された新しい条約を、再び作り替えるのには疑問の声も飛び交っている。
【アルカディア騎士団、サウザンドナイツ】
治安維持を中心とした警備団の集合機関。全員中世の鎧のようなものを身につけ、銃と剣を帯びている。その中でも特殊能力を要するものや、戦闘能力が各段に高いもの達を「サウザンドナイツ」と呼び、彼らは天使の羽根がプリントされているサーコートとカイトシールドを常備している。
女子供のあこがれの職業ベスト3位には必ずランクインしており、高い支持を受けている職業のひとつであるが、その道は高く、険しい。
サウザンドナイツを指導していたのはソロネである。その下にレミリア、そしてレミリアの夫が地位を守っていた。関係ない話であるが、かつてカーシーはサウザンドナイトの戦闘講座の教官を務めていた。
【アルカディア・トレイン・センター】
アルカディアの中心を、楕円状に敷き詰められたレールの上を走る電気車両である。寝台車両ももうけられており、以外と遠方へと行く車両も存在している。
駅員、運転手などの制服に憧れる子供達は多い。そのため、年に数回子供向けのイベントを行っている。
【遺伝子配列の部分間変更、及び疑似作成による遺伝子変換配列の成功】
遺伝子は、一定の文字のような物で統一されているもので、それは個々によって並び方が違ったりするのだが、それを変換配列させて、全く別の個体を作り上げようとすること。それによって病気や、怪我になりにくい耐性を持つ人間を作り上げられるのではないかと、大分昔から研究が進められてきた。遺伝子の配列を自分で組み替えることに成功したヒフミは、ひとつのプロジェクトを組みあげた。それは最大の労力を必要とするが、しかし莫大な利益を国にもたらすことになる、信じられないような事だった。
武器が強くても、扱う駒が脆弱では意味がない。駒が強くても、手に持つ武器が鉄屑同等でも、同等だ。だからヒフミは考えた。『最強』の武器を『最強』の駒に与えれば、一騎当千の駒が出来上がると騎士団のDNAから、何体ものクローンを作り出す。サウザンドナイツの肉片一欠片から作り出されたクローン達は、遺伝子配列変換術を施され、病気や怪我に強い肉体を授かる。戦闘能力の向上や、状況判断の上昇は当たり前。そしてあらゆる優秀な戦闘能力を持つ騎士達から生み出されたクローンは、升目の上を無敵の強さで動き回る駒となる。
最強の能力と最強の武器を持ち合わせて同じ能力を持っている遺伝子工学を解き明かしたヒフミの真の目的は、優秀な戦士の遺伝子を培養、増幅させ、さらに改良を加えてクローンを作り出すことである。戦争を勃発させるために、だ。
【駅前の高級レストラン『アナコンダ』】
色々な料理が楽しめる高級レストラン。食材とサービスの良さを追求している。
ここを訪れ、出ていく客の口癖は、「ンまい! ンめーじゃあねえかッ! いけるぜッ、グー」である。
【精神増幅〈オーバードライブ〉】
特殊能力を活性化させるチップを脳内に埋め込み、精神波を増幅させ自分のイメージした物に変化させて相手に叩き込むことが出来る、一種の人工魔術。だが、脳内にダメージを与えてしまう可能性があるため、法律上厳重に違法しているが、一部の人間により悪用されている。
【オーパーツ】
「Out Of Place Artifacts」の略で、その地層からは出土するはずのない「場違いな加工品」と言う意味。
【極秘地下実験施設】《ごくひちかじっけんしせつ》
ヒフミの計画により幾度となく人体実験が繰り返されてきた。人を人とは思わず、ただの玩具を弄ぶように、遺伝子工学の研究という名目の元、数えられないほどの人間達が血の海に沈んだ。大半はホームレスや亜人達が犠牲とされたが、身よりのない子供達も毒牙にかかっていた。 研究結果は、7割以上が死亡、もしくは再起不能。残された3割の人間達も、人間との自我をもたされず、死ぬことすら許されず、繰り返し繰り返し、飽くなき研究の対象とされていた。
【混沌の鉄槌】《こんとんのてっつい》
度の過ぎた人間達の暴走行為により、排気による空気汚染、産業廃棄物から流れ出す有毒性の汚水、そして彼らが使用し続けた兵器や技術により、回復不可能にまで破壊されたオゾン層。それに加えて核弾頭、有毒ガス、対兵器用兵器。限界まで発達した科学技術は、皮肉にも作り出した人間達の手によって見返りを受ける。
津波、酸性雨、竜巻、集中豪雨、火山の噴火、大地震。あげたらキリなどないほどの自然災害が、憮然として混沌と破壊を続ける人間達に牙を剥いた。
予測不可能な自然災害。それは進展した科学技術を持ってしても、防げるものではなかった。
同時に、人間達が築き上げてきたすべてが、崩壊したこの日、地上から人間達は姿を消した。その日を「混沌の鉄槌」と人々は呼んでいる。だが、再び同じ過ちを繰り返そうと、飽くなき欲望を瞳にたたえ、人々は先進を目指している。
【古代魔法都市】《こだいまほうとし》
魔術という超能力が当たり前のように飛び交っていた時代を中世、もしくは古代魔法時代といい、その時代に存在していた巨大な都市のことを言う。
考古学者達がこぞって調査をしているが、全てを解明するにはまだまだ時間がかかりそうである。
【指弾】《しだん》
コインや小石を弾いて攻撃する戦闘手段。投擲術や銃のような予備動作が存在しないため、回避は非常に困難であるが、決定的なダメージを与えられないのが玉に瑕である。カーシーが得意とする。
【瞬間移動】《しゅんかんいどう〜テレポーテーション〜》
時間軸をずらしての瞬間移動を行うが、自分たちだけではなく、回りに存在するものを少し巻き込んでしまう。そのため離れた位置で魔法を発動しなければ、自分たちに関係のないものまで瞬間移動させてしまう危険性があったと文献には記されている。
【水獣】《すいじゅう》
ラッシュのオーバードライブのイメージである。周囲にある液体を自由に操ることが可能で、それを自分の想像通りの物体に変えることが出来る。ただし粘着性の高い液体では使用は不可能である。
【晦】《つきこもり》
本当の意味は月の最終日のことで、月は現れず、本当に漆黒の闇夜へと姿を変えてしまう現象の事を言う。そのことにちなんで、ヒカリゴケが気まぐれを起こし、一日中アルカディアが闇に閉ざされてしまう現象のこと。酷いときには1週間夜、ということもある。
本来、ヒカリゴケは12時間周期で明暗を分けるため、それが生活リズムとして人々に影響を与えているのだが、この現象で全てが狂ってしまう。そのため人々はこの現象を忌み嫌う。
【フレンズ社】
電化製品から武器開発までを多く取り扱っている複合企業。ヒフミが秘密裏に施設軍隊や生命工学に関しての極秘地下実験施設を設置している。支部は世界中100店舗以上存在し、現在はヒフミがその全てを掌握している巨大企業。前社長の営業方針を180度ひっくり返し、その勢いは現在進行形であるが、よからぬ噂が絶えることはない。
【魔器】《まき〜アーティファクト〜》
魔術をひとつに凝縮させ、物質化し、武具や道具へと姿を変えさせたものである。何らかの魔力が込められており、魔術を挿入した技術者のレベルが高いほど、魔力のレベルは高いとされている。また、時折リューナのように自我を持つ物もある。ただし大抵の場合は自我自体が眠っているため、目覚めさせなくてはいけないが、装備者に害を与えるか得をもたらすかは、自我をコントロールできるかどうかにかかっている。
【魔術】《まじゅつ》
解明不可能の秘技の事を言う。不可視であったり、物体であったりと様々であるが、基本的には精神力により練られた気であるという仮説が一般的である。
【マトリックス情報局】
このアルカディアで起こる全ての事件記事をまとめる、一流の情報局。テレビジョン、新聞、各雑誌でほぼトップクラスの支持率を誇っている。ミッドガルドエリアに存在している巨大な黒いビルで、観光名所として知られている。
亜人、人間問わず、能力を過大評価して人材を募集しているが、それが仇となり、危険な取材などで命を落とす記者やカメラマン、リポーターの数も多い。そのため、戦闘経験を持つ社員達も多数存在している。双林も、射撃技術と生存術の高さを買われて入社。今回の事件に巻き込まれる。
【ミッドガルド】
アルカディアの大都市のひとつで、別名「商店街」。色々な商店がひしめき合うように扇状に広がっている。人工的に作られた川が流れる場所で、観光名所が多いことが有名である。木々も多く、憩いの場としても名前は高い。
【指の中にCCDカメラを埋め込んでいる】
双林の脊髄には、パソコンのハードディスクのようなものが埋め込まれている。そこへ自分が取材した全ての内容を保存してある。だが、万が一カメラによる取材が不可能の場合を予想し、双林は左右の人差し指と親指に、極小のカメラとマイクを埋め込んでいる。