破壊ロボット〜おまけ編
「これが・・・これが世界を破壊し続けていた機械」
青い髪の少年がつぶやいて見上げる。
おそらく、パーティーのリーダーだろう。
ボクを見るその緑の目は恐れと殺気に満ちていた。
「これのせいで、あたしたちの世界は壊れてしまったのよ」
他の二人のヒトとは少し漂わせる雰囲気の違う、金髪の少女が言った。
そうだ、昔、この少女のような、耳のとんがった「ヒト」を滅ぼしたんだっけ・・・。
「あんたのいた世界、こいつに壊されちまったのかい?」
紫色の長い髪をたなびかせた女が言う。
女の問いに少女は無言でうなずいていた。
少女の着ている白いローブはもうすでにボロボロ。
ここまで来るのに、どれだけ苦労してきたんだろう?
ボクが用意した、ヒトを滅ぼす為のナカマたち。
彼らとその細い腕で戦いぬいたのだろう・・・。
「コレヲ 倒サナイ限リ、世界ハ 壊レ続ケルハズデス」
ボクと同じロボットだ。
・・・昔のボクと同じような姿。
「キミハ 世界ガ人間ト人間ノ争イデ 滅ビタトコロ、見タコトガ ナイノ?」
ボクは思わずそのロボットに問いかけた。
他のヒトたちは驚いて、剣や杖や棒などの武器を構え始めた。
ロボットも手にした銃をボクに向ける。
「ワタシ ハ ヒト ヲ 守リタイ。大切ナ 仲間ヲナクス ワケニハイカナイ!!」
仲間・・・ボクの仲間はあの人。
あの日、ボクの目の前で死んでいったあの人。
最後の最後に僕のスイッチを切ってくれたあの・・・。
「そうよ、あんたとは違うんだよッ、こいつは!!!」
・・・違う。違うのか?
「あなたはいったい幾つの世界を壊してきたのッ!!」
わからない。
「でも、もう、終わらせる、オレたちがあんたを止めてやる」
少年は剣を振りかざす。
このヒトたちなら、あるいはボクを止めてくれるかもしれない。
ただ、ボクの防衛システムを壊してくれるだけでいいんだ。
それだけで、ボクは僕に帰ることが、できるから・・・・・・。
挨拶
と、いうわけで、最初と最後しかない、ゲームのようなもん。
ボクはですね〜自分で自分を改造し〜ついには大きくなっちゃったわけです。
解説せんとわからんね、そんなこと。
語られることのない、いきなり登場型ラスボスの気持ち。
・・・ってかだれ?このラスボス。
モデルはおりません。
倒されたはずです、たぶん。
ろう・ふぁみりあの勝手な戯言〜
ロボがいるから、サガ2かなー、とかおもったり(あは)。
いやいや、しかしやってくれましたわお客さん。
「ボクは僕に帰ることができるから・・・」
なんて、きっと世界よりも自分自身が壊れてることに気づいてるんでしょうね、彼は。
彼はもう彼自身しかいなかったから、壊れてしまっても誰も止めてくれる人がいなかったから、壊れたままの自分の意思を続けるしかなかったんだなーとか。
現実でも同じだと思うなぁ。
ヒトは一人では生きられない。っていうのは、自分一人じゃ自分が間違ってるか、壊れてるかどうかなんて判別つかないもの。
だから、誰かに止めてもらうこと、正してもらうこと、癒してもらうことが必要なんじゃないかなーとか。