差出人: Takagi
送信日時: 2001年7月9日月曜日 20:36
宛先: Takagi
件名: シースルーブルー

やけにぼやけた夕暮れだなあって思ったら
いつのまにか涙がにじんでいた
ちょっと深めのまばたきをして
色を落として行こうとする空をもう一度見た

海は空の青を映してるって誰かが言った。
僕は君の海になれていただろうか
空は海の青を映してるって誰かが言った
君は僕の空でいてくれたとは思うけど

「地球だって、火星から見たら光ってるんだよ」
夜中のドラマでそんなことを言ってた
「月だって、行ってみたら無機質な大地だし」
そんな夜中に思わず返した

でも夕日を浴びている景色
途方もない歴史の積み上げた景色

いつしか、映せればいいんじゃない
僕がつぶやくと
さあっと夕の風が答えたような
さあっと夕の風が答えなかったような

いよいよ徐々に沈みゆく太陽は
雲を、山際を立体的に染め上げ
その色を僕も幅広く受けたとき
やっと涙が落ちていった

僕だって歩けばそよ風になり
君だって走れば突風になる
そよ風だって力だもんね
そして大きくうなずいた