差出人: Takagi
件名: きたきっぷ

 誰かがそっとこの世に残しておいた言葉
  もしかしたら僕が
   そこからとてつもない物語をつむげるかもしれない

 そんな途方もないイマジンを
  赤ら声で張り上げて
   大またで大雑把な喧騒を
    少し震えながら歩いた

 考えてみればすごいね
  この街の誰よりも早くあの曲が聴きたくて
   白い息で意味もなくニヤけて並んだレコード屋
    びっくりしてオーナーが早く開店してくれた

 時間もないのにあてもなく
  疑いもなくあてもなく
   なんとなくどこかに行くなんてさ

 適当な缶詰で作ったちりめんチャーハンは
  未だに伝説の味なんだぜ
   たぶん僕の中で
    そして僕の中でも

 いつも 君の 影を追いかけて
  僕らはここまでやってきた
   分かってるからこうやって
    いつまでも軽口を叩ける

 そして 僕の影は伸びていく
  誰かに見上げてもらうため
   いつかどこかの石に座って
    茶でも飲みたいね

 だから 明日も 僕