差出人: Takagi
送信日時: 2001年6月4日月曜日 23:01
件名:
げっひー的観戦記(01・6・4 FIFAコンフェデレーションズカップ予選リーグ 日本VSブラジル)
Result:0−0
メンバー:
鈴木 山下
(→森島)(→中山)
中田英
小野 波戸
(→中田浩)
明神 伊東
服部 松田 上村
<CAP>
都築
げっひー的MIP:うーーーん、一応都築。
文章方針:喜ぶ所なんだろうけれど・・・。
BチームのAメンバーブラジルとAチームのBメンバー日本のドロー。。。
さあ迎えた予選3試合目。日本はまさかの既に決勝トーナメント進出決定。しかも引き分け以上で一位通過というなんとも贅沢な状況。逆にブラジルはカナダ相手のまさかの取りこぼし(というかドロー)によって決勝トーナメント進出はほぼ決まりだが、できれば日本に勝って一位通過して王者の意地を見せたい所。そうするとやはり余裕が生まれるのは日本の方。日本が余裕を持ってブラジルに挑めた史上初の試合ともいえる試合でなんとも奇妙な気分だった。
その日本の余裕はスタメンにも現れた。現在一番勢いのある男鈴木は持ち越したものの、イエローをもらっているイナ、森岡、戸田に加え、当たっている川口、前線の柱西澤、点に絡める森島らを温存し、フォワードに山下、右サイドに波戸、キーパーには都築が入った。山下、都築の初スタメンコンビの起用がカメルーン戦のように吉と出るかな?というメンバー。ブラジル戦でこれだけ試せるのもある意味贅沢なんだけど、正直、勝つ気はやっぱりないのかなあ、引き分け狙いなのかなあというメンバー。強敵には基本的には経験で挑みたいものだから。
そうそう、経験、というと伊東テルと中田ヒデはあの「マイアミの奇蹟」の時のメンバーなんだよね。やっぱり特に彼らはブラジル戦への思いはひとしおだろうと思う。そう考えるともう一人のアトランタ戦士である川口も使ってあげても良かったのにね。相当でたかっただろうし。
そしてキックオフ。今日のブラジルもいきなりガーッとは攻め込んでこない。といって日本もやっぱりこれだけいきなりメンバーを入れ替えるとなかなか展開が難しい。致し方ないけれど都築の動きは明らかにぎこちないし、いつもならショートパス中心の早いパス回しでリズムを作っていく日本のイレブンも今日はロングボールに頼り気味の、悪く言えば大味なサッカー。たまに形は作れるんだけど、どうもシュートまで至らない。打ってもミドルレンジが精一杯。リズムが出来ない。
対するブラジルも、確かに中盤はどちらかといえば制圧してサイドのスペースを突いてくるサッカーで、いいボールが上がったりするも、どうも決定機はきても決定的でない。フィニッシュの精度が悪かった。完全個人技からの枠を捉えたオーバーヘッドや、いいシュートも数本あったけど、動きの良くなってきた都築やディフェンスがなんとか紙一重の所で跳ね返し、失点にはいたらない。
でも日本もいまいち攻めがうまくない。どうもオフェンスに人数がかかってこない。ボランチまで絡んでくる展開は少なく、良くても前の3人(山下、鈴木、中田)で攻めていって跳ね返され、それをブラジルに拾われて今度はピンチ、という展開も少なくなかった。まあそういうカウンター機には明神の粘りディフェンスや服部のナイスカバーリングもあって大事には至らなかったけれど。オフサイドにこだわりすぎなくらいガンガンラインを上げたスリーバックも線審とも連係がピッタリでそのたび上がるオフサイドの旗にブラジル選手は苛立ち気味。
それにしてもオフェンス。小野なんかはさらっとすごいプレーをさりげなく魅せてくれたりしたし、中田からも相変わらず高い意識のパスが供給されていたが、さすがに鈴木はかなり厳しいマークに苦しんでいたし、それでポジショニングが楽になるはずの伏兵役山下は伏兵のままで時間は過ぎていった。他の選手もどうもいつもよりボールサイドに集まりすぎる嫌いもあったし、ボール周辺以外の選手のフリーランもあまり見られなかった気がする。前半はこのまま都築の踏ん張りとブラジルの決定力のなさとにも助けられ、両チーム無得点。
こうなるとハーフタイムでのメンバーチェンジは必須だなあと思って色々代え方も考えてきたが、実際投入されたのは中田浩二と森島だった。モリシは鈴木に代わったので都合山下のワントップというフォーメーションになる。でも正直山下のワントップじゃあ弱いかなあという印象はあった。日本人で世界相手にワントップ張れる選手はまだいないような気がするし。山下に限らず。
でも前線を軽く減らしたことで守備は安定してきた。左ウイングに上がった服部と左ストッパーに入った中田コージのおかげで左サイドの守備は締まってきたし。もちろん小野もきっとトルシエの計算以上に守備をこなしていたけれど、やっぱり本職はオフェンスの選手だからねえ。でも小野を下げたことで少ない起点が更に少なくなってしまった。
といっても主にヒデからなかなかいい狙いのパスも出る。けれどどうもブラジルに読まれてしまう。やっぱり起点の少なさか。時々厚い攻撃を見せるもどうもその中に消極的なパスが混ざったりしてスピードに乗れない。
かといってブラジルもなんか相変わらず決定力がない。中盤からフィニッシュ手前までの展開、持っていき方は確かにさすがブラジルと思うのだけど、フィニッシュの精度が悪すぎる。こんな決定力だったら世界ランク2位の座も危ういよ、って余計な心配までしてしまう。かなりそれに助けられたけど。
日本の攻めもどうもピリッとしない。時間を追うごとに増える最終ラインの人数、それに伴う攻守の切り替えの遅さ、ディフェンスはディフェンスでボールに集まりすぎてそこからぽっと展開されてピンチを招く繰り返し。松田、上村にもうちょっとカバーリングに回る意識があったらピンチの回数はもう少し減っていたような気がする。
終了ちょっと前に中田のなかなかグッドなフリーキックはあったけれど、それも単発。守備でも何度も中途半端なクリアからピンチを呼ぶが、相変わらずブラジル決められず。そしてホイッスル。
・・・うーん、結果オーライよく分けたと言うべきか?日本にもブラジルにも物足りない試合であったのは間違いない。
ブラジルのBチームってこんなもんなのかなあ・・・・?Bチームでも分けられるってことは日本のレベルは上がったと言えるのかなあ?
ま、あと2試合で真価を問いましょう。
