差出人: Takagi
送信日時: 2001年6月10日日曜日 22:59
件名:
げっひー的観戦記(01・6・10 FIFAコンフェデレーションズカップ決勝 日本VSフランス)
Result:0−1
メンバー:
西澤
(→中山)森島
小野 波戸
(→久保)
戸田 伊東
稲本
(→三浦)
中田浩 森岡 松田
川口
げっひー的MIP:うーん、今日はやっぱりみんなに拍手♪
文章方針:今日はさらっと振り返ります。
ふう。なんとか1点で凌いだね。
とりあえず、ツワモノ達を向こうに回して決勝まで行き、敗れたものの通算の失点は1しかなかったジャパンイレブンに拍手!疑うところのないレベルアップの証でしょ♪
なぜ「今日はさらっと」なのかというと今日は僕的に理想の形のテレビ観戦ができたからだ。どんな形かというと、家族で食卓を囲み、オヤジと一杯やりながらの観戦。今日は(主に攻められたシーンが多かったけど)いろいろなエキサイティングな場面に箸やコップを片手にみんなで一喜一憂一叫した。やっぱり観戦の時は1人よりも何人かで見ながらあーでもない、こーでもないと談義を交わしながら見るべし、と思ったね。そんなわけで、いつもならメモ用紙片手に”観戦記の元”をメモりながらの観戦なんだけど、今日はそれがないのでさらっと総括します。
まずは今日の試合です。フランスといえば、この一年のうちで一回(ハッサンU世国王杯)は煌く西澤のゴールで勝利にも等しいようなPK負け、また一回(フランスでの親善マッチ)は0−5という見るも無残な惨敗を喫したといういわば勝負の表裏を味わった相手。今回はジダンやアンリ、バルデズといった”超一軍”はメンバーに入らなかったものの、それでもウィルトール、アネルカ、ジョルカエフ、デサイーといったそうそうたる世界ランク1位のメンバーで、勝つのは厳しいかなあとは思っていた。
しかもトルシエは0−5の惨敗の時に敷いたトリプルボランチを使ってきた。これは正直どうなのかなあ。という印象。まだ日本代表が使いこなせてない形だし、どうも守備的になりすぎてしまい、逆にバランスが崩れてしまいそう。しかも小野をいつもながらの左サイドに配置。まあ前線が西澤とモリシの1.5トップのような形なのでモリシが下がり、あるいは伊東テルか戸田、あるいはイナが上がって司令塔役に入るのか、という形。
しかし前半はやっぱり圧倒的にフランス。本当に憎いくらい技術もしっかりしてるし、展開が上手いし速い。日本もいつもながらの食らいつく守備や川口のナイスセーブは健在で、まあ紙一重の所もあったけどなんとか凌ぐ。冷や汗、溜息。
でもオフェンスはどうもねえ。小野を経由した時にあっと驚く展開があったりするだけで、やはり空中戦要員が西澤だけではなかなかポストも厳しいし、フランスの囲い込みは速い。展開に困って後ろに戻すシーンもしばしば。そんなことでは速いリズムで崩すなんてもってのほか。ボランチ3人もどうも守備に気を取られすぎの感じ。機を見てボランチを一枚だけ残して他の2人が一気に中央を上がっていくシーンなんかあればもっと展開が変わったかもしれないけど、それもなく。でも相手は世界王者なんだからそうそう思ったことはやらせてもらえないのはある程度仕方ないことでもあるんだけど。
そんなこんな言ってるうちにやっぱりいい精度で数打たれれば全部は防げないもので、なんかうまいことキーパーの前の微妙なスペースにハイボールをぽこーんと放り込まれ、それにぽこーんと頭で合わされて川口が越され、この大会5試合目にして初失点。うまいなあ、フランス。そのゴールになったボールにもFWが詰めてたし。
その後、前半はそれでも仕掛けていく両サイド(小野、波戸)が光ったくらいで、なんとかそれ以上の失点もなく、終了。ハーフタイムを挟むと、なんとイナが下がってしまった。ナンテコト。そんなに動きは悪くなかった気がしたのに。そこで三浦アツヒロ投入で左サイドにいた小野が司令塔の位置に入る。
これでなんか全体のバランスがよくなってきた。よくなってきたがやっぱり全てで勝るフランス。相変わらずガンガン押し込んでくる。トルシエもそれから「強いFW」久保と、「気持ちのFW」中山と投入し、なんとか同点を狙ってくるが、いい形を作るにとどまり、結果的にはそのまま試合終了。
まあ、負けてしまったけれど、前回の惨敗を考えたら十分な善戦といえよう。しかもトリプルボランチという戦術はどうかと思うけど、その後のスペイン戦みたくファイブバックなんていうあまりに守備的なフォーメーションをとったわけではなく、スリーバックで1失点に凌げた。これも成長。そして惨敗の時と違って90分間ずっと相手と対峙して戦えたのも成長。
日本はグッドなサッカーだったが、フランスがそれ以上にグレイトでブリリアントなサッカーをしただけの話。だってフランスに勝っちゃったら日本が世界1位になっちゃうじゃーん(笑)。
とはいえ、大会前は参加国のメンバーが充分でないとか、国内の盛り上がりも欠けるとか、ネガティブな報道が多かったが、結局日本の予想外の奮闘により国内はホント、コンフェデの話題だらけになるほど盛り上がった。来年がもっと楽しみだ。
そして代表メンバーにすれば、鈴木や戸田、波戸あたりが充分に計算できる戦力だという発見があった。よく考えてみれば今回は俊輔も名波も高原も抜きの戦いだった。1つ確実にいえるのはこれからもっとポジション争いは激化するということだ。中盤だけでも俊輔名波に加え、アレックスは帰化するし、たぶんパラグアイの広山望はもっと活躍して召集を受けるかも知れぬ。競争はもっと激しくなる。その先にワールドカップがある。
このそうそうたる参加国の中での準優勝は充分ワールドカップへのジャンプ台になりうるよ。単純に見ても予選通過できなかったライバル韓国よりも2試合多く試合を重ねる事が出来たこと。大きな経験です。これを噛み締めて、更なる飛躍を頼みます。フォルツァ、ニッポン!!
