差出人: Takagi 送信日時: 2001年10月8日月曜日 11:55 件名: げっひー的観戦記(01・10・7 日本VSナイジェリア) Result:2−2 得点者:柳沢(伊東)、鈴木(服部) メンバー: 西澤 柳沢 (→鈴木) 小野 伊東 波戸 (→服部) (→福西) (→廣山) 稲本 戸田 (→奥) 中田浩 宮本 松田 川口 げっひー的MIP:今日はyanagiかなっ♪ 文章方針:勝ちきりたかったけど、よしとしてもいいでしょう。 今日の船越アナ:「ゴール」の回数を自己制限してたんだろうか・・・? 降りしきる雨。というよりも豪雨。連想するのはコンフェデ準決勝のオーストラリアとの死闘。でもあの時に日の丸を導いた中田ヒデは不在。フランスという国はなんとなく日本にとっては鬼門になってしまった気がするが、(セネガル戦はビデオに録ったものの、先に結果と戦評を耳にしてしまい、結局見ていない)、今まで、ちょっとシニカルな見方をすれば効果的な惨敗からいつも何かしらの糧を得て強くなって来た日本代表。1試合(あ、セネガル戦のことね)でベンチワークを含めて立て直せるのか、それともフランス・スペイン連続敗戦の時のようにもうちょっと痛みを味わっておくか。いずれにせよ、来年までの宿題を授かるにはこれ以上ない相手、シドニー金メダルのナイジェリアを向こうに回してどんなパフォーマンスを見せてくれるのか、わくわくしながらテレビをつけた、というのが正直な所。結構「王者」に噛み付くのは好きだからねえ。このチームは。肩書き食い、とでも言おうか(笑)。 そんな中で選手入場。スターターもなるほどね、といった感じ。高原がいなかったのはやっぱりちょっと違和感を覚えたが、(ツネさんのスターターも)(苦笑)、まあこれは”英国関係”の4選手(イナ、西澤、川口、ツネさん)のスターター起用をトルシエが公言してたからある程度予想はしてたけど、でもトルシエの言う事だからと話半分でも見ていたからなあ。珍しく有言実行だったね(笑)。 ただ、トルシエがどうしても右サイドに波戸を使うのはどうかと思うんだよね。どうしても波戸が入るとフラット4に思えてしまうから。ノッてる時のオフェンスと、コンスタントなディフェンス力はあると思うけど、未知の世界でもまれながら右サイドの道を見出した廣山をやっぱり90分通して見たいのは偽らざる所。まあパラグアイでは確かに途中出場も多いけどさ。小野との攻守のバランスだよって言っても小野もディフェンスの意識はそれなりに高いんだから。 その小野も最近の本職と言っていいであろう左サイドのスターター。本調子の時のパフォーマンスはもう充分計算できるレベルだと思うけど、今回は故障を抱えての出場。日本にいた時はだめな時はもう全然消えてしまうイメージが強かったので、そのへんがどうかなって思っていた。 さてさてそしてキックオフ。雨足はかなり強そうながらあまり水がたまってなさそうなグラウンドに、結構いい芝なのかなって思いつつ。試合のほうはとりあえず中盤のせめぎ合い。でもやっぱりナイジェリアは身体能力もさることながらレスポンスがすごい。一度競り合ってこぼれたボールに自ら瞬時に反応していくからね。オマエラは桜木花道かあ!と心の中で叫ぶ(笑)。しかしそういうカラダのキホンの部分は今更どうしようもないので、日本がどう噛み付いていくかに注目。雨の日は気持ちで負けたらとにかくダメだからねえ。そのへんは戸田の髪型を見れば大丈夫だとわかるね♪ しかし、日本サッカー連盟が主催なんだっけ?この試合は?ピッチサイドの立て看板だけ見てたらここは横浜国際?って勘違いしちゃうぞ。だって武富士とか、キリンとか、見慣れたのばっかりだったんだもん。セキドは新鮮だったけど(笑)。やっぱり世界的にはあまり興味の持たれない試合だったのかなあ、まあワールドカップの欧州予選が大詰めでそれどころではなかったって話もあるけどね。 とりあえず、目についたのは、手前味噌であるかもしれないが、イナ。プレーが鋭くなってきたというか、「ここぞ」というタイミングの判断と出足が明らかに速くなった。なんか獣になったなって印象。これがプレミア効果かなあとちょっと感激。 そしてイナとのコンビももうすっかり定着してきた戸田にしてもなかなかイナとのポジションを調整しながら、なかなかのバランスを保つ。やっぱりダブルボランチって言うのは組んだ回数でもあるだろうからねえ。 でももう一人のボランチというか、おそらく2.5列目のイナトダのちょっと前、2列目という位置付けなのだろう伊東テルが、あまりボールに触れない。ちょっと雨に消えてしまった感じ。このメンバーの中ではおそらく一番のパサーであるだけに、もうちょっとボールを集めていっても面白かったと思う。そして、悪いけれど僕的不安材料だった波戸もとりあえずディフェンスの強さでいくつか攻撃を止め、プラスに転がっていた。それからはあまり波戸サイドは突かれなくなったし。そしてフォワードの2人もあまり引きすぎることなく、卒のないポストプレーをこなす。身体能力で上を行く相手を背中にボールキープできるだけでもかなりの成長だからね。西澤なんかポストに余裕さえ感じられたくらいだから。今回はモリシがいなかったからちょっと寂しげだったけど。 それにしても、速く強くうまいナイジェリア。もうポジションとかを越えてどっからでもスルーパスが出て、それにどっからでも走りこんでくる感じ。テレビで見ていてそう感じるのだから実際ピッチの上ではものすごい脅威を感じたと思う。今年はアフリカ勢と試合を重ね、この脅威を何度も感じていることと思うけど、これが繋がっていくと思う。もっと脅威を(笑)。 しかし、雨もあり、どちらにも見せ場があり、ホントにワンプレーで流れが出来てしまいそうな緊張感があった。しかもギリギリで踏ん張るディフェンスと引き換えに松田とツネさんが前半のうちで1枚ずつイエローを受けてしまった。雨の中の数的不利はもう勘弁してよと思いながら戦況を見守る。 と、試合が動いた。それも不意に(と言ったら失礼か?)。戸田の早いフリーキックのリスタートから左へ開いたテルが折り返し、それをヤナギが頭で合わせ・・・あるいはナイジェリアのディフェンダーの神の手によってとにかくゴールを揺らした。少し押されていた中での得点、先制。これで一気にいきたい!と思ってたらあっさり追いつかれてしまった。まあそれでも同点、先制という貯金を一瞬でも作っておいた価値があった。まだ振り出し。ここからでしょ。 でもちょっとディフェンスは危うい場面が多い。どうも小野と中田浩の左サイドを続けざまに破られ、ディフェンスも最後の一枚で対応する、あるいは港の神がついたのか、川口の神業とも言えなくないスーパーセーブに救われ、勝ち越し点を与えることはなかった。でもこうなると多分この試合は意図的に使われなかったカバーリングの名手森岡の不在が悔しい。その辺でツネさんや松田が存在感を見せられないのが、激戦と言われるセンターバック争いで常に森岡が頭1つ抜け出ている理由なんだろう。 とはいえ、決して良くはないコンディションの中で、ある程度のプレーをほとんどの選手がこなしている。この辺が計算できるようになってきた気がする。メンバーもだいぶ固まってきたせいもあるだろうが、ダイレクトパスで突破していく局面なんか全然引けを取ってないからねえ。ただ、突かれ続けた左サイドに対応するためか小野と波戸を左右入れ替えたらどっちも攻撃面で機能しないままハーフタイムを迎えてしまったのが淋しかった。 そして後半。トルシエは早速その辺を修正にかかってきた。波戸に代えてお待ちかねの廣山。で、その分のバランスを考えてか小野に代えて服部。小野はケガもあっただろうけどテルに代えてトップ下に入っても面白かったけどね。で、前半卒はなかったけどイマイチ見せ場に欠けた西澤に代わって金髪あらため銀髪のライオン鈴木が登場。鈴木VSアフリカンというと思い出すのがコンフェデのカメルーン戦。値千金のゴールを2発も決めてくれたあの思い出が蘇る。さあ、今日も噛み付いてくれよ、タカユキ。でもレッドはいらないぜ。タカユキ。 その3人を加え、日本は明らかに前半よりも良くなった。特に戸田からの精度の高いロングボールから廣山がトリッキーにかき回す。そしてそのクロスにあわせきれなくても、後ろから2次攻撃、3次攻撃。まるでナイジェリアの分厚い攻撃を見ているようだった。明らかに前半よりも面白い。 でも気になったのはツネさん。せっかくもらったアピールのチャンスなのに、どうもキックの精度が悪かった。しかもプレッシャーのかからぬ局面でのコントロールミスもあり、ファンとしては淋しかった。正確なキックもアピールポイントの1つなんだけど、スタミナかしら。 と嘆いていた所で、銀ライオンが咆哮。追加点。勝ち越し。服部のピンポイントのフリーキックに合わせた鈴木。ボレーでナイジェリアのゴールを割った。このオトコのアフリカ勢への決定力には恐れ入る。よっぽど個人的な恨みでもあるんだろうか?(笑) ともかく勝ち越し。これでノってくる日本イレブンいい気分。疲れているであろう時間でも特に中盤のプレスがかかる。もちろんつぶし役のイナトダに加え、プラスαの誰かが囲い込んでくる。さすがの身体能力も3人がかりだとね。 まあそこを個人技で突破されちゃうと厳しいのは確かなんだけど。かなり後手になってしまうが、それは仕方ない。日本が世界で一番うまいわけではないんだから、そのくらいのリスクは背負わなきゃ。囲んで取れるほうが少ないんだとしたら考えなきゃならないけどね。 しかし、良く頑張って凌いでいるよ、と思ったらイナに交代の指示。しかも投入は奥。まあ今のメンバーでトップ下に入るとしたら奥なんだろうけど、ディフェンス面は正直不安だし、オフェンスでもボールを持ちすぎるきらいがあるし、なにもイナ下げなくてもいいのになあ、と思ってたら少しして福西が入った。これである程度のバランスは保てたが、奥はちょっと浮いてしまった印象があったね。 でもディフェンスに疲れはありあり。ずっとスターターの3人だったし。森岡を入れなかったのは多分わざとだったんだろうけれど。ファールも目に見えて多くなってきたし。しかもモヒー(仮称)はいつもながらのヒヤヒヤもののファールをやってくれて、ドキドキさせてくれた。でもそのくらいの闘争心があっていいと思うけどね。でもレッドはイヤ。 しかし、このまま勝ちきれるか?と思った後半30分過ぎに追いつかれてしまう。松田のちょっと軽率なプレーから奪われてゴールにねじこまれたんだけど、まあ誰もカバーに行ってなかったし、松田ばかり責めてもなあという気もする。痛かったけど。 まあそんな時間に相手選手が1人退場になり、その数的有利もあってあとは凌ぎきった感じ。最後に日本の時間帯になっていただけに勝ち逃げはしたかったけどね。 でも引き分けは収穫っす。課題はあった方がいい。でもディフェンダーのメンタルはもうちょっと強いものを持たないとね。 これで来年の6月までにあとどれだけのものを得られるか、勝負はそこだね。 そして、こんな事を言ったら不謹慎かもしれないけれど、この緊迫した世界情勢の中で開催さえも危ぶまれた試合が無事にできたのは幸運であったと思う。スポーツは屈してはならないし。 2002年日韓共催ワールドカップに暗い影が落ちない事を願いつつ、今日の観戦記は終わりっす。 |