差出人: Takagi
送信日時: 2000年9月24日日曜日 22:15
件名: しどにい総括編。(特にVSアメリカ)

<SCORE>
予選リーグ第一戦VS南アフリカ:2−1(高原2)
       第二戦VSスロバキア:2−1(高原、稲本)
       第三戦VSブラジル:0−1
決勝トーナメント1回戦VSアメリカ:2−2[PK4−5](柳沢、高原)

 惜敗。
 アメリカ戦の後の素直な気持ちだ。
 ワールドユースから始まったこの黄金世代のチームの歴史は、一旦ここでピリオドが打たれる事になった。
 いや、コンマかな(笑)。

 健闘した。よくやった。我らが稲本はもう世界に通じるであろうパフォーマンスを披露したし、ヒデの司令塔、俊輔の司令塔、そして1対1、ストライカー高原の更なる開花。酒井の放り込むあまりに正確なクロス。中盤の底を見事な運動量で支えた職人・明神、中澤のガッツ、森岡の読みとカバーリング。中田浩二の献身。もうちょっとプレースキッカーとしての働きも見たかった三浦アツ。ヤナギのポストプレー。そして「ホンモノのサムライ」楢崎。本当に入るたびにリズムを引き寄せてくれた本山。ポジティブの松田。やっぱりツネさんのキャプテンシー。平瀬の嗅覚。そして支えたほかのメンバー。日本人には合っていたトルシエ、通訳さん。拍手を送っても送りきれない。このチームが解散してしまうのも惜しくてたまらない。こんなに感情移入した日本代表は今までになかった。そしてこんなに華もドラマもあった代表も。

 PKまで行ったのはもう実力は互角(か、それ以上)だったということ。あれはもう運だ。運がアメリカにあったということ。さすが自由の女神の国。それだけのこと。
 昨日の試合はやっぱり10人10様の意見があるみたいで、いろんな人の意見に触れてみたが、それぞれの意見が大きく違っていたりするので、ここは僕の好きに書かせてもらおう。

 アメリカは強かった。もちろんフィジカルもだけど、それ以上に個々の技術があんなにしっかりしてるとは思わなかった。組織力は確かに脅威だったけど、特に中盤もフォワードも巧かった。そんなにアメリカの選手がいろんな国でプレーしてるとは知らなかった。でもブラジルや南アフリカとは違い、個人のスピードではなく、どっちかといえば理論的(?)な組織の使い方でスリーバックの裏を狙ってきた。フィジカルというよりも組織で崩すというのは日本も目指す形。お互いにくみとる所はあったんじゃないだろうか。
 昨日光っていたのは俊輔。最後は疲れたみたいだけれど、2点とも俊輔が切り開いた点。要所できちっとラストパスを出してくれるのはパサーとしては一流。サイドにいてもどんどん勝負を仕掛けていくシュンスケの姿勢は一皮むけた感もうけたね。
 そしてイナも良かった。今までの試合ほど前には出ていなかったし、ちょっと安易で危険なミスパスもあったけれども、前半のバーをたたいたシュートシーンはトラップもシュートも見事だった。ただ、女神がちょこっと微笑まなかっただけ。紙一重のところでバーはイナのシュートを上にはじき出した。あの瞬間のなんと悔しかったこと!
 でも、ヒデ、高原ともに完全な決定機にシュートが枠に飛ばないというプレーがいくつかあったのが悔やまれる。あのうちどれかがワクに行ってれば!
 ・・・でも後からの「たら・れば」論はやめておこう。

 惜しかったとはいえ、世界でベストエイト。誇って帰ってきて欲しい。PKの判定も仕方ない。友達が「決定機をものにできなかったツケが回ってきた」と言っていたが、まさにその通りだと思う。勝負はそういうもの。それを見をもって学べたのは大きな収穫でしょ。これを機にアメリカと定期交流戦なんかできないかなあ。割と似た所のある両国が定期戦ができたら、お互いにとってかなりプラスになりそうだけど。
 ひとつ言えるのは、アメリカには6人(だったよね?)も海外リーグでプレーする選手がいたということ。日本はヒデ一人だったということ。やっぱりこのことは微妙に大きかったんじゃないかと思う。まあきっと、イナ、高原、俊輔、ツネさん(実際かなり信憑性の高そうなオファーがプレミアリーグから来ているという)など、今年のうちくらいには海外に羽ばたいていくと思うけど、もうどんどん世界に散らばって欲しい。ヨーロッパでもいいし、南米でもいい。MLS(アメリカ)でもKリーグ(韓国)でもいいと思う。おそらく2002年を担うであろうこのメンバーは個々に「Jとは違う世界」を経験して欲しい。そうすればこの世代はもっと強くなる。その可能性を大いに見せてくれた4試合だったじゃないか。
 U−23代表メンバーに拍手。