差出人: Takagi [Haruru@swm.root.or.jp]
送信日時: 2000年6月5日月曜日 22:39
件名: げひら的観戦記(6・5 ハッサン2世国王杯 日本代表vsフランス代表)

<RESULT>2−2(PK2−4により敗戦)得点者:森島(イナ)、西澤(三浦淳)
<メンバー>
           西澤
            (→柳沢)
        中田   森島
    中村            伊東
     (→三浦淳)
         名波  イナ  

     大岩   松田<CAP> 森岡

           楢崎

<げひら的MIP>バルデズぶち抜くみんなが見たかったファインゴール♪西澤番長。
<文章方針>今日を誉めずしていつ誉めるのだ。

 「できるじゃん」というのが正直な感想だ。去年のコパアメリカではヒデはいなかったけれどもパラグアイにアウェーの洗礼を受けたものだが、今回は世界王者のフランス相手。正直、勝てるとは思っていなかった。まあ負けたけど。でも今日はかなりいい日本サッカーのハマった形を見れて大満足だった。

 さすがにツワモノ揃いのフランス相手だとボランチは2枚。イナと名波という初コンビ。これは良かった。バランスも良かった気がするし、機を見ればどちらかが上がっていく。風間さん(フジ解説)によれば、「パスコースもかなり限定していた」とのこと。だから3バックも守りやすかったのか。
 その3バックは本来なら服部が入ったであろうか左サイドには大岩。僕的にはいままでの代表の試合なんかを見ててもイマイチ大岩のプレーには信頼性が置けないと感じた部分が多かったので、どっちかと言ったら若い中田浩に経験させたほうがいいのかなあ、と思っていたくらいだった。でも大岩、なかなか良かった。特にカバーリングがさえていたように見えた。これは他の二人にも言えることだけど。
 そして守るだけでなく、最終ラインからの攻撃のビルドアップ。これは森岡がかなりいいものを見せてくれた。持ち前のロングフィードだけでなく、機を見れば右サイドを駆け上がる。まあ右のウイングが同じエスパルスの伊東テルだったというのもあるだろうが、上がった隙を突かれることもあまりないような「上がるタイミングの計り方」もバッチリだったように思う。
 松田も意欲は買うけどちょっと上がりすぎ、の印象も。これはやっぱり試合を見ていたほかの方も感じていたらしい。やっぱりそういう内容のメールがさっき届いていた。

 そしてオフェンス。やっぱりセレッソコンビ、相当良かった。モリシは運動量を遺憾なく発揮してくれたし、西澤に至っては当たりの強さ、高さもあるポストプレー、そして運動量、積極性とワールドクラスに近いプレーを披露してくれたと思う。もうフォワードの一つの席は確定したね。という印象。世界からも注目されてしかるべきプレーだったと思う。こんなにいいフォワードだったとは。立てた襟もカッコ良過ぎ。

 韓国戦、中国戦ではどうもボールが足についてない印象のあったトルシエジャパンだけど、このフランス戦はみんなのびのびとやっていた。もちろん個人技ではフランスのが上を行っていて、支配率はフランスの方が高かったけど(でもトルシエの言った3割よりは支配してたと思う)、日本がボールを持ったときはいつもよりも良くつながっていたと思う。それは合宿の成果なのか、「3割支配」などといって選手に妙な気負いを与えなかった(?)トルシエの作戦勝ちなのか分からないけど。

 そんな中、ついに流れの中でのゴールが生まれる。産んでくれたのはモリシ。自分のシュートをバルデズのはじいたのをまた頭で押し込む、いかにもモリシらしいゴールだった。「いかにも〜らしい」プレーをフランス相手に、しかもベストメンバーのフランス相手にやってしまうのがモリシだね。感服。でもベストメンバーのフランスのディフェンスラインにスルーパスを通したわれらがイナも忘れてはならない。ナイスアシスト♪イナの嗅覚。モリシの嗅覚。二つの本能が生み出したゴール。どっちももう必要な選手です。

 そして、フランス本気の後半。同点にされたのはもうジダンのワンマンショー。あれはどうしようもないよ。誉めよう。フランスの10番を背負っている男を。
 なんだかんだ言ってもフランス代表。調子は悪くても(悪かったのか?)恐ろしい。たとえば後半から入ったジョルカエフなんて必ずイヤな所に顔を出してるし、またプティの攻撃参加も凄い。あれはイナも参考になったのではないか。あ、見てる余裕はなかったか。

 そしたら、でたでたファインゴール。日本国民がここのところずーっと待ちつづけたファインゴールが。左サイドに俊輔に代わって入ったばかりの三浦 アツからの折り返しをダイレクトで西澤がぶち込む。・・・脱帽。

 その後は一進一退。お互いに持ち味を出しつつ。同点にされたのも仕方ない。それよりも中田、名波、イナがそれぞれ惜しいシュートを放ったので、そのどれかが入っていれば、というところだったけど、それはバルデズを誉めねば。

 PKでゴールポストとゴールバーに阻まれて負けてしまったものの、フランス相手に90分でスコアはドローというのは凄い。しかもスコアレスドローではなしに。すばらしかった。やっと頼れる20代のフォワードが出てきたし。(あれ、西澤ってまだ30にはならないよね?)

 でもこれで今度はマスコミは「セットプレーでの得点が望まれる」なんて手のひら返しちゃうのかなあ。確かにうまくいった感は強いけど、トルシエ続投でいいんじゃない?と僕は思ったね。まあ次惨敗だったら分かんないけど(笑)。