差出人: Takagi [Haruru@swm.root.or.jp]
送信日時: 2000年4月26日水曜日 22:48
件名: げひら的観戦記(4・26日本代表vs韓国代表親善試合)atBS1

<RESULT>0−1
<メンバー>
       柳沢    中山
        (→高原)  (→森島)
         
          中田
  名波{CAP}          望月
   (→三浦)           (→小島)
             伊東
              (→中村)
          稲本  

   服部    松田     森岡

          楢崎

<げひら的MIP>今日は該当者ナシです、敢えて言うなら楢崎。
<文章方針>気持ちが伝わってこないんだなあ。


 さあ、遂に来た、親善試合の韓国戦。言うまでもなく宿敵。言うまでもなく負けたくない相手。とはいってもコリアンJリーガーもかなり在籍するようになって、以前よりは親しみがあるけど。それ以上に互いの手の内は良く知っている相手。
 日本代表もやっとある程度の骨組みが出来て、しかも今回は幸か不幸か中田、名波のセリエAコンビが疲労もなく試合に望めるということで真の実力の試金石となりうる試合だったと思う。お互い格好の相手で。
 しかし、これがアウェーの力なのか、それとも日本代表に何かが足りなかったのか、10人になった相手に技ありのミドルシュート一発決められて1−0で負けた。アウェーと言うことを差し引いても「気持ち」の差だったように思う。相変わらずゴールが遠かった。

 前半の立ち上がりは柳沢のポストプレーや中山のキープ力から中盤の選手が飛び込んでいったりと、目指す形が見え隠れする攻めが出来ていた。しかしそれも最初の数分だけ。だんだん守勢になってくる。
 韓国の攻めは徹底的にロングボールにフォワードが走りこむという戦法。組織は速攻で崩すんだ。ということだろう。その点ではイナとテルのダブルボランチは正解だったでしょう。
 しかし前半のイナはディフェンスで無理なとこからのファールが目に付いた。守備意識がちょっと強すぎたかな?
 今日のフラットスリーは服部、松田、森岡の3枚。服部のところから高さでつけ込まれそうになるもお互いのカバーとポジショニングでよく守っていた。
 しかし、完全に韓国にペースを握られてしまう。ボールをとっても韓国のプレスがきつく、ヤナギのポストもそこから味方につながらない。中盤のパスの精度もいまいち。この辺がセリエ組の2人の「試合勘」という要素もあったような?中田はともかく、名波にちょっとらしくないパスミスがあった気がした。もっとショートパスでリズムを作っても良かったと思うが、それが出来なかったのは韓国のディフェンスがきつかったと言うことだろう。
 しかし、中盤でボールを取られては速攻に持ち込まれ、ファールで何とか止める。というか、ファールでなければ止められない。この辺が「フィジカルの韓国と組織力の日本」という構図なのだろうが、カードが日本に1枚も出なかったのが幸いか。
 しかし、松田がクリアミスをして決定的な場面が韓国に訪れる。失点を覚悟した場面で楢崎が神がかりなスーパーセーブ。できればこれで流れまで引き寄せたかったが、なかなか中盤のこぼれ球を拾えない。拾われては攻め込まれる。これは(あまり触れたくないが)ボランチのポジショニングの責任も無くはないと思う。まあ流れが相手にいっている時は不思議とボールが相手のところにこぼれてしまうものだけど・・・。それにしても拾われすぎ。
 そんな中で光っていたのはやっぱり中田。相変わらず簡単には倒れないフィジカルの強さで魅せてくれた。1対2でまともにやれるのは日本で中田ぐらいだろう。ボールを安心して預けられる。しかしその中田にしてもかなりのプレスをうけてなかなか前が向けない。周りのフォローもどうも効果的でないように見えた。中田は前線でも割とピンチを摘むディフェンスが出来ていたと思う。
 イナもかなりの距離のドリブルからチャンスを演出したプレーが光った。さすが、視野が広いと言うか。しかし、やっぱりイナのプレーの真骨頂は両サイドへのロング(ミドル)スルーパスだと思うので、両サイドはスペースに入り込む選手の方がイナのパスが生きそうに感じた。あまりいないけどね。
 決定的な場面もあったけど、望月のヘッドはまたキーパーに抑えられる。韓国のキーパーはかわいい顔してなかなか手強かった。
 そんな訳で前半は押されたまま終了。楢崎のスーパーセーブ2発で2点抑えたと言う感じ。でもさすが韓国の(日本でもおなじみの)ユ・サンチョルとキム・ドフンのツートップは速い。分かっていても裏に入り込まれてしまう。

 後半はベンチがどう動くかな。早めにオフェンスいじってくれたらいいな、と思っていた。

 そうしたら後半はハーフタイムにトルシエ監督からいい指示が出たのか、メンバーチェンジも無かったのにいい攻めをいきなり展開。ヒデの視野の広さのパスに、再び効果的になって来たヤナギのポスト。中盤のこぼれ球も大分拾えるようになって来た。日本ペース。セットプレーも多く取れるようになったし、イナもよく攻撃にからむ。そうするとオーバーラップさえかけられるようになる。いい流れに。
 ヒデからかなり決定的なパスが出る場面があったが、ヤナギが詰めきれず。右サイド名波からのいいフリーキックも中山合わせきれず。おしい、惜しいが続く。韓国も前半からの激しいプレスで疲れたのか、ファールも増え、運動量も落ちたか?
 でもこの辺から積極的に選手を投入する韓国に対して静観の日本ベンチ。確かに攻めは悪くないけど、もっとオフェンス陣をいじってもいいのでは、というのが素直なところ。柳沢も悪くは無いが、どうもガムシャラに点を取ろうとする姿勢がちょっと伝わってこなかった。まあ解説の原さんの受け売りだけどね。
 そこに飛び込んできた数的有利。中山と小競り合いになった中盤の選手が2枚目のイエローで退場。勝てるか?と思ったよ。
 でも結果論だけど、ここでベンチに動いて欲しかったね。後半30分過ぎてから一気に5人を投入してもちょっと遅かったと思うよ。これはあくまでも結果論だけど・・・。
 そして高原交代直後の一瞬の隙を突かれてベストコースにベストゴールを決められた。神がかりだった楢崎でもあれは止められない。責められない。
 こうなってしまうとホームの韓国は守り一編倒。コーナーキックでもほとんど上がってこないほどの徹底ぶり。「なんとしても守る」という気持ちだよね。これは。
 例え相手が10人でもあれだけ守られてしまえば残り時間は余りにも短かった。俊輔やコジもほとんど何もできぬまま、長い笛が鳴った。
 展開的には運が悪かった。しかし、決定的な場面はどうみても韓国の方が多かった。サイドで勝てない。オフェンスにいまいち気持ちが入ってない気がする。こう言っては選手に失礼だけど。でもあの青いユニフォームは僕らの夢と希望が乗っかってるから、そのくらいは言わせて欲しい。
 プレーで気持ちが見えてくるのは中山隊長ぐらいだよ。もっと必死にガムシャラに攻めて欲しい。そうすれば負けても全力で僕は拍手を送るよ。
 この敗戦で日本はまたランキングが下がるだろう。共同開催するんだから、その時までには韓国とランキングでも肩を並べられるよう、今日の敗戦を生かさないと。
 やっぱりサイドはアレックス待ちになるのかなあ・・・。

 余談だけど、今日のBS1の解説の原さんの喋り方ってどうも「ジャパネットたかた」の言葉がちょっとなまってるおじさんに似てると思うんだよなあ・・・。