差出人: Takagi [Haruru@swm.root.or.jp]
送信日時: 2000年4月22日土曜日 22:39
件名:
げひら的観戦記(4・22ガンバ大阪vsアビスパ福岡)atBS1
<Result>4−0 得点者:小島(森下)、小島(新井場)、小島(二川)、森下(二川)
<メンバー>
小島 松波
(→アンドラジーニャ)
山口貴 二川 森下
(→橋本)
稲本
新井場 宮本〔CAP〕 ダンブリー 木場
岡中
<げひら的MIP>小島はグッドプレー賞をもらったので、魂でゴールを守った岡中に。
<文章方針>ガンバはここから行くぞ、の気合い。
とりあえず今日はここ2試合のガンバの目覚めがフロックでなかったことに安心。そしてユースから出てきた選手のイマジネーションの豊かさ。ベテランが見せた気持ちでのプレー。攻める人が攻めて守る人が守って勝つ。しかも見ていて楽しい試合だった。
今日の相手のアビスパはここのところ「ベストメンバー問題」で論議されているチーム。リーグ戦の合間にあるカップ戦には2軍の(と、Jリーグ側は言っている)選手を出している、これは常に「ベストチームで戦う」という規約に触れるということなのだが、しかしそのメンバーでも結果を出した。負けたならともかく、先発メンバーを何人も入れ替えて勝ったのだから僕はそれでいいと思う。まあそれはそのうち結論が出るから(アビスパにはペナルティーが課せられそうだけど)いいとして、今日は”真の”ベストメンバーで来た。前節ではレイソルを食っているし、決して侮れない。
ガンバも前回の僕も見に行った国立でのFC東京戦に勝って、今週の水曜日のナビスコカップのコンサドーレ札幌戦も(相手はベストメンバーではなかったらしいけど)なんとか勝って、一応2連勝中。前節のリーグ初勝利で得た勢いで連勝できるか?そして前節は動かずして勝った監督の采配は、といくつかの着目点はあったけど、スタメンはほぼ予想通りで、出場停止のビタウの位置には同じポジションの森下が入り、サイドバックの新井場と木場が左右の位置を換わっただけだった。
さて、試合開始。ホームゲームなのに序盤はペースを握られる。ダンブリーも戻ってきてツネさんとのガンバ本来のセンターバックコンビに戻ったはずなのに、どうも危なっかしい。ダンブリーはちょっと安易でしかも危なっかしいミスがいくつもあってヒヤヒヤした。しかもロングボールに合わせて主に山下が裏に走りこむというアビスパの単調な崩しにも、どうもディフェンダーがボールにばっかり集まってしまって、数的には有利のはずがフリーの選手ができてしまう、という危なっかしい感じ。どうも簡単に抜かれるシーンも多かったし。でもそこは岡中のファインセーブもあってなんとか無失点でしのいでいるうちにガンバのリズムも出てきた。
オフェンスで目立っていたのはまず二川。ポジションは1.5列目なのだが森下とスイッチして右に流れたり、パサーだけにとどまらない活躍を見せていた。山口もパサーとしての本領を発揮。イナからのミドルボールはそれほど見られなかったが、それを埋めてあり余るくらいのいいパスをどんどん出していた。そして松波はターゲットマンとして前線に君臨。その松波のポストや二川の”走らせるパス”で、”走る”コジや森下が生きる。コジもどんどん相手のイヤな位置に入っていって、形が出来る。
その中でのコジの1点目。山口の左からのコーナーからダンブリーが頭で競り勝ってファーに流し、ワンタッチで折り返した森下のボールをコジが押し込む。しっかりした形で1対1になりながら相手キーパーの小島にナイスセーブされた直後だっただけにこの一点は大きかった。これはシンプルタッチで折り返した森下のナイスワーク。でもコジのすぐ向こうからイナも詰めていたので、イナのゴールでも嬉しかったけどね。
開始直後はアビスパに形もかなり作られたものの、もうこの辺では完全に試合を握っていた。というか、手数の差が歴然としていた。決定的な形に持っていくまでの。ちょっと最後の詰めの場面で甘い場面もいくつかあったけど、もう1点ぐらい入っていても全然おかしくない前半だった。ディフェンスも細かいミスはあったけど、ツネさんのカバーやフォローなどもあって無失点。岡中様も冴えまくり。前半だけでのイエローカード3枚はちょっといただけなかったけど、審判も厳しすぎのようにもちょっと感じた。
我らがイナもフル回転。画面にちょくちょく飛び込んできていたのが何よりの証拠。イナがよく写る試合は絶対に悪くないと思う。イナが画面から消えてばっかりだったらいかんしね。でも解説の宮澤ミッシェルさんも言ってたけど、判断力が冴えてるからあれだけ思い切って上がれるんだろう。突然1列目にいるもんね。
そしてハーフタイムを挟んで大爆発の後半を迎える。後半の主役はもちろんハットトリックのコジだけど、二川、新井場のガンバユース出身組も魅せてくれた。
まず新井場は1対1での強さを発揮。しかもコジの2点目のアシストは左サイドの1対1でボールを奪ってから二川とのワン・ツーを挟んでの中央ドリブル突破でゴールをお膳立て。気持ちいい「カット&ゴー」だった。
二川も司令塔として、どんどんスペースにいいパスを供給。まあプレッシャーも大してなかったようだけど、こんなにいいパサーが育っていたとは。ガンバユース恐るべし。もっとチームにフィットしてきたらとんでもないゲームメーカーになりそうだ。
そして山口は主に左サイドでパサーとしてもいいパスを出していたが、ベテランらしくボールをキープしてタメを作ってくれた。これは松波にも言えるけど、タメが出来るとリズムも良くなる。
そして何よりも、岡中。完全に1点でもおかしくなかった決定的な場面を頭を蹴られながら守ったプレーは、本当に気持ちが入っていた。ああいう「気持ちのプレー」を見せられればオフェンス陣だって応えないわけにはいかない。松波といい、岡中といい本当に気持ちでチームを引っ張ってくれているのが画面からも伝わってきて嬉しい。それがチームというやつだと僕は思うから。
そして結果的にはコジのハットトリックと森下のゴールで4−0の快勝。ガンバ2連勝。気持ちの入った圧勝で嬉しかった。しかも無得点。運もあっただろうが、こういう結果として残る数字は絶対チームにはプラスになる。次のマリノス戦にはビタウが復帰するであろうので森下はベンチスターターとなるだろうが、二川のスペースへのパスへの受け手・森下というオプションも確立されたと思う。攻め手がさらに増えるということ。すばらしい。
論議されてきたベンチの采配も今日は動いたものの、試合の完全に決まった終了近くの采配だったので次回に持ち越しだね。
ところで暫くベンチにも入っていなかったアンドラジーニャが坊主になっていた。坊主にして結果が出た松波にあやかったのかな?結果は出してもらいたいが、コジと松波のコンビが今すごくいいので出るとしてもスーパーサブだろう。そうなると吉原は?贅沢な悩み。フォワードが足りない某チームにレンタルしてあげたいくらいだ。
でも次はF・マリノス戦。多分今日よりもかなりプレッシャーもきつくなると思うが、このメンバーで「チーム」として成り立ったらそう簡単には負けないと思う。殴り合いなら負けないぜ。ガンバは。鍵はきついマークの中で二川がどれだけの仕事が出来るかだろう。
イナもコジも(もちろんマツも俊輔もアツも川口も)疲れはあるだろうが、いいサッカーを見せて欲しいものだ。横浜国際。見に行くからね。
