差出人: Takagi [Haruru@swm.root.or.jp]
送信日時: 2000年4月17日月曜日 19:04
件名:
げひら的観戦記(4・15ガンバ大阪vsFC東京)ちょっと日記風
<RESULT>3−1 得点者:稲本(ビタウ)、小島(確か山口)、小島(ビタウ)
<メンバー>(ポジションは多分)
小島 松波
山口貴 二川 ビタウ
稲本
木場 宮本〔CAP〕 朝比奈 新井場
岡中
<げひら的MIP>稲本潤一。もしくは稲本潤一。
<文章方針>喜び100%。
やっとガンバが目覚めた。しかも強烈に。眠っていたのが信じられないくらいの勢いで目覚めた。雨の中で。
サッカー雑誌ではないが、ここまでの両チームは全く明暗が分かれてしまっていた。かたや昇格このままの勢いでツートップを中心に”まじめなサッカー”で白星を重ね、一時は首位に居座ったFC東京と、開幕前の「今年は、ひょっとしたら・・・」という期待を裏切ってしまい、そのまま「勝てない病」にでもかかってしまったかのように勝ち点を上げられないガンバ大阪。試合前の声もFC東京有利という声が多かった。
しかし、FC東京は原動力のアマラオが怪我、かたやガンバはディフェンスラインに欠かせないダンブリーが怪我、どっちも主力を一枚づつ落とした試合になりそうな印象だった。
しかも天気予報はバッチリ雨。そして迎えた決戦の朝も悲しきかな、雨。でもそんなことはガンバファンの一大事には構っていられず、7時13分の高速バスで上京。「ガンバのユニフォームに6番を入れてもらってそれを着て応援する」という第一目標があったため、一緒に観戦する予定の方にアドバイスをもらい、ちょっと苦労したものの、原宿の「KAMO」というサッカーショップでユニフォームをゲットする。でも肝心の6番が置いてなくて、「なんとかなりませんか」と聞いてみたらなんと渋谷店から届けてくれた。届くまでちょっと待たされたけど、ありがとう店員さん。
余裕を持って行ったつもりだったがそんなことがあって、ちょうど待ち合わせの時間のちょっと前に千駄ヶ谷の駅に到着。目印の「サッカーダイジェスト」を読んでいると、ほどなく待ち合わせた方が見えて、一緒に国立に向かう。
そう、今回は(実際スタジアムでの観戦は3回目に過ぎないが)イナのホームページの掲示板から知り合った方々と一緒に観戦する約束をしていたのだ。メールでは何回もやり取りしていたものの、もちろん実際会うのは初めて。ちょっとだけあった緊張もやはり同じチーム、同じ選手を好きな人同士、すぐ打ち解けられて良かった。
国立でとりあえず席を確保して(アウェー:ゴール裏)、ユニを着る。他の人たちのカッパは透明で透けるやつだったからその下にユニを着てもちゃんと見えるのだが、僕はちょっと色のついたものを持っていってしまったため、それと「せっかく買ったのだから」という理由でカッパの上からユニを着用。荷物はビニールに入れて雨よけ。でもやっぱり寒いので暫くは屋根のあるところでお菓子やおにぎりを食べて腹ごしらえをしたり、イナの掲示板のほかの人たちと挨拶したりしていたが、練習が始まったのでスタンドに戻った。
それにしてもアウェーチームの扱いはひどい。スタメン紹介なんてホームチームは一人一人やるくせに、アウェーのチームは試合が始まってから画面にメンバーが表示されるだけ。結局サブのメンバーなんてワカラズじまいだった。
でもそのスタメン紹介でガンバファンに衝撃が走る。なんとアマラオがスタメンに名を連ねていたのだ。これにはびっくりした。またも強行出場か。アマラオ抜きならなんとかなるか、と思っていた弱気な自分をちょっと改める。やっぱフルメンバーを倒さなきゃ!
ガンバのスタメンはもちろん”ジャパンのセンターライン”の宮本ツネさん、イナ、コジは不動。キーパーも帰ってきた岡中。予定通り(?)のダンブリーの欠場の穴を埋めたのは朝比奈だった。今シーズンのスタメン出場はおそらく初めてなので、ちょっと連携が気になるものの、気にしてはいられない。そしてサイドバックは木場と新井場。ウイングバックにはもう定着してきた山口貴とビタウ。司令塔の位置に只今売り出し中の二川(ふたかわ)。そしてツートップでコジと組んだのは最近調子のいい松波だった。
雨の中のホイッスルで試合が始まる。前半は一進一退の攻防、というかむしろ押され気味だった。FC東京の脅威のツートップやサイドとのコンビで危ないシーンもたびたび。FC東京はさすがカウンターが得意なチームだけあって一本のパスでガンバのディフェンス陣の裏を取りにくる。やはりツートップのポジショニングと突破力は恐ろしく感じた。でもやはりアマラオも調子がいまいちらしく、ゴールネットまでは辿り着かない。朝比奈のところももっとバタバタするかな?と思っていたが、そうでもなく、またツネさんのカバーリングも安心して見ていられるもので、もしかしたらダンブリーがいないことで「オレ達でやらなきゃ」という危機意識みたいなものが出たんですかねー、なんて話したりした。かえってそれが怪我の巧妙だったりして。(もちろんダンブリーは必要な選手だと思うけど・・・)。岡中もやっぱり貫禄さえ感じさせるプレーっぷりで嬉しかった。
そしてイナも中盤でいつも通りディフェンスも頑張っていた。むこうのチャンスの芽をいくつも摘んでくれていた。中盤に君臨。
しかし、攻撃はどうも前半はちぐはぐ。確かにパスをつなごうという意識は伺えたけれど、なかなかシュートまでは至らない。焦れたのか山口がかなり中の方でプレーしていることが多く、二川とかぶってしまっている感があった。ピッチもよくなくて選手も足を滑らせたりしていてちょっと大変そうだったのは確かにあったけど、パス一本で形が作れるFC東京と比べるとちょっと弱弱しい感じさえ受けた。途中のゴール正面からのフリーキックで「イナが蹴ったら面白いですよねー」とか言っていたら本当にイナが蹴ったのが面白かった。
でも前半を無失点(しかし無得点)で折り返して始まった後半は、前半のちょっと良くない流れが嘘のような怒涛の攻撃が始まる。いきなり開始直後にビタウのシンプルタッチのビューティフルな折り返しにイナがヘディングでFC東京のゴールネットを揺らす。チーム得点王タイの(涙)今期通算二点目。最近のイナは公式戦と練習試合とで得点を続けていたので得点への嗅覚が冴えてきたのか、とにかく見事なヘッドで押し込み、先制。
もちろんスタンドは大盛り上がり。しかも決めたのはイナだったからね。国立としては史上最低の観客動員だったらしいがそんなことは知ったこっちゃなかった。ナイスゴール。感涙。
それで勢いづいたガンバはそれからの流れを握る。特に後半は松波のポストプレーが冴え渡っていた。ヘッドでコジに流してみたと思えば、後ろを向いてうけてタメを作ってみたり。コジのプレーはこの前のニュージーランド戦での高原とのコンビが賞賛されたようにポストプレーヤー(?)と組むとなお生きるらしい。そうじゃないとどうしても2列目的な動きが多くなるからね。
山口、ビタウも良く動き回っていた。しかし二川は余り目立たなかった。彼のプレーをもうちょっと見たかったけど、今彼はきっと司令塔勉強中なのでだんだんもっとフィットしてくるだろう。
しかし、一瞬の隙を突かれ、アマラオに同点ゴールを決められる。ちょっと嫌なムードになりそうだったその時。
コジが決めてくれた。
またもヘッドで。
これで流れが戻った。
やっとだね。コジ(2度目の感涙)
そこからは完全に試合を掌握。点こそ入らないものの押せ押せムードで攻める。イナもミドルを放ったりしたが、そこまで欲張ってはいけないか。
ディフェンスも2,3回危ないシーンもあったが、ツネさんを中心に良く守っていた。イナも中盤の底でピンチを摘みながら、いきなりドリブルでかなりの距離を突進したり。誰かがイナのことを「重戦車みたい」と言っていたけど、まさにそのもの。倒れない。中田ヒデのようにボディーバランスがいいという感じではなく、フィジカルが強い。倒れない。日本にはいなかったタイプのボランチなんだよね。イナって。
そして(実際はオフサイドだったらしいが)松波のポストから数的有利を作ったビタウからのパスを難なくコジが決めて2点のリードを取る。FC東京も3人の交替枠を使い切って攻めに来ていたので、裏を突きやすかったと言えば突きやすかった。
逆にずっと采配うんぬんが論議を呼んできたガンバ・早野監督は全く交代無し。これは名采配だった(笑)。議論は持ち越しだ。
しかし、後半はパスやポストプレーで形をある程度作ってシュートで終わる、というのが徹底して出来ていたので3点というのは決定機の数に比例した妥当なところだった気がする。それだけいい内容だった。なぜ最下位(”だった”になったけど・・・)なのか全く判らない。完全に試合を握っていた。
大して試合が止まってないのにロスタイムは5分もあって気をもんだが、終わってみればそれもご愛嬌。
とっても幸せな、いいゲームだった。
さあ、ここからガンバの逆襲が始まる。イナ得点王への道と。
