差出人: Takagi [Haruru@swm.root.or.jp]
送信日時: 2000年3月13日月曜日 19:09
件名: げひら的観戦記(00・3・11)ガンバ大阪vsヴェルディ川崎in
等々力生観戦編

RESULT:1-2(惜しくも逆転負け) 得点者:大黒
メンバー:松代、実好、宮本<CAP>、ダンブリー、鈴木、稲本、ビタウ、大黒(→吉原)森下、小島(→橋本)、アンドラジーニャ
げひら的MIP:文句無しに☆ビタウ☆
文章方針:できればスタジアムの興奮そのまま

 残念。今年のガンバ大阪は黒星スタート。良くなった点と良くしなければならない点がいくつも出てきた試合だったと思う。
 親友アブ(仮称)と妹あかりとでかけたヴェルディのホーム、等々力グラウンドは思ったよりもかなりキレイだった。移転してしまうのが惜しいけれど、来年からはフロンターレ色に染めてしまえばいいんだ。別にフロンタサポではないが・・・。
 アウェーということもあってどの位ガンバサポーターがいるのかちょっと不安だったけれど、いざスタンドへ足を踏み入れると思ったよりもかなり多く(・・・ガンバサポの皆さん、失礼。)いた。でも主なサポーターは1階席と2階席の2派に別れていた。どっちかの近くに行っても良かったのだがあかりもアブも”まだ”ガンバサポでは”なかった”のでどちらとも少し距離をおいた1階席のゴール裏に陣取った。
 ・・・それにしてもアウェーチームの扱いはひどい。だってスタメン紹介もされないんだもん。ヴェルディは一人ずつ誰が考えたのか知らないニックネーム付き(林の「美白のボランチ」にはちょっと笑ったけどね)で紹介されたのに、ガンバは「ガンバ大阪、選手入場です」のひとまとめだもん。もっと前に紹介したのかもしれないが、(着いたのが試合開始20分前ぐらいだった)、試合が始まってしばらくするまでスタメンで分からないメンバーがいたぐらいだ。
 そして試合開始だ。岡中、都築の相次ぐアクシデントで一番気がかりだったゴールキーパーは松代(まつよ)が務めた。ディフェンスラインとの連携が心配だったがそれは都築だったとしても、そして岡中だったとしても(多かれ少なかれ)いろんな意味でついて回っただろうから考えないことにした。神戸から移籍してきたげひら的に結構期待している山口貴之がやはりスタメンには間に合わず、そしてオフシーズン最大の目玉だった吉原はやはりサブのスタートだった。他のスタメンでは左サイドのミッドフィールドに若い大黒が入ったぐらいでだいたい順当なメンバーだったと思う。平岡かな?と思っていたので・・・。
 ディフェンスラインはウワサどおりの(?)4バック。去年の3バック(ツネ-ダンブ-実好)プラス移籍してきた元日本代表鈴木健仁というメンツ。4バックということはオーバーラップが見られるのかなあ、と期待してしまう。4枚使えば守れるのは当たり前であってもらわないと。
 かなりの「新ガンバ」への期待を込めて試合が始まった。最初はヴェルディペース。こちらも移籍してきた元日本代表の岩本テル(昔は好きだった)が効いていた。中盤を自由に動き回って嫌なところに出してくる。松代も最初はまだちょっとバタバタしていたが、序盤に結構攻め込まれたせいか、だんだん調子を上げてきた。連携も大きなミスもなく、時間が過ぎていく。そしたらそのうちガンバの時間帯がやってきた。立役者は主にビタウ。
 生で見ている感じでは中盤を自在に動いて完全に司令塔という存在だったけど、帰ってきて録画しておいた(BS1)ビデオを見たら一応イナとのダブルボランチということだったらしい。でも「中盤のフリーマン」イナのお株を奪うようなプレーぶりだった。この試合ではビタウが主に前がかりだったのでイナはディフェンシブな働きとロング(ミドル?)フィードが主な仕事だった。でもイナファンとしてはやっぱり守っているだけでは物足りない。ビタウを2列目で使って、ダブルボランチが組めればイナももっと切り込んでいけるのかも。あるいはビタウとの前後のポジション(2.5列目と3列目、のような感じで)のスイッチが自在に出来る様になったらかなり展開力が生まれそうだ。イナはもちろんとしてビタウも守備意識が高そうだし。
 でもビタウから右(森下)へ左(大黒)へ、また前(小島、アンドラジーニャ)への自在なパスが出ること出ること。まあ森下への展開が多かったように感じたけど・・・。それにしても森下、彼の運動量は半端じゃない。生で見て思い切り思い知った。半袖でプレーするその根性にも打たれたし。ガンバの今年のユニフォームはそのうちGETしようと思うんだけど、つけたい背番号が”6(本命)10(対抗)20(穴)”に絞られてきたぐらいだ。泣く泣く絞ってこの3つ。
 ビタウのパスはファンタスティック。それもほぼワンタッチでいいところに出す。しかも強烈なシュートも持っているし、更に高い位置でちゃんとディフェンスをする。本当に大好きなタイプのミッドフィルダーだ。どちらも視野も広くパスの精度も高いイナとビタウという2箇所の「起点」を使える、というのはかなり武器だと思う。イナのミドルフィードの正確性にも磨きがかかってきた感じ。
 しかし気になった点が二つ。まずはポストプレーについて。やっぱりこのスタメンだとターゲットとなるのは小島になってくると思うのだが、2列目の真ん中があいているフォーメーションだったため、ちょっと下がり気味だった気がする。あるいはコジが前にいるときはアンドラジーニャが下がり気味、とか。でもそうなるとツートップが二人とも前ではっている時に比べて「ポストに当てる」長いパスが読まれやすくなってしまうように感じた。もちろん小島は突破と飛び出しだけでも充分魅力的だけれど時々でもポストも使えれば更に攻撃の懐が深くなりそう。それにしてもコジのスピードは半端じゃない。
 そしてもう一点。両サイドバックのオーバーラップが余り見られなかった。両ウイングバックはかなり積極的に動いて突破を図っていたが、更にその外からのオーバーラップも見たかった。特に鈴木なんかは得意分野のはずだし・・・。まあもしかしたら前半はそれがなかったから無失点で終わったのかもしれない。これは結果論。
 ゼロゼロで折り返し、後半。しかし後半は早野監督の采配がことごとく裏目に出てしまった。ように見えた。
 後半もガンバは主にビタウがゲームを組み立てる。でもビタウといいアンドラジーニャといい「タメ」も作れる選手なので、更に回りも生きてくる。やっと鈴木のオーバーラップもちらほら見えてきたし・・・。でも相変わらず森下の兄貴は運動量落ちず。イナも見習って(?)後半は半袖になったし。でも見ている僕は後半は長袖を着てしまった。結構冷えてきたので・・・。
 そして待望の先制点。あげたのは伏兵(重ねて失礼!)大黒だった。目の前のゴールにボールが入ってサイドネットを揺らしたとき、体中の毛穴から興奮が噴き出した。すげえ。アウェー開幕でヴェルディ食うかも。期待が高まる。
 ・・・っと、そこで選手交代。決めたばかりの大黒が下がって吉原が入る。でもこれは一番タイミングが悪くなってしまったというだけで、大黒を下げたのは仕方なかったと思う。しかし、フォワードの選手が3人になってトップを外れたのがコジだったのは疑問符がつく。しかも大黒のいた左ウイングバックに入ったし。確かにこの3人ではトップに誰を残すかが難しい選択になると思うが、(もちろんコータもそうだけど)コジにはあくまで”点取り屋”でいてもらいたい。まあ大黒はそのポジションで点とったけどね。それならばフォワードはフォワードで代えて、ウイングはウイングで代えたほうが良かったような・・・。まあ、これも結果論。
 しかし同点にされたシーンでオフサイドトラップをかけたのに吉原が残ってしまったのはいただけない。(これはビデオで見て初めて知ったんだけど・・・。)かなり痛いミスだった。しかもその時はコジ交代の指示がベンチから出ていて、ちょっと集中力が途切れていたようだ、と解説の原さんが言っていた。
 帰ってきてから見たイナのホームページの掲示板でも話題に上っていたが、コジの交代は「?」だった。動きよかったのに。ポジションを下げられた上に交代か。ちょっとさっきの話と矛盾しちゃうけど、コジは90分使う価値が十分ある選手だと思う。
 ゲームセットの笛がなって結果は終了間際の2失点で逆転負け。でも後半は両キーパーともスーパーセーブも多かったし、ガンバも決定的なシーンがあった。結果はたまたま負けただけで、これは仕方ない。でも課題は残ったね。
 一番思ったのは「もっとフレックスにやれないかな?」ということ。さっきのイナとビタウの併用はともかく、オーバーラップが少ないんだったら例えば去年のスリーバックに木場を加えて、オフェンシブな時間帯はスリーバックにして木場がボランチに入るとか。そうすればイナもビタウももっと前でプレーできるし、効果的なような気がする。鈴木はディフェンスよりウイングで使ったほうが効果的な気もするし。そしてこれも原さんが言っていたけれど、両ウイングがライン際にこだわりすぎということ。確かに大黒も森下も中に切れ込む動きは殆ど見られなかった。4バックのままでオーバーラップを課題とするならば、そういう動きも必要となってくる。
 でも課題よりも中盤の収穫のが確実に大きかった。ビタウがもっとガンバの中で試合を重ねていけば、決定的な形は去年よりも確実に大幅に増えそうだ。ワクワクする。
 次はホームで開幕戦だ。今度は勝たなきゃ。去年のセカンドステージのような「ホームでは勝つ」ことはもう必須条件だ。今度は僕的に期待の若手ミッドフィルダー、二川(ふたかわ)を見たいっす。早野監督。
 最後に一言。たまたまテレビに映っちゃったのかもしれないけれど、相手に中指立てるのはあまり気に入らないぞ。緑の11番。