差出人: Takagi
送信日時: 2000年11月8日水曜日 23:24
件名: げひら的観戦記(11.8 ガンバ大阪vs川崎フロンターレ)

<Result>−0 得点者:ビタウ新井場ビタウブーレ)、新井場ビタウ
<メンバー>

     
 ブーレ   吉原
            (→
松波)  
         
 
山口貴           森下
  (→
二川)         (→小島)   
           
ビタウ
       木場
           
新井場             柳本
      宮本   ダンブリー

         都築


<げひら的MIP>技術光った
ビタウ
<文章方針>つまずかなくて良かった♪

 
 長い、長い中断がやっと明けた。約2ヶ月間中断していたJリーグディビジョン1(いわゆるJ1)。それが今日再開。熱い優勝争いが始まった。
 その先頭に立っているのは僕の応援する我が愛しのガンバ大阪。中断前の試合で首位に立って2ヶ月間危なげなく首位にいるってさっすが関西のチーム。・・・と冗談はさておいて、守備のまとまりとフォワード陣の分厚さで勝ち点を重ねてきた今のガンバは強くなっているよ。そして
イナ宮本都築吉原がシドニーでの経験もつんできた。イナに至っては完全にオリンピック代表でもA代表でも中心選手になって、アジアカップでの経験、そして優勝も持ち帰った。それをチームに生かして是非優勝を!というのが正直な気持ち。
 そしてその残り5試合で立ちはだかるのは川崎フロンターレ、柏レイソル、名古屋グランパスエイト、鹿島アントラーズ、ジュビロ磐田というナビスコカップ準優勝(川崎F)と他4チームは優勝争いのライバルたち。有利とはいえないが一つ一つ撃破して行けば確実に優勝カップが色濃く見えてくるのも事実。そして今日の相手、川崎フロンターレはナビスコの準優勝という自信をつけて、さらに降格を逃れるために必死で来るだろうなあ。という試合前の予想だった。でもここで「取りこぼし」ているようでは優勝なんて恥ずかしくて口に出来ない。絶対90分で勝ってくれよ、と祈りを込めてテレビをつけた。

 今日の不安材料としては
イナの出場停止。イナはガンバが特別に用意した特別シートのお客さんにお弁当を配ったり、ハーフタイムのDJなど、裏方として参加の模様。イナの出場停止はイエローカードの累積3枚によるものだけれど、これがチームにどう影響するか?あとは優勝争いのプレッシャー。そういったところだった。
 そして発表されたスタメン。
イナのところには守備のオールラウンダーの木場が入った。一応ビタウとダブルボランチという形だが、司令塔のポジションは空いているフォーメーションのため、かなりビタウが前がかりになるのは予想できた。でも中盤は木場のワンボランチでビタウが右サイド、二川が司令塔に入ってダイヤ型になるんじゃないかとと思っていたのでちょっとこのフォーメーションは意外だった。が、あとのメンバーは予想通り。

 そしてガンバボールでキックオフ。そうするといきなりガンバが試合を支配する。
 やはり
ビタウは司令塔的に動き、森下は持ち前の運動量を生かしていい突破を見せる。相手がスリーバックなのでどんどん裏を狙っていく。フロンターレのディフェンスはもう後手後手。たまにボールを奪ってもすぐに”職人”木場を始めとするガンバの中盤のディフェンスで奪い返し、また早い展開を見せる。この辺のボール回しはフロンターレファンには失礼だが、ガンバのほうが格上だった。でも決まらない。ブーレブーレ森下と完全に決定機を得るも決められず。ため息が漏れる。
 そのうちに何度かフロンターレのカウンターを食らうもののディフェンスは非常に落ち着いていて、裏もしっかりケアされていた。でもこれで先制点食らったりしたらイヤだなーと思っていたその時にやっとフロンターレのゴールネットが揺れた。
山口がペナルティーエリアの左外から2人にマークされながら逆サイドにクロスを放り込み、それを吉原が頭で折り返すもディフェンダーに当たり、でも再び吉原の前にこぼれたボールを今度はシュートを狙い、それもディフェンダーに阻まれたもののこぼれ球がビタウの前へ。それをビタウが落ち着いて左隅に蹴り込んだ。ナイスゴール。ナイス先制。でも正直「やっと入ったよ」という気持ちだった。それまでに2点は入っていておかしくなかったから。でも山口の粘り、キープ力、そして吉原のあきらめない姿勢が生んだゴールだけに気持ち良かった。
 でもその後はフロンターレの時間帯になってしまう。そんなに危ないシーンはなかったものの、ボールは圧倒的にフロンターレに支配される。でも向こうはむしろドリブルや個人技に頼りがちだったので守りやすかったは守りやすかっただろうけど。ガンバも時折鋭いカウンターを見せるものの得点には至らず。ここでも「パサー」としての
ビタウが光る。今日はロングパスこそ少なかったものの、何本も決定的なパスを供給していた。あと光ったのは新井場のオーバーラップ。特にドリブル。これは本当に相手を切り裂く鋭さを持っている。トップスピードに乗ったら相手はファールでしか止められない。流れも引き寄せうるし、何より迫力がある。本当にいいサイドバックに成長してきたなあと思う。

 そして何となく間延びした展開で前半終了。1点リードじゃあちょっと危なっかしいなあと思った後半開始早々、前半でドリブルで魅せてくれた
イバちゃん(新井場)のゴールが生まれる。まあちょっと相手のクリアミスもあってごっつあんゴール気味だったけど。でもこのゴールの意味は大きかった。そして後半から入った小島の効果もあってか再びガンバペースで試合が進む。
 フロンターレも中盤のつなぎなど攻撃は良くなってきたが、フィニッシュの精度が(ガンバより更に)悪い。またセンターバックの
ツネさんが常に冷静でいてくれるのがありがたい。ちょっとダンブリーが安易なミスなんかがある中でツネさんは冷静に守ってくれたと思う。ただ急に髪の色が大人しくなったので別人かと思ったけど(笑)。
 しかし前がかりになってくるフロンターレに対し、ここから面白いようにオフサイドが取れるようになる。その際強く感じたのはあくまでテレビの画面を通してだけど、
ツネさんがそんなに強くはラインコントロールしているようには見えなかったことだ。これは自然にオフサイドトラップをかけられるようになったということで、守備の組織力の向上と言ってもいいんじゃないか。その辺に多くの解説者が「ガンバ躍進の要因」だと語る「守備意識の高さ」が見えたような気がした。
 しかしガンバのカウンター攻撃は冴える。まあそれだけフロンターレ陣内にスペースがあったということなんだろうけど、とにかく早い攻撃なのにボールの持ち手が孤立しない。このへんがフロンターレのオフェンスとは一味違う所だった。何人もがカウンターに絡む。そうなるとボールの出し所の選択肢も増え、大きな展開もできるし、そうなると相手は守りにくい。必然、チャンスが生まれる。コジもキープ力を発揮し、攻撃に幅ができる。なかなかいい形をいくつも作るものの、
ブーレのシュートが決まらない。
 しかし、その
ブーレビタウと魅せてくれましたワンツーパス。そしてビタウの2点目のゴール。これで3−0。終了間際にはまたビタウの左からの折り返しから新井場がこれまた2点目のゴールを決めて4−0。こうなると完全にフロンターレの士気も消えてしまい、フロンターレは2人がレッドカードで退場してしまう。そしてガンバはそのまま逃げ切って勝ち点3を得た。

 快勝。と言えばそれまでだが、今日は6−2で勝てる試合だった。それだけ攻撃では圧倒してたし、攻守に渡ってフロンターレのミスにも助けられた。少なくとも1点目、2点目はクリアミスを拾って(拾ってつないで)のゴールだったし。
 でもその中でオフェンスでは
ビタウが3ゴールに絡み、技術はもちろん決定力も高いことを示してくれた。ホントうまいし、よく周りを見ている。チームにも完全にフィットした感じだし、かなり心強い。また新井場もあの迫力あるオーバーラップはこれからの死闘の中で貴重になってくるだろう。全体的にもグラウンドの横幅を大きく使ったサイドチェンジなども多用していたし、攻撃の手数は本当に増えてきて頼もしい。欲張ればフリーキックだけど。
 しかし、反省点も多い。一番気がかりなのは
ブーレの調子。今日は本当に1点は取って欲しかった。いや、取れたと思う。4点のうちフォワードの得点がないのは淋しい。今日たまたま決められなかったのだと思いたい。
 そしてディフェンスでも安易なミスがたまに見られた。ミスをなくすのは不可能だし、それを求めてはいけないけれど、”安易な”ミスだけはなくして欲しい。意識の問題だと思うから。
 また、後半ラフプレーの増えたフロンターレの選手に対してガンバの選手が興奮して詰め寄ろうとする局面がいくつか見られたけど、できれば冷静になって欲しい。この大事な時に余計なイエローカードは本当にノーサンキューだから。

 反省点は多いと思う。ここからは本当に死闘になるだろう。特にバックラインのミスは相手に決定的な形を間違いなく与えるだろうし、逆にガンバの決定機は今日ほど多くは来ないだろうと思う。でも今日の試合を支配しての勝利は次に繋がるし、次節は本来のボランチ、
イナが帰ってくる。フォワードの奮起に期待しながら、祈る試合が続くだろう。
 さあ、泣いても笑ってもあと4節。どんなドラマが待っているのだろうか?楽しみでもあり、怖くもある。フォルツァガンバ!