差出人: Takagi Shigehira 件名 : 6月24日 〜♪何を信じているかなんて そんなこと問題じゃない〜 日時 : 1999年6月24日 17:00  このノートもついに3冊目に突入いたしました。 この二日ぐらいは激動というか、特に退院、それから退院後の生活っていうものが、 かなり具体的な形で見えてくるようになって、いろいろと色めき立ってみたり、自分 なりに計画を練ってみたり。  そんなことをしたりして、少しづつもうすっかりネグラとなってしまったこのベッ ドからも”脱出”する事がもうすぐ近いところで現実となってくる。この入院生活と いうものにも、愛着、ともちょっと違う気もするのだけれど、3ヶ月もこの環境でこ のリズムで暮らしていると、やっぱりその環境を離れることにはちょっとした感慨み たいなものがある。  この環境に自分がなじんでしまっている。入院に、病院に、病室に。完全にではな いが、身体のある程度の部分でなじんでいる。おそらくもっと経過が悪かったとして も、このまま、何ヶ月でも居られるだろうな、と思う。適応はしている。  それでも来週には一歩を踏み出すのだ。きわめて深刻に言えば、腎臓病という新た な肩書きを背負って外界に踏み出す。(本人に深刻さが足りないのが課題だが・・ ・。)まあ最近はちょくちょく出ているけれど(苦笑)。 それでも本拠地をここから自宅へ移すわけであり、自由度はかなり高くなる分、自己 管理は少し厳しくしなくてはならない。  自己管理、といっても、今まで何回も触れている、食事における蛋白質と塩分を控 えること。そして毎日絶やさずホルモン剤を飲むこと。(薬を絶やすのが一番いけな いらしい)、あとは夜更かしをしないとか、激しい運動をしないとか、そういったこ とを長期に渡って気を付ける、といったもので、食事と薬だけ特に強く気を付ける必 要があるけれど、習慣づけてしまえばいいだろうと思う。  そう、来週になれば自宅療養という、ともすれば今よりももっと贅沢な身分となっ ているのだ。1ヶ月になるか、1ヶ月半になるかは分からないが、「職場復帰」まで の期間、家でまた贅沢な時間がもらえる。日記は、もう完全に週間づいているのでお そらく書き続けるだろう。エッセイは・・・気分次第かなあ。また気まぐれにノート にいろいろ書いてみて、それをまた送ったりするだろう。  ともかくせっかくの時間だ。もちろん身体を第一に考えながら、いろいろ積極的に 過ごしてみたいと思う。パソコンをちょっと頑張ってホームページでも作れたら、と 思うし、いろいろ行ってみたいところ、会いたい人、お礼を言いたい人もいる。  せっかくの時間なのだ。1ヶ月時間をもらって、プレステのRPGを一作クリアしま したって言うのは無駄ではないが、なんかそうじゃないだろって気もする。  制約は多々ある。それは当然守らねばならぬ。7月に地球が冗談で滅びないのだと したら。ね。でも制約ばっかり考えていたら、できることもできない。制約にばっか り目がいってしまいそうだが、制約の中でできることも実はかなりあるし、制約の中 だからこそできることもあるのだ。  いろいろたくらみながら、退院に備える。  ところで昨日は彼女が来て、午後は外出してデートした。青のマーチで。 ゆったりと時間が流れて、ゆったりと時間を使えるのっていいなあって思った。   <今日のなりゆき五・七・五>  ・金柵{さく}の上 霧を浴びゐる 雨烏 ・昼寝刻 点滴だけが リズム打ち ・霧に影 この盆地にも 蜃気楼 ・雨風も 君にとっては 待ちしもの? ・あの線を 僕のコトバも 通るのね ・こんな日に 昼に寒天 出たりする・・・ ・「道すがら」 そんな歩みで 進めれば ・少しすりゃ 「四十七士も 営業中」 ・ ・・にしてもさ その子のアレは 化粧なの? ・雨の日も 空気とじこめ 電車征く ・おばちゃんの 開けたドアから 湿度・風 ・足音も 重さ軽さに 年の功 ・何時も こぼし続ける 蛇口かな ・かいま見た 社交辞令の 真心を ・軽口で 心の検査を 待ちしひと ・なにげない それこそまさに 年の功 ・伸びた毛や 腎に浸み入る ジャスミン茶 ・そういえば 3枚目だね カレンダー ・水音と ナースコールと 昼下がり ・天井の シミを数えて はや退院 ・薄雨と 変わらぬ景色 胸騒ぎ ・揺れる枝 枝枝どおし 戯れつ ・この時季じゃ 出せぬ柳の しなやかさ ・ひとことが 伏線になる おもしろさ ・響く声 けっこうわかる これも慣れ ・コムロから イヂチイガラシ フジケーコ ・キスミント(の女)! お前の涙 ゲルなのか! ・・・思いつくまま連ねてみました・・・。 ###########################      「ともえちゃ」もらった。         たかぎ しげひら (夏至過ぎの南311号室より) ###########################