差出人: Takagi Shigehira 件名 : 6月22日(夏至) 〜今よりはるかに僕らしく 輝きたい〜 日時 : 1999年6月22日 17:45  ういーっ。と6時5分に目が覚めた。今日もまたニアピンで6時だ。天気はよさそ う、暑くなりそうな気配を感じる。ルームメイト達は既に動き出している。 最近は髪もだいぶ伸びてきたので、朝にはとてもお嫁に行けないくらいの寝グセが しっかりとついていて、一度冷水で寝かしてやらなければならないのだ。  それにしても、夢を見た。立て続けに。山のように。キーワードは”モーニング 娘”と”文化祭”だろうか。モーニング娘づくし、みたいな感じだった。最近ASAYAN 見てないバチが当たったのか。でもこれだけ鮮明に覚えている夢は久しぶりなので、 今日はその話から・・・。  ・・・どこか見覚えのあるようなないような学校の廊下を歩いていた。周囲には女 の子が8人ほど。もう既に「モーニング娘」という位置づけが(僕の頭の中では)な されていた。僕の役割は接待係、みたいなものだったが、最初に相手した娘、後から 考えると絶対にメンバーではないのだが、なんか目つきがスゴクキツくて、しかも (モーニング娘のレベルを遙かにしのいで)偉そうな娘で、僕はそいつが体育館に忘 れたとかいうポーチを取りに行かされるついでに永遠にそいつから逃げ出した。  次は飯田サオリの番、いつにまにか飯田の隣を歩いていた。歩きながら何となく話 しかけて、何となく笑っている。並んで外に出る。とってつけたのかは知らないが、 真夏の光線が照らしつけた。あ、状況出来すぎ? そこから渡り廊下を渡って体育館に入ると、バスケだかポートボールだかのクラス マッチをやっていて、僕は群衆の中でモー娘達の何人かとその競技を眺めていた。隣 には今のメインボーカルの奴(「なっち」だっけ?)がいて、これまた何となく談笑 していた。  ・・・そしてその辺で目覚めが訪れる。中沢ゆうこが出てこなかったのは、どうも いいイメージがないからかもしれない、と思った。  それのしても、なぜモーニング娘だったのだろう?夢に根拠を求めても仕方ないが ・・・。なんか色気のカケラもない、純・健康的な夢だったよ。昨日は寝る前にお色 気モノを読んでいたのに。しかも「若妻の告白」みたいな結構ドギツイやつ。今まで の夢の傾向としては、そういったモノがその夜の夢に何らかの影響を及ぼすケースが 多かったのになあ、と思った。  そう思ったら、昨日出てくるべきは「東京フレンドパーク」に出ていた東幹久かい しだ壱成だったのかなあ。それでお色気でもかなわんが。  今朝もTVの中では都心のサルが逃げ回っている。何となくこのサルがニュースを 引っ張ってるウチは平和だわ、と思ったら、トキももう生まれて一ヶ月になるそう だ。いつのまにやら、大きくなったなあ、トキ。  ビルゲイツの個人資産は11兆円だそうだ。昔は妹なんかとそういうとてつもない 金額の話になると、「10円のガムがいくつ買えるか」といつも換算していた記憶が ある。ビルゲイツは1兆1000億個の10円のガムが買えるのだ。スゲエ。  サマージャンボでも勝ってみようかしら、と思った火曜の朝、快晴。   <哲学のようなもの>  大学一年の時の一般教養で  「哲学」ちょろっとかじった。  「レモンは他の人にとって   あなたと同じようにすっぱいかは                  わかりません」  「あなたにとってそのレモンがすっぱいから   あなたは他の人にとっても    そのレモンがすっぱいのだと                推測するのです」  こんな事を教授は言ってた。   いつかの授業で。  初対面では他人はわかりません  神でなければ  いや、神であっても  初対面では 他人はわかりません。  でも近づいてみたいので   手さぐりをしてみるのだと              思います。  共通点、同じ感じ方、価値観。   そうしたものを誰かから感じとるとき、    なんかホッとする。  ここまで違う道を通ってきてても、   同じようなところに来るんだなあ、と    安堵があって。  同じように与えられたものに   同じような感じ方をできるっていう    誰かがいるっていうのは     やっぱりそれは幸せなことであって。  手さぐりをしてみて   そういったものに巡り逢えるのは    手探りの醍醐味、     とでも言うのでしょうか。  そういうものがあるから   前に進めたりもするし、    安心して決断できたり、     往々にして    そういうものです。  レモン。   レモンはとてもすっぱい    僕にとっては。  でも君にレモンの味を尋ねたとして   君も「すっぱいよ」と答えるでしょう。  余りにもレモンがすっぱいので   僕はもうその共通点には    おそらく安堵はしないでしょうが  そうは言っても   おそらくそのすっぱいには    いろいろな種類もあるハズで、   思わず顔をしかめちゃうすっぱさだったり   思わず顔がほころんじゃうすっぱさだったり  もしかしたら君は   レモンで飯が食えるのかもしれない   レモンで性欲が刺激されちゃうのかもしれない  それは分からないが   とりあえず、それでもレモンはすっぱい。  そのすっぱさが導くものは   いろいろいろいろあるわけでして  真夏の合宿かもしれぬ   居酒屋のチューハイかもしれぬ    もしかしたら、  ドラマ仕立てのファーストキスがまさに、   なんて人が居るかもしれぬ。  いろいろな人が、いろいろな道を通って   今は、ここを歩いている。  おそらく世間の大多数の人が   レモンはすっぱいという常識らしきものに    レモンに関しては辿り着いている。  気象学者が自然に挑んでみて   百葉箱なんか作ってみるうちに    いつしか「平年並み」なんて言葉が     当たり前に天気予報で使われてるように。  いつしか、ここにいる。   ここに辿り着いている。  いつか崩れる常識に。  そうは言っても、そこまで辿り来た   その道程、プロセスってのは、    大きくみんなで違うわけでして。     同じ「すっぱい」でもやっぱり違う。      「すっぱいねー」と笑いあって終わることも                         できるけれど。        そこまでしか踏み込めないってことも                           あるのだけれど。  「すっぱい」に関してお互いに一歩ずつでも   踏み込んでみたとしたら。  もっとお互いの「すっぱい」観が     見えてくるでしょう。  お互いの「すっぱい」観が   もっと見えてきたとしたら    もしかしたらその先に     新しい「すっぱい」の楽しみ方を      見出すこともできるかもしれない。  それも手さぐりの醍醐味。  手さぐりしてもらう醍醐味。  でもすっぱくないひともいる。   そう主張する人もいる。    そう主張できる人。     ミエを張ってるかもしれない。      でも明らかに       僕とは違うプロセスを通って        その人にはすっぱくないのだ。  もしかして、多数決が全ての空間だったら   すっぱくないとは言えなかったり    そんな空間もあるわけで   共有意識みたいな強烈なもので    多数派の色に染まらなきゃ     いけないのかしら、みたいな。  でも世界のどこかでは   すっぱいものをすっぱいと正直に    主張しただけで殺される  50年前の日本だって   そうだったでしょう。  すっぱい物をすっぱいと言う  ただそれだけの事に   命をかけた人だっている。  すっぱくないと感じる人   僕とは違うすっぱさを感じる人    深く手さぐりしてみたら     実は似たようなプロセスを通って      異なったそれぞれの所に       辿り着いていたりして  大切なのは   ぼくはこうすっぱいと    主張することで、   理屈は後からついてくる  すっぱいんだと主張しなきゃ  すっぱいと感じてることさえも   分かってもらえないかも    しれないのだから。     あなたにも   レモンは    すっぱいですか? ###########################          IT'S A SMALL WORLD って「奇遇だねえ」って訳すの?         たかぎ しげひら (暑くて暑い南311号室より)      退院は今週末か来週の頭ということで                    ゴーサインがでました。 ###########################