差出人: Takagi Shigehira 件名 : 5月10日 「そういうふうにできている」読破ぁ。 日時 : 1999年5月27日 15:34  うー。さくらももこ。深い。サラっと読めるんだけども、スパっと割り切ったとこ ろもあるし、いいね。味あるっす。ヒラマツヨシコに謝々。  体重はついに60キロを切った。(59.8キロ)さすがにここは俺には無縁の世 界だと思っていたので、さすがにビックリ。腎臓病あってのこの世界への突入だとも 思うけれど、さすがにちょっと物足りないモノがある。60Kg台半ばがいいや。ウ フ。   <どこまで病気のせいなのだろう、どこまで薬のせいなのだろう>  ま、後から考えてみれば、様々な前兆があって、以前からの腎臓病との共存を思い 知らされるところではあるものの、やっぱり気持ち的にはどうしても「急な発病」と いう位置づけになってしまう。しかし、慢性とは。一年だか一年半だか、もしかした ら二年間の間、そんな爆弾を腹の中に抱えながら、のほほんと生きていたことにな る。  これってやっぱり凄いことだ。社会人としての一年間。そしてもしかしたら彼女と つきあっているこの二年弱の間、ぼくはずーーーっと腎臓病?いやはや、なんと申し ますやら。  こうなると、必然的に「一体いつからなんだろう?」という疑問がわいてくる。 親は、大学4年の時の右足靱帯を切った時の、手術時に使った抗生物質が原因に違い ないと言っているが、主治医の先生に腎臓病の原因は現代の医学ではまだはっきり分 からないんですよ。と、言われてしまってはしょうがない。もうなっているのは事実 だし。  でもなんか、それだけの期間、そんな病気が体の中に巣くっていたのだと思うと、 何となくムズガユイような気がするのだ。実際にはきっとそんなことは決してないの だけれど、こんな丁重な準備期間なんか置かないで、病原菌が腎臓に入って、すぐさ ま発病!!ってな方がなんか治りも早いような気がする。勿論気がするだけなんだけ れども。  「一体いつからなんだろう」に対する答え。いや明確な答えはおそらくどうやって も見付からない。でも少なくとも1年以上、僕は腎臓病を抱えながら飛んだり跳ねた りしていた。でもこういう、入院という状況になってみてはじめて、様々な前兆を思 い起こしたりして、「やっぱりおかしかったのかな」とか思ってしまうのだ。  社会人になって、妙に正座ができなくなった。すぐ痺れる。別に得意なわけではな いけれど、昔はもう少し長く座っていられたのになぁ、とか思った。でもこのことに 関しては、靱帯の手術の後で「何かしらの後遺症が出るケースもある」と脅されてい たこともあり、絶対にそっちだと思っていた。  まあ、医者のこの予言はこういう予想外の形で当たったのかもしれない・・・  思い当たる前兆は他にもある。一時期、朝食が食えなくなった。いや、全然食べら れないわけでもなく、しかしながら自分の思う量は全く食えず、下手をすると戻して しまいそうになった。無理に詰め込んで、出勤中の車の中で「ウエッ!」となること もあった。あったけれども、「疲れてるんだろう」くらいにしか考えていなかった。 ・・・とはいえ、去年はその程度の物で、僕も基本的には楽観的であるので、あまり 深くは気にとめなかった。  それでも今年に入って、考えてみれば当然のことながら、前兆は明らかに増えた。 あかりのバイト先の寿司屋さんで、ジイちゃんの退院祝いの席が一席設けられたと き、昼飯を抜いて、腹を空かせて参加したにもかかわらず、コースの途中でどうにも 気持ちが悪くなって何も食えなくなってしまい、笑ったり、寝っ転がったりしてゴマ かしたのだけれど、せっかくの席で、何か無性に悔しかった記憶が残っている。今ま ではこんなことは一度も経験がなかった。  また、疲れやすいのも出てきた。スキーに行ってもすぐ疲れる。一日はおろか、半 日も滑れない。そんなことがあった。会社の先輩と行ったときだ。確かに気分的に満 足したというのもあったけれど、今考えると体力的にも結構しんどかった気がする。  そして3月に入り、いよいよ足は痺れ、むくみ、ついに入院。そして入院。 何かそんな発病サイクルの長い(?)病気のせいか、なんかすべてのイヤなことを病 気のせいにしたくなってしまう。「体が弱り、抵抗力が落ちる」という具体的なよう なそうでないような症状はいつからあったんだろうか? もともとタフではないが、最近は病気のせいもあったのだろうか?すぐ疲れること。 すぐ眠くなること、それも短い睡眠ではゴマかせないこと。仕事中も昼寝しなきゃ やってられなかったこと。(しかもその昼寝も、段々時間も長く、眠りも深くなって いったこと)、太り気味だったこと。そんなものを全部病気のせいにしていると、何 かしまいには諏訪でなかなかいい友達ができないのも病気のせいにしてしまいそう だ。  でも明らかに、病気になる前からタフじゃないし、仮に治ってみたところで、何も 変わらないかもしれない。いや、もしかして、凄まじく変わったりして。それはない か。  でもって、その憂うべき腎臓病の治療のためのホルモン剤(ステロイド剤、とも言 う)も副作用がズラリ。白内障から”鬱”まで。ズラリ。  今のところ副作用の気配(「顔の変形」が一番気にかかる)はないような気がする が、時々”?”という場面もある。ベッドに横になっていると、突然涙が「つーっ」 と流れたり、精神の揺れ動きも少し大きいんじゃないかと感じるときもある。変な夢 も続々と見るし(今朝は高校時代の部活の友達とひたすらゲームをする夢。あと、 入ったトイレの便器の中に、激太のウンニョがあって、しかし水洗のレバーもなく、 バケツに水汲んできて流そうかなー?と思案したあげく、見ない振りをして立ち去る 夢だった)。あと、手の指が、言うことを聞かなくなる(”つる”ような感じ)こと も時々あるし、足の指も・・・・・。  ・・・・・結構あるような気がしてきた。こうなると、調子に乗って、諏訪に友達 ができないのも薬のせいにしてしまいそうな勢い。悪い癖だ。  でもそこでちょっと冷静に思いとどまる。これって病気のせい?薬のせい? 思わずそうしてしまいそうになるけれども、実際にはそれほどの影響はないのかもし れない。もし腎臓病でなかったとしても、あまり変わらない1年だったかもしれない のだ。  結局、なるようにしかならない。「そういうふうにできている」 やっぱりそうな のだろうか。  ***************************             S311号室より         たかぎ しげひら ***************************